ホントにお酒を飲まなくなったもんざです。金曜の夜、別プロジェクトの懇親会に参加しました。皆が浴びるように飲んでいるなか、水とお茶だけ飲んでました。胃の調子がイマイチだった、ということも理由ですけどね。お酒やスイーツなどの嗜好品って、いったん止めてしまえば、強烈な渇望からは離れられます。本当に自分の意思で飲んだり食べたりするより、商品に付随するイメージが欲望を生みだすのかな。
食欲以外の要素から、嗜好品への欲求が高まることに自覚的になれてうれしいです。
グレイゾーン
さて、今月の読書会で共有したいのは、こちらです。NHK 100分 de 名著 ボーヴォワール『老い』 2021年 7月 [上野千鶴子著] (NHKテキスト)
今回は、実体験と結びついて「お!」と思ったところを共有します。
認知症について、ボーヴォワールはこんなことも述べています。『老化の正常な随伴現象である精神機能低下と病理的な性格をもつ異常とのあいだに一線を画すことは、現在でもしばしば困難である』なんてまともなことを言っているのだろうと感心します。この当時、老人性痴呆は手に負えない精神障害だと思われていました
NHK 100分 de 名著 ボーヴォワール『老い』 2021年 7月 [雑誌] (NHKテキスト)
昨年、介護に関する相談を専門家にしたときに、同じようなことを、もっと柔らかい言葉で説明されました。
「24時間ずーっとボケているわけじゃないからねぇ。しっかりしている時もあるし、ちょっとボケている時もあるでしょう。だから、痴呆だからと言って、本人の意思を全く無視すると悪化する可能性が高いの。できるだけ本人と丁寧に話したほうが状況は良くなる可能性が高いの」
それを聞いた時に、確かにそうだよなぁと思いました。無意識に白黒はっきりさせようとしがちですが、境界にあたるグレイな部分はいっぱいありますよね。
今では、当たり前と思われていることも、数十年前には非常識だった。じゃあ、今の常識も、数十年後には非常識になっているのかもしれませんよね。
今日も読んでくださってありがとうございます。
参考
いったん発育した脳が損傷されて、その結果として、それまでに獲得された知的能力が低下してしまった状態をいう呼称として、長らく使われてきた用語。2004年(平成16)に厚生労働省が、一般的な用語や行政用語としては「認知症」が適当であるとの見解を示し、以後は「痴呆」を用いなくなった。なお、法律上の用語については法改正のなかで検討され、医学上の用語としては「痴呆」が使用される場合もある。
“痴呆”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, (参照 2022-05-22)
いったん発育した脳が損傷されて、その結果として、それまでに獲得された知的能力が低下してしまった状態をいう。この状態について、日本では長らく「痴呆 (ちほう) 」という呼称を用いてきたが、2004年(平成16)に厚生労働省が、一般的な用語や行政用語としては「認知症」が適当であるとの見解を示し、「認知症」を用いることとなった。同省は、この変更の理由として、「痴呆」という用語は侮蔑 (ぶべつ) 的な表現であるうえに、症状の実態を正確に表しておらず、早期発見・早期診療等の取り組みの支障となっていると報告している。なお、法律上の用語については法改正のなかで検討され、医学上の用語としては「痴呆」が使用される場合もある。
“認知症”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, (参照 2022-05-22)
1 お供としてつき従うこと。また、一緒に連れていくこと。随行。「大使に―して渡米する」2 ある物事に伴って起こること。「組織改革に―する課題」「―現象」
“ずい‐はん【随伴】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, (参照 2022-05-19)
参加予定者(8名)
- もんざ (主催者) NHK 100分 de 名著 ボーヴォワール『老い』 2021年 7月 [雑誌] (NHKテキスト)
- Yoko3さん
- maru(まる)さん
- よしざきさん
- じょあんなさん
- りんさん
- ゆりさん
- Keikoさん(仮)
共有予定の本
老いは不意にあなたを捉える。見たくない、聞きたくない、考えたくない――。そんな「老い」の実態をあらゆる観点から論じ、従来のステレオタイプを次々と打ち砕いたボーヴォワールの主著。なぜ老いを自覚することは難しいのか。老人が社会から疎外される根本理由とは。キレイゴト抜きに「老い」の実態を暴き、「文明のスキャンダル」と捉え直した著作の真価を、現代日本の状況にも引きつけながらやさしく解説する。
<内容:アマゾン商品説明より> NHK 100分 de 名著 ボーヴォワール『老い』 2021年 7月 [雑誌] (NHKテキスト)