4月の読書会(第117回ZOOMで読書会)で、私はこちらの本を共有する予定です。今回は第1章のクルーグマンさんのお話から気になったところを共有します。
(「未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来」 (PHP新書) ポール・クルーグマン ほか(著))
[音声DL付]「英語で理解する 未完の資本主義」(アルク)大野 和基 (著)
福祉資本主義が現在最良のシステム?
この本は、資本主義のこれからを、著者の大野氏が9人の知的巨人に質問してみるっていう趣旨で作られた本なので、読みどころも、そこにあります。大野さんがクルーグマンに「資本主義は時代遅れになるのか?」と質問しています。クルーグマンは、資本主義の代わりのシステムを見つけるのは困難だろうという意見でした。
資本主義は気まぐれに採用されたシステムではありません。それ相応の理由があるから存在しているのです。(中略)現在ある全ての先進国が採用している福祉資本主義のようなものが、私たちが考案することのできた最良のシステムだと考えます。I mean, capitalism is not an arbitrary system. It’s there for some very good reasons….I still think that something like the welfare state capitalism of ,really of all advanced countries now is still the best system we’ve managed to devise.
[音声DL付]「英語で理解する 未完の資本主義」(アルク)大野 和基 (著) 第1章 ポール・クルーグマン
確かに、これまでは最良だったかもしれません。そう簡単に次のシステムは出てこないよ、ってクルーグマンさんは言うけど、どうなんでしょうね?次回は、第2章を共有しますね。
もくじ
- 第1章 ポール・クルーグマン(ノーベル賞経済学者)――我々は大きな分岐点の前に立っている ← 今ここ
- 第2章 トーマス・フリードマン(『フラット化する世界』著者・NYタイムズコラムニスト)――「雇用の完新世」が終わり「人新世」がはじまる
- 第3章 デヴィッド・グレーバー(文化人類学者・ウォール街占拠運動の理論的指導者)――職業の半分がなくなり、「どうでもいい仕事」が急増する
- 第4章 トーマス・セドラチェク(『善と悪の経済学』著者・チェコ共和国経済学者)――成長を追い求める経済学が世界を破壊する
- 第5章 タイラー・コーエン(ジョージメイソン大学教授・経済学者)――テクノロジーは働く人の格差をますます広げていく
- 第6章 ルトガー・ブレグマン(ジャーナリスト・歴史家)――ベーシックインカムと1日3時間労働が社会を救う
- 第7章 V・M=ショーンベルガ―(オックスフォード大学教授・ビッグデータの第一人者)――「データ資本主義」が激変させる未来
Paul Robin Krugman
“クルーグマン”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, (参照 2021-04-10)
[1953― ]
アメリカの経済学者。1953年、ニューヨーク州オルバニー生まれ。1974年にエール大学を卒業し、1977年にマサチューセッツ工科大学(MIT)で経済学博士号を取得。MITやスタンフォード大学の教授などを歴任した後、2000年からプリンストン大学教授を務める。また、レーガン政権の経済諮問委員会上級エコノミストを務めたほか、世界銀行(国際復興開発銀行)、国際通貨基金(IMF)のエコノミストなどの経験もある。気鋭の経済学者として、内外の経済・金融政策に積極的に発言することで知られ、ニューヨーク・タイムズ紙掲載の機知に富んだ鋭いコラムでも有名である。
1991年には、有望な若手経済学者に贈られるジョン・ベーツ・クラーク賞を受賞し、早くからノーベル経済学賞の有力候補者と目されていた。2008年に、「新しい国際貿易理論と経済地理学の確立」で、ノーベル経済学賞を単独受賞した。
Definition of welfare capitalism
Definition of welfare capitalism, Merriam-Webster
: capitalism characterized by a concern for the welfare of various social groupings (as workers) expressed usually through social-security programs, collective-bargaining agreements, state industrial codes, and other guarantees against insecurity
福祉資本主義の定義:通常、社会保障プログラム、団体交渉協定、州の産業法、およびその他の不安に対する保証を通じて表明される、(労働者としての)さまざまな社会集団の福祉への懸念を特徴とする資本主義
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
読書会の参加予定(3名)
- もんざ (主催者)「未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来」 (PHP新書) ポール・クルーグマン ほか(著)
- にしやまさん「英語独習法」 (岩波新書) 今井 むつみ (著)
- Cai Linさん「 Atomic Habits 」 James Clear 著 (ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 ジェームズ・クリアー (著) )