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読書会までラスト7日/国家ゼロ

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9. 読書会(勉強会)
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ようやく買えたもんざです。

私は超ド近眼なのですが、老眼が進んだせいなのか、眼精疲労が著しくなりました。

これは眼鏡を変えるべきなのかもしれないな、と思いつつ、行動できていませんでした。

しかし金曜の仕事帰りに、思い切って気になっていた眼鏡屋さんに行きました。

良さげなフレームも見つかり、眼科医の女性にその場で丁寧な視力検査をしていただき、プロフェッショナルなアドバイスもいただけたので、その場で購入することを決めました。

「その眼鏡で、まさか運転はしていないでしょうね?」と激しく心配されました。

新しいレンズの調整もしていただけて、遠近ともにかなり良く見えるようになりそう。

来週、受け取るのが楽しみです。

進捗報告

今月みなさんと共有するのは、こちらです。「西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか」エマニュエル・トッド (著), 大野 舞 (翻訳) 文藝春秋 https://amzn.to/3Ptqfy7

この本は終章まで含めると全部で12章です。各章から印象に残ったところを紹介していきます。

今回は、第6章「「国家ゼロ」に突き進む英国」第7章「北欧ーフェミニズムから好戦主義へ」から。

このふたつの章では、現在の英国と北欧について歴史的な出来事の分析から現状の傾向が描かれます。

引用「イギリスは核兵器の真の保有国とはいえない。メンテナンスをアメリカに依存し、そもそもアメリカの承認なしに使用できるかも不透明だからだ」

(第6章「「国家ゼロ」に突き進む英国」)

引用「イギリスの好戦主義は、悲しいと同時に滑稽である。(中略)提供できた物資はわずかでも、イギリスがあらゆる段階で戦争を劇化させてきたことだ。(中略)通常の弾薬の在庫が尽き、ウクライナにクラスター爆弾を送ったのはアメリカだけだったが、アメリカはイギリスに倣って劣化ウラン弾も供与している」

(第6章「「国家ゼロ」に突き進む英国」)

引用「というのも、ジュリアン・アサンジの身柄引き渡しをイギリスが認めるとなると、イギリスの独立は正式に消滅したとみなすことができ、「アメリカの衛星国」という地位をほぼ正式に与えられるからである」

(第6章「「国家ゼロ」に突き進む英国」)

引用「何度でも強く繰り返すが、私がこうしたことを書くのは、怒りをぶつけるためではなく、歴史家として、今日のイギリス社会の特質を理解するためである」

(第6章「「国家ゼロ」に突き進む英国」)

引用「イギリスのウクライナ支持が茶番であるのは、イギリス自身が独立とは何かを忘れつつあることを鑑みれば、驚くことではない」

(第6章「「国家ゼロ」に突き進む英国」)

引用「イギリスの場合、高等教育を受ける者と受けない者の対立は、それ以前の階級的アイデンティティによって複雑化し、他では類を見ないほど激しいものになっている。(中略)最も高学歴の人々はブレグジットをめぐって圧倒的に「残留」に投票したことも思い出しておこう。EU離脱により(中略)大衆に対する上層中流階級の習慣的な嫌悪感はむしろ激しくなってしまった。ちなみに、単に高等教育を受けただけの人々がイギリス全体を支配しているわけではない。アメリカとつながりがある超富裕層(スーパー・リッチ)たちが支配しているのだ」

(第6章「「国家ゼロ」に突き進む英国」)

イギリスの非公式国歌「エルサレム」(ブレイクの詩(1804)にヒューバート・パリーが歌にした(1916))は、英国がプロテスタントの国であり国民と宗教が親密に混ざり合っていたことを示すものです。かつては宗教と一体化して存在していた英国ですが現在では、宗教が完全に崩壊しているため、『国民としての感情の崩壊も招くことは間違いない』と著者は断言します。

引用「プロテスタンティズム・ゼロは、「惰性的国家」というより、むしろ「国家・ゼロ状態」を示している。」

(第6章「「国家ゼロ」に突き進む英国」)

著者はユダヤ系フランス人ですが、放射能汚染が長く続く劣化ウラン弾を、英米が提供していたことを非難していることに、彼の倫理意識の高さを感じました。それとともに、英米の指導者たちがイラク戦争の歴史から学ばず、どれほど倫理感が欠如しているのかも明らかになりました。

第7章を読むと、なぜ北欧が積極的に紛争に介入するのかを理解できます。

引用「この戦争は、ノルウェーがヨーロッパにおけるアメリカの現役軍事エージェントであることを示唆した。デンマークは、おそらくノルウェー以上にアメリカのシステムに組み込まれている」

(第7章「北欧ーフェミニズムから好戦主義へ」)

引用「ロシアがスウェーデンを攻撃するかもしれないなどと想像することは、はっきりと「馬鹿げた妄想だ」と申し上げよう。(中略)ロシアと国境を接してもいないスウェーデン人については、精神医学が言うところの「過剰反応」と診断せざるを得ない。(中略)小国スウェーデンは、昔から有能で手強い国であるが、バルト海を再征服するために「中立」を放棄するのは、決してよい考えではないだろう。(中略)「ロシアからの脅威」は現実には存在しないが、「ロシアへの恐怖」は現実に存在する。(中略)「ロシアへの恐怖」の起源にも迫りたいのである。」

(第7章「北欧ーフェミニズムから好戦主義へ」)

引用「これらの国の事例が特に興味深いのは、プロテスタンティズムの最終的な崩壊こそが紛争への積極的介入の隠れた原動力の一つであることを裏付けてくれるからだ」

(第7章「北欧ーフェミニズムから好戦主義へ」)

引用「NATO加盟を求め、それを実現したスウェーデンとフィンランドが明らかにしたのは、「ロシアから守ってほしい」という欲求ではなく、是が非でも「どこかに帰属したい」という欲求だったのである」

(第7章「北欧ーフェミニズムから好戦主義へ」)

こういう情報は、日常的なニュースからは全く知ることができないので、非常に興味深く読みました。

今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。

参考:[ウクライナに「ウラン弾」供与、英国の重大責任 放射能汚染で「イラク戦争の悲劇」再現も | ウクライナ侵攻、危機の本質 | 東洋経済オンライン](https://toyokeizai.net/articles/-/672359?page=3)

参加者(5名)

  1. もんざ「西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか」エマニュエル・トッド (著), 大野 舞 (翻訳) 文藝春秋 https://amzn.to/3Ptqfy7
  2. りんさん「死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説」田坂広志 (著)光文社 https://amzn.to/4gJRal8
  3. にしやまさん「ムダがなくなり、すべてがうまくいく 本当の時間術」望月 俊孝 (著)すばる舎 https://amzn.to/4fWsmFi 
  4. じょあんなさん「超加速経済アフリカ―LEAPFROGで変わる未来のビジネス地図 」椿 進 (著)東洋経済新報社 https://amzn.to/42kd3TA
  5. Treeさん「技術革新と不平等の1000年史」ダロン・アセモグル (著), サイモン・ジョンソン (著), 鬼澤 忍 (翻訳), 塩原 通緒 (翻訳)早川書房 https://amzn.to/4hhvugb

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「死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説」田坂広志 (著)光文社

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