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読書会まで6日「社会契約論」第二篇第8章 法に適した人民?

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9. 読書会(勉強会)
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第112回ZOOMで読書会で共有予定の本を読み進めています。
今回は第二篇第8章「人民について」から、気になった点と学習記録のメモです。

■社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫) ルソー (著), 中山 元 (翻訳)

人民に合わせた立法を

法に適した人民がいるのだから、立法者はそれを考えるべきだ、という理論には驚きました。法律がなかった時代を知らないから、それを作るのにどれだけ苦労したのか、想像するのも難しい。

プラトンがアルカディア人とキュレネ人のために立法することを断ったのはそのためである。どちらの民も豊かであり、[法律が要求する]平等を嫌っていることを知っていたからである。クレタ島の法律は優れたものだったが、人民は邪悪だったのも、そのためだ。[クレタ島の王の]ミノスが法律を定めたとき、すでに人民は悪徳にそまっていたのである

第二篇第8章 人民について 「社会契約論/ジュネーヴ草稿」 (光文社古典新訳文庫) ルソー (著), 中山 元 (翻訳) 

豊かだから法律が要求する平等を嫌う、っていうところはドキッとさせられますねぇ。

第二篇では主権や立法、人民などについてのルソーの考えが語られていて、第8章~第10章は立法者が考えるべき注意点を示しているのですが、以下を読んだときは、リアルな例え話に思わず笑ってしまいました。

地上には、優れた法律には決して耐えられないのに繁栄した民は無数にいる。(中略)人間と同じく、人民は青年期をすぎると従順ではなくなるものであり、老人になるともはや聞き分けがなくなるものだ。慣習が定まり、偏見が根を下ろすと、改革しようとするのは危険であり、無謀な企てである。人民が病にかかると、それを治療してやろうと言っても、手を触れられることも嫌うのである。まるで医者の姿を目にしただけでおびえる愚かで臆病な病人のようである

第二篇第8章 人民について 「社会契約論/ジュネーヴ草稿」 (光文社古典新訳文庫) ルソー (著), 中山 元 (翻訳) 

「無謀な企て」と言われますが、現代社会では、ほとんどの国で慣習が定まって、偏見が根を下ろしちゃってる状態ですよ。でも問題点があるから、危険でも改革しなきゃならないんです。

ルソーが50歳でこの本を出版したのが1762年。発作で死亡する16年前。彼はまだ自分自身を老人だとは感じていなかったのでしょうか。ルソーがこの本を執筆してから、たった259年で世界中の先進国は、支配者層も人民も老人だらけになっちゃったんですよね。

でも、たぶん、トランプもバイデンも菅さんも自分を老人だと思っていない気がする。私たちは歴史からたくさん学びつつ、過去の偉人たちが想像もできなかった地点に立って、未来を見なきゃいけない位置にいることも自覚するべきですね。

参考

プラトンPlatōn(前428か427-前348か347)
古代ギリシアの大哲学者。ソクラテスから受けた決定的な影響のもとに〈哲学〉を一つの学問として大成した。イデア論を根本とする彼の理想主義哲学は,弟子アリストテレスの経験主義,現実主義の哲学と並んで,西欧哲学思想史の全伝統を二分しつつ,はかりしれぬ影響と刺激を与えている。

“プラトン(Platōn)”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-11-21)

ギリシア南部、ペロポネソス半島中央部の県。古代にアルカディアとよばれた地域とほぼ重なる。県都トリポリス。

“アルカディア”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-11-21)

アフリカ北岸の古代ギリシア植民市。現在はリビア領に含まれ,ベンガジの北東約200kmに位置し,大規模な発掘が行われた。前7世紀の末,飢饉に襲われたテラ(サントリニ)島住民の一部がバットスBattosを植民指導者としてこの沃地に入植(前4世紀に再録された植民決議の碑文がキュレネのアゴラから出土している),バットス一門の王政は前5世紀半ばまで続いた。その後,プトレマイオス王朝の支配を経て,前74年にローマの属州キレナイカとなる。

“キュレネ”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-11-21)

ミノス(Minōs)クレタ王.彼に関する説話は,今日のクレタのクノッソスを中心に栄えたとされるエーゲ文明(ミノア文明)についてのギリシア人の知識を示す.ゼウスとエウロペの子で,パシファエを妃とし,立法者として知られ,また広く海上を支配した.ポセイドンに供えるため牡牛が海から現れることを祈ったが,その牛の美しさのためにこれを自分のものとしたところ,妃がこれと通じて人身牛頭の怪物ミノタウロスを生んだ.ミノスはミノタウロスを迷宮に幽閉し,自分の征服したアテナイから毎年若い男女を徴してこれに食わせた.のち迷宮の作者ダイダロスの跡を追ってシケリア島に至り,そこの王コカロス(Kokalos)に欺かれて殺された.

“ミノス(Minōs)”, 岩波 世界人名大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-11-21)

参加者の紹介予定本

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