カウントダウンコラムZoom読書会読書会(勉強会)

参考になるのは米ランドバンク?

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カウントダウンコラム
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今月は、土地の所有者不明についての本を読んで勉強中です。とにかく、解決策が知りたかったので、結論部分から読んでいたところ、先駆的な事例としてアメリカの非営利組織「ランドバンク」が紹介されていました。

「人口減少時代の土地問題」 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ (中公新書) 吉原祥子  (著)  

2007年のサブプライムローン問題による住宅市場の混乱後、全米各州の自治体に連邦政府からのランドバンク設立の補助金が割り当てられた。連邦政府がランドバンク設立書式・手続きガイドなどを整備し、不動産市場を安定化・活性化する枠組みを短期間で進められるようになった

(第4章 解決の糸口はあるのか――人口減少時代の土地のあり方 2.土地希望者を探せるか――管理・権利の放置対策) 「人口減少時代の土地問題」 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ (中公新書) 吉原祥子  (著)  

ふーん、そうなのか、と思って、ランドバンクについて調べてみました。2017年9月のエコノミストにデトロイトのランドバンクに関する記事があって、それによると成果を上げてはいるけれど、問題もあるとのこと。固定資産税を滞納して、差し押さえされた物件をサッサと転売するなど迅速に処理を進めすぎて、所有者から事情を考慮してない、ちょっとヒドイ、と言われたりしてるような感じ。

Fixing cities – In Detroit, the end of blight is in sight

アメリカの各地にランドバンクができていることは間違いがないようです。ウェブサイトをいくつか見つけました。

Land banks are designed to acquire and maintain problem properties and then transfer them back to responsible ownership and productive use in accordance with local land use goals and priorities, creating a more efficient and effective system to eliminate blight. ランドバンクは、問題のある資産を取得して維持し、地域の土地利用の目標と優先順位に従って責任ある所有権と生産的使用に戻すように設計されており、荒廃をなくすためのより効率的で効果的なシステムを作成します。

How does land banking work? Cattaraugus County Land Bank

How would you like to purchase the vacant lot next door to you to increase the size of your yard or create a nice parking space for your car? Sound good? As an incentive to improve Kansas City neighborhoods, the Land Bank offers special pricing for situations just like that. To qualify for a side lot, you must own AND reside in the abutting property. Interested in purchasing a vacant lot, but don’t qualify for a side lot? Then check out: 庭のサイズを大きくしたり、車用の素敵な駐車スペースを作ったりするために、隣の空き地をどのように購入しますか? カンザスシティの近隣地域を改善するためのインセンティブとして、ランドバンクはそのような状況に特別価格を提供しています。 サイドロットの資格を得るには、隣接する物件を所有し、居住している必要があります。 空き地の購入に興味がありますが、サイドロットの資格がありませんか?

The Land Bank of Kansas City, Missouri

日本ではNPOつるおかランド・バンクが2013年から活動しており、国交省のモデル事業にもなっているようです。しかし空き家サポート研究会のブログにも書いてありましたが、規制緩和と法的な力を持った組織が取り組まない限り、抜本的な状況の改善は難しいと思います。国交省も土地基本法の改正を進めているようですが、まだ時間がかかりそう。

「空き家対策のランドバンクとは」by 空き家サポート研究会

空き地を集約し再生 国交省、全国で「ランドバンク」

中国のような国家だとこういう問題は、国が強権を発動したら一挙に解決に向かうのでしょうが、民主主義国家だと、一朝一夕には片付きませんね。

この本のもくじ

第1章 「誰の土地かわからない」――なぜいま土地問題なのか
1 空き家問題の根源――森林・農村から都市へ
2 なぜ管理を、権利を放置するのか
3 法の死角――あいまいな管轄、面倒な手続き
4 下落する土地の価値――少子・高齢化、相続の増加
第2章 日本全土への拡大――全国888自治体への調査は何を語るか
1 死亡者課税による“回避”――災害とは無関係の現実
2 相続未登記、相続放棄の増加――土地に対する意識の変化
3 行政の解決断念――費用対効果が見込めない
第3章 なぜ「所有者不明化」が起きるのか
1 地籍調査、不動産登記制度の限界
2 強い所有権と「土地神話」の呪縛――人口増時代の“遺物”
3 先進諸外国から遅れた現実――仏、独、韓国、台湾との比較
第4章 解決の糸口はあるのか――人口減少時代の土地のあり方
1 相続時の拡大を防げるか――難しい法改正と義務化
2 土地希望者を探せるか――管理・権利の放置対策 ←今ここ
3 「過少利用」の見直しを――新しい土地継承のあり方

読書会の参加者と紹介予定の本

  1. もんざ (主催者) 「人口減少時代の土地問題」 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ (中公新書) 吉原祥子  (著)  
  2. にしやまさん「1シート・マーケティング」三浦崇典  (著)  ポプラ社
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