第128回のZOOM読書会まで、あと10日。反論をつぶしておく、という手法を身につけたいもんざです。土曜日のABD読書会のために、カーネマンの「ノイズ」を読んでいます。ノイズとは、何かを決定する場合の精度(決定の差異レベルがどの程度あるか)です。一方、バイアスとは、ターゲットからどれだけ離れているか、です。
組織がより良い決定をするためには、このふたつを上手にコントロールする必要があります。ただ、ノイズを減らす取り組みには根強い反対勢力がいるらしいんです。この本では、反対する立場の意見も分析して、丁寧に論理的につぶしていくんですよね。理解が難しい部分もたくさんあるんですが、とても勉強になります。
日本人的なリーダー像
さて、今月、私がご紹介する予定の「タテ社会の人間関係」ですが、読んでいて、なるほどなぁと思うところもあれば、素直に頷けない指摘も、この本にはあります。例えば、日本人的なリーダー像の話も、そのひとつ。
事実、日本人のリーダーの像は、ナポレオン的なものではなく、あくまで大石内蔵助的なものである。集団の機動力は、ともすれば親分自身の能力によるものよりも、むしろすぐれた能力をもつ子分を人格的にひきつけ、いかにうまく集団を統合し、その全能力を発揮させるかというところにある
第6章 リーダーと集団の関係 「タテ社会の人間関係 単一社会の理論」(講談社現代新書) 中根千枝 (著)
次の第7章「人と人との関係」とも関連してくるところですが、日本人はエモーショナルな「タテ」の繫がりを基本にするため、こうなっちゃうのだとか。私の好きな、池波正太郎の「鬼平犯科帳」なんかだと、主役の鬼平はめちゃくちゃ切れ物だからこそ、部下を統率できてる設定になっています。だから、好まれるリーダーは「和を以て貴しとなす」タイプだけってわけでもないだろうな、とモヤッとしました。ただ、これはフィクションなんで、根拠として挙げるには弱いと思いますが。。。
エモーショナルな親分の魅力で集団を強化するのは、日本だけじゃなくて、米国の前大統領とかも当てはまる気もします。日本社会の「単一性」が、他国とは異なる独自の特徴をもたらしている、という前提条件を著者は掲げているため、そこに結論を近づけるためのバイアスもかかっているのかも。。。
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
参加者(3名)
- もんざ (主催者) 「タテ社会の人間関係 単一社会の理論」(講談社現代新書) 中根千枝 (著)
- Yoko3さん(紹介本を検討中)
- にしやまさん「おいしいニッポン 投資のプロが読む2040年のビジネス」 (日本経済新聞出版) 藤野英人 (著)
共有予定の本
日本社会の人間関係は、個人主義・契約精神の根づいた欧米とは、大きな相違をみせている。「場」を強調し「ウチ」「ソト」を強く意識する日本的社会構造にはどのような条件が考えられるか。「単一社会の理論」によりその本質をとらえロングセラーを続ける。(講談社現代新書)
<内容:アマゾン商品説明より> 「タテ社会の人間関係 単一社会の理論」(講談社現代新書) 中根千枝 (著)
問題山積だからこそ、日本にはチャンスがいっぱい!さらば悲観論。20年後に明るい未来を迎えるための必読書。ロングセラー『投資家が「お金」より大切にしていること』の著者であり、「ひふみ投信」で有名なカリスマ投資家が説く、2040年のメガトレンドと成長ビジネス。
<内容:アマゾン商品説明より> 「おいしいニッポン 投資のプロが読む2040年のビジネス」 (日本経済新聞出版) 藤野英人 (著)