正論だから受け入れられるわけじゃないことを学んだもんざです。
話し合いで、なかなか難しいのは、妥協点をどこにするかです。各自が意見を持っていて、それぞれに利点と欠点がある。一般的な正論を持ちだしても、必ずしもそれが現状にピッタリこない。
議論していると、相手を言い負かすことが目的になっちゃう人もいる。そうなると状況を改善するという目標を達成するための話し合いで、より事態が悪化することにもなりかねません。
自分が正しい!って、思っている人同士が真正面からぶつかっている場にいるとき、仲介者としてできることって何だろうなぁ。。。何を鍛えればいいんだろう。。。
豊かな老いとは
さて、今月の読書会で共有したいのは、こちらです。NHK 100分 de 名著 ボーヴォワール『老い』 2021年 7月 [上野千鶴子著] (NHKテキスト)
今回は、結論部分にあたる第4回から印象に残った部分を共有します。
では、わたしたちはどうすれば豊かな老いを生きることができるのでしょうか。(中略)結論から言うと、『老い』にその答えは書いてありません。それは個人が乗り越えるべき問題ではなく、文明が引き受けるべき課題だとボーヴォワールは、考えているからです
NHK 100分 de 名著 ボーヴォワール『老い』 2021年 7月 [雑誌] (NHKテキスト)
1970年代のフランスで高齢者に対する社会保障は不十分で、認知症を発症した老人が非人間的な取り扱いを受けていた状況も数々の事例から示されています。
先日、母とZOOMで話した時に、彼女が30年ほど前に義父を自宅で介護した話を聞きました。
介護保険制度もなく、老人ホームは入所待ち。
訪問看護やデイサービスのしくみもなかった時代です。
入浴、排せつなど日常生活のサポートを全て母が引き受け、とても辛かったようです。
当時、訪問看護などの高齢者福祉制度があれば、母の負担はずいぶん軽くなったでしょう。
(その時、私は全く父母の苦労を知ることもなく、初めての一人暮らしの解放感に浸りながら、大学に通ってました。。。)
老いの問題は、間違いなく社会的な課題であることが体感できました。
今日も読んでくださってありがとうございます。
ゆりさんから、参加表明がありました。うれしいです(^^)
参考
フランスの哲学者。ポアティエに生まれ,レビ・ストロース,アルチュセールとともに1960年代後半に〈構造主義〉の代表的思想家として脚光をあびた。エコール・ノルマル・シュペリウールで哲学を専攻したのち,精神医学の理論と臨床の研究に従事した。パリ大学教授などを経て,70年来コレージュ・ド・フランスの教授。
“フーコー(Michel Foucault)”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, (参照 2022-05-19)
ある時代・集団を支配する考え方が、非連続的・劇的に変化すること。社会の規範や価値観が変わること。例えば、経済成長の継続を前提とする経営政策を、不景気を考慮したものに変えるなど。パラダイムチェンジ。パラダイム変換。パラダイム転換。発想の転換。
“パラダイム‐シフト【paradigm shift】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, (参照 2022-05-19)
封建国家や絶対主義国家の崩壊後に、市民革命によって成立した国家。自由・平等、基本的人権の保障、議会政治、法治主義による中央集権制などを特徴とする。
“きんだい‐こっか【近代国家】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, (参照 2022-05-19)
参加予定者(8名)
- もんざ (主催者) NHK 100分 de 名著 ボーヴォワール『老い』 2021年 7月 [雑誌] (NHKテキスト)
- Yoko3さん
- maru(まる)さん
- よしざきさん
- じょあんなさん
- りんさん
- ゆりさん
- Keikoさん(仮)
共有予定の本
老いは不意にあなたを捉える。見たくない、聞きたくない、考えたくない――。そんな「老い」の実態をあらゆる観点から論じ、従来のステレオタイプを次々と打ち砕いたボーヴォワールの主著。なぜ老いを自覚することは難しいのか。老人が社会から疎外される根本理由とは。キレイゴト抜きに「老い」の実態を暴き、「文明のスキャンダル」と捉え直した著作の真価を、現代日本の状況にも引きつけながらやさしく解説する。
<内容:アマゾン商品説明より> NHK 100分 de 名著 ボーヴォワール『老い』 2021年 7月 [雑誌] (NHKテキスト)