カウントダウンコラム1. Zoom読書会9. 読書会(勉強会)

否定的アイデンティティを理解する

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カウントダウンコラム
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あ、そういうことか、と思ったもんざです。Kindleアンリミテッドを契約しています。最初はあんまり読む本がないなぁと思っていたのですが、光文社古典新訳文庫シリーズやグーテンベルクの古典でアンリミテッド対象になっているものが多いことに気づいてから、かなり元がとれるようになってきました。

図書館代わりに使えると思えば非常に便利です。また、kindleアプリをPCとスマホに入れているので、じっくり読みたいときはPC、気軽に読みたいときはスマホで、と使い分けして読書を進める方法も定着しました。ただ、最近発生したトラブルはPC側でアマゾンにログインしてアンリミテッド本をダウンロードしようとしたら、エラーになるというもの。

うーーん、なんだろうな、これは?しばらく悩んだのですが、ハッと閃いたんです。もしかしたら、スマホなら購入できるのかな、と。案の定、スマホのkindleアプリからだとエラーが発生せず、スムーズに購入できました。AmazonのFAQにも載っていなかったのに、よく気づけたなと自分を褒めていました。こういうのって、うれしいですね。

否定的アイデンティティ

さて、今月の読書会で共有したいのは、こちらです。NHK 100分 de 名著 ボーヴォワール『老い』 2021年 7月 [上野千鶴子著] (NHKテキスト) 

読んでいてハッとさせられたところを共有します。

心理的老いがもっとも遅れるということは、人は自分の老いを自認できないことを意味します。老いを受け入れられない。そのことをエリクソンの言葉で「否定的アイデンティティ」と言いますが、老いた自分を肯定できないのです。

NHK 100分 de 名著 ボーヴォワール『老い』 2021年 7月 [雑誌] (NHKテキスト) 

否定的アイデンティティはマイノリティの人たちも持っていて、他人から差別されると同時に自分で自分を差別してしまう、という状況なんですね。この自己否定感が強いと迷路から抜け出せなくなります。だって、老化は止められないから。現実を認めて、老いを受容するところがスタート地点です。
でも否定的アイデンティティに囚われちゃってる老人が自ら自覚しないといけないから難しい。他人から「現実をみろ」と言われてすぐに「なるほどね」って納得できる人って少ない気がします。。。(私も含めて)

ただ、上野さんの解説を読み、自分の両親を含め、高齢者の自己否定感が生まれる理由がよく分かりました。自分が若いときには絶対に気づけなかったし共感もできなかったでしょうね。

今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。

参考

Erikson, Erik Homburger 1902.6.15~94.5.12 アメリカの精神分析学者.

ドイツに生まれ,ユダヤ系家庭に育つ.ウィーンの精神分析研究所で分析家の資格取得.アメリカに渡り [1933] ,帰化 [39] ,児童心理分析家として名を高めた.カリフォルニア大学教授 [42-51] ,ハーヴァード大学教授 [60-70] .シカゴのロヨラ大学エリクソン幼児教育研究所顧問.《幼児期と社会▼:Childhood and society, 1950》を著し,フロイトの心理性的発達論とは異なり,自我は他者および変動する社会との相互作用のなかで発達するという〈心理社会(歴史)的発達論〉を確立し,精神分析学だけでなく社会科学諸分野に多大な影響を及ぼした.人生のライフサイクルを8段階に分け,各段階の課題を明示した.特に青年期の課題として提起された〈アイデンティティ〉の概念(《アイデンティティ▼:Identity: Youth and crisis, 1968》)は,心理学における発達論・青年論の分野のみならず社会科学において不可欠の概念となっている.

〖著作〗 青年ルター:Young man Luther, 1958.Life history and the historical movement, 1975.

“エリクソン(Erikson, Erik Homburger)”, 岩波 世界人名大辞典, JapanKnowledge, (参照 2022-05-16)

自我同一性 ego-identity
アメリカの精神分析学者エリクソンの用語。心理社会的発達によって青年期に獲得されるもので、アイデンティティともいう。人間は、母親、父親、兄弟、友人、教師などとの対人関係のなかで社会化されながら自我を発達させていく。自分にとって意味のある重要な他者との関係で「息子としての自分」「男性としての自分」「学生としての自分」などさまざまな社会的自己・役割を形成していくのである。こうした社会的自己・役割を見直し、取捨選択して統合した人格的同一性を形成することが青年期の発達課題である。どんな人種的集団、あるいは社会的階層の一員であるか、どんな職業生活を選択し、どんな人間になろうとしているかについて、自分を反省し、これが矛盾なく全体として統一のとれた体制をつくっていれば、自分がだれであるかを明らかにすることができ、自我同一性ができあがるといわれる。青年期は自我同一性の確立をめぐってさまざまな試行錯誤が行われるが、これは社会的役割実験といわれる。こうした役割実験はかならずしも成功するとは限らず、失敗に終わると同一性の拡散とよばれる混乱状態がおこる。この意味で青年期は同一性の危機の時代であるといわれるが、しかし自我同一性は青年期に限ったものではなく、誕生から死に至るまでにわたる人間の課題であり、容易に解決できるものでもない。

“自我同一性”, 日本大百科全書(ニッポニカ)”, 岩波 世界人名大辞典, JapanKnowledge, (参照 2022-05-16)

参加予定者(8名)

  1. もんざ (主催者) NHK 100分 de 名著 ボーヴォワール『老い』 2021年 7月 [雑誌] (NHKテキスト)
  2. Yoko3さん
  3. maru(まる)さん
  4. よしざきさん
  5. じょあんなさん
  6. りんさん
  7. Keikoさん(仮)
  8. ちかさん(仮)

共有予定の本

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老いは不意にあなたを捉える。見たくない、聞きたくない、考えたくない――。そんな「老い」の実態をあらゆる観点から論じ、従来のステレオタイプを次々と打ち砕いたボーヴォワールの主著。なぜ老いを自覚することは難しいのか。老人が社会から疎外される根本理由とは。キレイゴト抜きに「老い」の実態を暴き、「文明のスキャンダル」と捉え直した著作の真価を、現代日本の状況にも引きつけながらやさしく解説する。

<内容:アマゾン商品説明より>  NHK 100分 de 名著 ボーヴォワール『老い』 2021年 7月 [雑誌] (NHKテキスト)
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