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感情の言語化は身体を落ち着ける

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NVC(非暴力コミュニケーション)の中高生むけワークショップに、大人枠で参加させていただきました。忘れないうちに備忘記録を残しておきます。(2021/11/28 テンダーさんの秋の特別編「その辺のもので生きるための心の作法 〜『正しさ』を越えて」 – 連続講座[その辺のもので生きる]主催:(公財)国際文化フォーラム

NVCってなに

コミュニケーション力の向上を目的として、5月にこの本(NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版 (日本経済新聞出版) マーシャル・B・ローゼンバーグ (著), 安納献 (著), 小川敏子 (翻訳) を読みました。より良い対話を行うための考え方と技術が学べる本で、かなり役に立っています。

暴力や対立、偏った物の見方を排し、対話を導く。
実りある対話を妨げ、暴力や対立を生み出している原因は、普段、わたしたちが慣れ親しんでいる話し方や考え方のなかにありました。わたしたちが知らないうちにしている「比較」や「評価」「決めつけ」が、誤解や無用な争い、暴力や怒りを生み出していたのです。

本書は、そうした暴力や対立を排し、人を思いやる実りある対話へと導くためのコミュニケーション手法(NVC=非暴力コミュニケーション)を伝授します。具体的には、相手を評価したり決めつけたりするのではなく、「自分が抱いている感情」や「自分が必要としていること」に耳を傾け、それを肯定的な言葉で相手に伝えることで人生をより豊かなものにする方法です。
NVCの要諦はとてもシンプル。それは次の4つの要素に意識を集中させることです。

1.評価をまじえず、行動を「観察」する
2.観察したことに対して抱いている「感情」を突きとめる
3.そうした感情を生み出している要因、「何を必要としているのか」を明らかにする
4.それを具体的な行動として「要求」する

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版 (日本経済新聞出版) マーシャル・B・ローゼンバーグ (著), 安納献 (著), 小川敏子 (翻訳) Amazon商品説明より

参加した理由

NVCセンターの認定トレーナーである鈴木重子さんと同じく認定トレーナーで翻訳者の安納献さんが講師であり、受講料が2千円と手頃なこともあって、すぐに参加を決めました。中高生対象とあったので、内容もベーシックで難しくないだろうと考えたんです。

ワークショップ

ワークショップでは、講師と受講者による双方向のやりとりに加えて、受講者同士のディスカッションがあり、とても面白く充実していました。(4~5人のグループでテーマに基づいて意見交換をする)講師の献さんと重子さんによる解説と、受講者の意見や感想を掘り下げていく質問のしかたなども勉強になりました。

受講者が講座で発言すること等について、心理的安全性を保つために5つの約束を、しつこいくらい丁寧に説明されていたのも、講座内容と雰囲気の理解に役立ちました。

  • やりたくないことは絶対にやらない(やりたいことはバンバンやる)
  • 自分の経験・学びを大切にする(講師の話を鵜呑みにしすぎない)
  • 完ぺきにならなくて良い(講師が全部正しく実践できるわけではない)
  • 場の空気を読んで無理矢理発言しなくてOK
  • 個人的な話は講座内に留める

ただし、PCの前にずっと座っている時間が長くて身体が固まってしまい、腰が痛くなったのが、すこし辛かったですね。(開催時間は、日本時間の12時40分から17時まで)自由に休憩しても良いと事前にアナウンスがありましたが、興味のある内容だし、講師の話はちゃんと聴きたいし、グループワークにも参加したかったので、離席するタイミングがつかめませんでした。

学んだこと4点

印象に残ったのは4点。1つめは、献さんの一般意味論の説明で「地図は現場ではない」という話でした。先日、カルロ・ロヴェッリの「時間は存在しない」を読んだときに、自分が時計を時間だと勘違いしていたことに気づいて驚いたのですが、「地図は現場ではない」という話を聴いたときに、アッ、同じだって思ったんですよね。以下の点は、円滑な対話を行う場合の基礎知識なので、しっかり記憶しておきます。

  • 言葉はあくまでも何かを指し示すもの(実物ではない)
  • 同じ現実について複数の地図を持つことができる→目的に応じて役に立つ地図は変わる
  • 現実を表す地図もいくつもあっても良い
  • →人は自分の興味や関心によって地図を作っている
  • →正しい、正しくないではない

2つめは、脳科学的に自分たちの行動や考え方を分析してみる方法。脳が危険だと感じている状態で、理想的な対話をすることは困難だと理解して、身体を落ち着ける方法(感情の言語化)を学び実践する。私にとってブログを書くことは、感情を言語化する訓練のひとつであり、これを続けてきたことで、自分を客観視する努力もするし、精神的な安定が得られているため、それが脳科学的にも有効だと分かり、引き続き継続するモチベーションに繋がりました。

  • 安心したり、安全だと感じているときは、相手を人間だと思える。
  • 脳科学的には、危険だと感じると、仲間を守ることだけ、身を守ることが最優先になる
  • 脳や身体は資源を逃げ足や腕の力に配分する(戦わなきゃ、逃げなきゃとなる)
  • 感情のわさわさの奥にあるものを言葉にすることが、身体を落ち着ける役にたつ
  • 人を責めることなく自分にとって大事なことを表現するために必要な方法を学ぶ
  • 自分や他人を責めない方法(自分や他者を責める形の地図になっていないか?)
  • そのジャッジ自体が、他者を責めているかもしれないと考える
  • 暴力だと思ってしまっている自分を振り返って、なぜ自分がそう思うかを考える
  • 誰かに助けてもらうか、自分で振り返る

