ようやくウェルギリウスのアエネイスを読み始めましたよ。ダンテの神曲を読んでると、ウェルギリウスの本も、なんか読まなきゃいけないかな、という義務感みたいなものが生まれちゃって。
アエネイスは紀元前26~19世紀にウェルギリウスによって執筆されたけども完成せず、現存するのは12巻だけ。ウェルギリウスが焼却を願ったにも関わらず、アウグストゥス帝がそれを許さず刊行され、現存している古典中の古典ともいうべき作品です。そんなわけで正直なところ、自分には読める気がしませんでした。
でも、まぁ、とりあえずチャレンジだけはしてみるかと、思い切って本を購入したら、意外とコレが楽しく読めてホッとしてます。でも、2点だけ準備しておくと、アエネイスをより楽しめることに気づいたので、これから読みたいな、と考えている方のためにメモしておきますね。
家系図をつくる
私は、読みやすい散文訳になっているとの理由で小野塚翻訳を選びました。本文に入る前に、序章があり、そこで主人公アエネイスに繋がる家系が丁寧に解説されています。ここですね、私はペンとA4用紙を持って、家系図を作りながら読みました。
これが、1つめのキーポイントです。とにかく、登場人物の関係性を頭に入れておかないと、なんの話だかさっぱりわかりません。序章はしっかり読み、そして自分の手を動かして、ざっくりで良いので家系図を書いてみるのは、非常に有効です。
「アエネイス」ウェルギリウス (著), 小野塚友吉 (翻訳) グーテンベルク21
地図を手に入れる
そして人間関係の地図を手に入れたら、場所の地図も入手しましょう。これが2つめのキーポイントです。残念ながら、小野塚訳には図表が収録されていません。自分でGoogleマップに地点登録しようかな、とも思ったのですが、現在の地名や国名と違うものもあるし。
そこでシャディ・バーチ英訳の本をみたら、なんと、最初に地図が載ってました。ありがたや。
The Aeneid (English Edition) Vergil (著), Virgil (著), Shadi Bartsch (翻訳) 形式: Kindle版 ←日本でいうならば、光文社古典新訳みたいな感じかも。
読み進めよう
家系図と地図を手に入れたら、そのふたつを手元に置いて読み進むだけ。「誰だっけ、これ?」「どこだよ、そこは?」と思ったら、このふたつを頼りに読み進めることができるので、挫折しづらいはずです。(とはいえ、私もまだ読み始めたばかりですが。。。)
あなたも、楽しい古典読書ができますように!
参考
古事記―忘れ去られたアエネイス?~フランスからの提言~ フランソワ・マセ(フランス国立東洋言語文化大学教授)ウェブマガジンをちこち 出典:国際交流基金(JF)
Shadi Bartsch on the Classics and China (full) | Conversations with Tyler (アエネイスの新訳を翻訳したシャディ・バーチのインタビュー動画 約1時間 言語:英語)
古典と中国に関するシャディ・バーチ(Ep。120) 動画のトランスクリプト 言語:日本語
ではあなたがあのウェルギリウス、
神曲 地獄篇 (河出文庫)ダンテ・アリギエーリ (著), 平川祐弘 (翻訳)
あの言葉の大河の源流となられた方ですか?
(略)
あなたは私の師です、私の詩人です。
私がほまれとする美しい文体は、
余人ならぬあなたから学ばせていただきました。
ウェルギリウス【Publius Vergilius Maro】
“ウェルギリウス【Publius Vergilius Maro】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-11-06)
[前70~前19]古代ローマの詩人。ローマ文学の黄金時代を代表する。作「牧歌」「農耕詩」「アエネイス」など。英語名、バージル。ベルギリウス。
主題はアエネアスの武勲というより彼の人物像や行為に象徴的に表されるローマの歴史である。作者はローマの歴史を神話と結び付け、国民的叙事詩の創造を試みた。ギリシア文学とくにホメロスの叙事詩からモチーフや語句の借用がみられるが、詩全体の構想は独創的である。この詩はみごとな構成と磨かれた詩句ゆえに模範とされ、後世の文学に多大の影響を及ぼした。
“アエネイス”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-11-06)