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失敗の事例研究 レイテ海戦

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読書会(勉強会)
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今月の読書会で、私は「失敗の本質」を参加者と共有したいので読み進めています。今回は、レイテ海戦について共有します。

1章 失敗の事例研究—6つの事例
 1 ノモンハン事件—作戦目的があいまい
 2 ミッドウェー作戦—不測の事態に瞬時に有効かつ適切な判断ができず
 3 ガダルカナル作戦—情報の貧困
 4 インパール作戦—しなくてもよかった作戦 
 5 レイテ海戦—自己認識の失敗 ←ここ
 6 沖縄戦—認識のズレと意思の不統一
2章 失敗の本質—6つの失敗に共通する組織的な欠陥(日本軍と米軍を比較) 
3章 失敗の教訓—現代の組織に活かす

4日で死者1万

レイテ海戦は1944年10月23~26日の3日間で、人員約1万人が死亡しています。4日で1万人が死ぬって、つまり1日で2,500人が死ぬってことです。

例えるならば、両国国技館の収容人数が約1万1千人なので、満席の国技館の観客が4日で全員死亡するイメージになるでしょう。

レイテ海戦

以下はレイテ海戦についての百科事典の記述です。

1944年〈 昭和19  甲申〉
10・24レイテ 沖海戦( 連合艦隊、 主力を 失う)。

“レイテ沖海戦”, 誰でも読める 日本史年表, JapanKnowledge, , (参照 2021-03-19)

太平洋戦争末期、1944年(昭和19)10月23~26日、フィリピン周辺において行われた日米海戦。同年10月18日、多数の米輸送船団がフィリピン、ルソン島のレイテ湾に進入、米軍の本格的上陸が予想されたため、大本営は決戦計画「捷 (しょう) 1号作戦」(フィリピン方面決戦)の発動を決定した。これに基づき、小沢治三郎中将の指揮する機動部隊(空母四隻を基幹)は米機動部隊の牽制 (けんせい) を目的としてルソン島東方海域に進出し米軍と交戦、さらに栗田 (くりた) 部隊〔指揮官栗田健男 (たけお) 中将、戦艦五隻を基幹〕、西村部隊〔指揮官西村祥治 (しょうじ) 中将、戦艦二隻を基幹〕、志摩部隊〔指揮官志摩清英 (きよひで) 中将、重巡二隻を基幹〕が三方面からレイテへの突入を図ったが、米軍の反撃に直面して作戦は失敗に終わった。この一連の戦闘で、米軍の損害は小型空母三隻、その他三隻沈没にとどまったのに対し、日本側は武蔵 (むさし) を含む戦艦三隻、空母四隻、その他の艦艇多数が沈没し、人員約1万を失い、連合艦隊は事実上、壊滅した。

“レイテ沖海戦”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, (参照 2021-03-19)

1944年10月23~26日,フィリピン周辺海域で行われた日米両艦隊による海戦で,参加兵力(日本側水上艦艇77隻,飛行機約700機,アメリカ側152隻,約1300機),戦闘距離,死傷者数などにおいて史上最大の海戦である。日本側では捷(しよう)一号作戦またはフィリピン(比島)沖海戦と呼ばれる。1944年10月20日,連合軍は中部フィリピンのレイテ島に来攻した。連合艦隊は捷一号作戦計画に基づき,水上艦隊をレイテ湾に突入させ,連合軍の上陸企図の破砕を図った。レイテ湾突入には第1遊撃部隊(指揮官栗田健男中将)と第2遊撃部隊(指揮官志摩清英中将)があたり,25日黎明(れいめい)突入と決め,これに対し基地航空部隊でフィリピン東方のアメリカ機動部隊を攻撃する一方,機動部隊本隊(指揮官小沢治三郎中将)をもってこれを北方に誘い出し,その間に栗田艦隊などをレイテ湾に突入させる構想であった。10月24日,25日,基地航空部隊はアメリカ機動部隊を攻撃したが功を奏せず,このため水上部隊は航空援護のないまま航進し,途中潜水艦,航空機などの攻撃により被害をうけ突入できず,栗田艦隊だけがレイテ湾口に到達し,アメリカ護衛空母群と砲火を交えたが,交戦半ばで企図を放棄して基地に帰投し,作戦は失敗に終わった。この海戦で日本側は戦闘艦艇29隻と航空機多数および人員約1万人を失った。アメリカ側の損失は7隻にすぎなかった。この海戦以後,戦闘艦艇としての日本の連合艦隊は存在しなくなった。

“レイテ湾海戦”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, (参照 2021-03-19)

高度の平凡性が不足

なぜレイテ海戦で日本軍が負けたのか、という分析の結果として「高度の平凡性が不足していた」と結論づけられています。

結論的にいえば、日本軍のおかした失策が米軍のそれより大きかったということである。日本軍人の勇敢さや個々の士官の優秀さは米軍側も認めるところであったが、こうした人々は巨大で複雑な、組織化された現代戦で成功を勝ちとるのに必要不可欠な「高度の平凡性」が不足していたのである

「失敗の本質」戸部 良一 ほか (著) ダイアモンド社 1章 失敗の事例研究 5.レイテ海戦

うまいこと書くなあと思いました。でも「高度の平凡性」って表現は、ちょっと抽象的で理解に苦しみますよね。これは、守られて当然の基本的なことを指してるみたい。

日本軍は、命令や戦則に反する行動を次々に行ったり、ウソの成功報告をしていました。また、リーダーが作戦目的と自分の任務を理解していませんでした。

無理矢理たとえるなら、部長が会社のお金を横領して粉飾決算してた、みたいな感じでしょうか。でも横領事件で人は1万人も死なないけど。

実際にレイテ海戦に従軍した大岡昇平の作品も読んでみたくなりますね。

レイテ戦記(中公文庫) 大岡 昇平 (著)

俘虜記(新潮文庫) 大岡 昇平 (著)

今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。

参加者(4名)

  1. もんざ (主催者)「失敗の本質」戸部 良一 ほか (著) ダイアモンド社
  2. maruさん「一杯の紅茶の世界史」磯淵猛 (著) 文春新書
  3. にしやまさん「コロナ後を生き抜く 通説に惑わされない投資と思考法」馬渕治好(著)金融財政事情研究会(刊)
  4. 小林さん「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」グレッグ・マキューン(著)かんき出版

共有予定の本

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