3つめは、懲罰的な正義で、本質的な問題が解決できるか?と考えてみること。(懲罰的な正義とは、悪さの度合いに応じて、相手に罰を与えて行動をかえてもらおうとすること。その人は悪いんだから、罰を与えて当然という発想につながる)具体的な事例がユーモラスで記憶に残りました。

自分が楽しみにとっておいた高級アイスを、弟が勝手に食べてしまった場合、弟が悪いのだから、2-3回ひっぱたいて罰を与えても構わない、そのように彼の行動を変えようとする方法を懲罰的な正義と呼ぶそうです。

実際のところ、それで弟が自分のアイスを勝手に食べなくなったとしても、それは殴られるという恐怖で弟をコントロールしようとするだけ。「このアイスは兄が楽しみにしていたから、とっておこう」と弟が配慮してくれるようになるわけじゃない。つまり懲罰的な正義は、弟と中長期にわたり良好な関係を構築することに役立つかは、微妙なのです。

最後は、NVCの技術的なテクニックとして、自分が心の底で本当は何を思っているのか、深く考えること。

例えば自分が周囲に理解されていない、と感じて悲しい場合は、その感情をゆっくり言葉にして、自分のなかで十分に悲しんでおく必要がある、という事例にはハッとさせられました。もしも、その感情を自分のなかで言語化できていないと、周囲や自分を責める形で噴出し、解決から遠ざかる可能性もあります。表情や雰囲気で、人は責められていることをすぐに察知しますから。

できるようになったこと

この講座の「ねらい」として掲げられていた4つのポイントがありました。それぞれについて、自分ができるようになったかどうか、5点満点でチェックしてみます。私の場合は、20点満点中で12点ですね。

ねらい4点

  1. NVCの世界観に触れる
  2. 暴力の輪郭をより明確に掴む
  3. 「その辺」*には他者がいることを理解する
  4. 世界を「誰(ヒト以外、非生物も含め)と」「どのように」わかち合うのかを考える

自分の理解度

  1. 5点(書籍で学んだNVCについてさらに深められたから)
  2. 3点(一般的に私達が考えているよりも、NVCでは、暴力としてみなす範囲が広い気がした。(例えば誰かを一方的にジャッジすることなども暴力)でも暴力の輪郭を明確につかめたかと言われると「?」なので)
  3. 3点(この講座は連続講座の一部ということなので「その辺」という表現がサラリと用いられていますが、「その辺」の意味をあまり理解できていないので)
  4. 1点(とりあえず現在の自分が対話したいと考えているヒトたちとは時間と体験を分かち合おうと考えていますが、非生物も含めてとなると「?」なので)

疑問

この連続講座のメイン講師であるテンダーさんの解説を読むと少し「その辺」が分かるような、分からないような。。。リアリティがないと対等性を理解できない?って、どういうことだろう?

『私が、私の人生において最も重要であるのと同じように、あなたも重要である。ゆえに自分がされたら嫌なことを相手にしない』のが対等性であるのですが、その「同じように重要かどうか」を判断するためには事前知識としての「リアリティ」が必要なのです。

これまでの「その辺のもので生きる講座」は、世界の搾取に加担しないために「リアリティ」を身につけるためのものでした。(アルミという金属を知ること、火を植物から起こし摩擦や熱を理解すること、複雑な設計を身につけて技術的不服従を身につけること、水というインフラから独立して地球の循環に加わること、そういった物事の連鎖に気づき洞察できるようになること、繊維から暮らしを構築できることを知ること。)今回の講座は、そのリアリティを持って、「対等性」を理解するためのものです。

テンダーさんの秋の特別編「その辺のもので生きるための心の作法 〜『正しさ』を越えて」 – 連続講座[その辺のもので生きる]主催:(公財)国際文化フォーラム  講座案内より

参考

《general semantics》事物の記号にすぎない言葉と事物そのものとを混同して同一視するところから誤った判断に陥りがちな人間心理の盲点を摘出し、それからの救済策を考える実践的意味論。米国のコージブスキー(A.H.S.Korzybski)が提唱した。

“いっぱん‐いみろん【一般意味論】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-11-30)

YouTube動画 サラ・ペイトン Sarah Peyton 特別オンライン講座《パワーと特権:社会や集団の中で何が起こるのか ~NVCと脳科学を通じて探究する 》 211010

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版 (日本経済新聞出版) マーシャル・B・ローゼンバーグ (著), 安納献 (著), 小川敏子 (翻訳)

「わかりあえない」を越える――目の前のつながりから、共に未来をつくるコミュニケーション・NVC
マーシャル・B・ローゼンバーグ (著), 今井麻希子 (翻訳), 鈴木重子 (翻訳), 安納献 (翻訳)

(追記)りゅうちぇるさんの話、ちょっとNVCっぽいなーと思って興味深く読みましたので参考までに共有します。(特に後半部分)

りゅうちぇる 男の子がバービーで遊んだっていいよね/自分らしさを隠し通した中学生時代。高校は入学式当日から個性爆発(上)( 日経xwoman 2021.10.29)

りゅうちぇる 駄言を言われたら、相手の背景を想像する/「傷つく言葉を言うのは、その人からのSOSだと思う」(下) (日経xwoman 2021.11.16)

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