読書会(勉強会)カウントダウンコラム

読書会まで8日「社会契約論」第一篇第8章 理性を信じる

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読書会(勉強会)
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第112回ZOOMで読書会で共有予定の本を読み進めています。
今回は第一篇第8章「社会状態について」 から、気になった点と学習記録のメモです。

■社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫) ルソー (著), 中山 元 (翻訳)

人間の理性を信じる

この章では、個々で好き勝手に暮らしていた人間たちが、集団生活を行うようになって生じる変化と、それに伴うメリットとデメリットが説明されています。

それまで自分のことばかりを考えていた人間が、それとは異なる原則に基づいてふるまわなければならないことを理解するのであり、自分の好みに耳を傾ける前に、自分の理性に問わねばならないことを知るのである

第一篇第8章社会状態について 「社会契約論/ジュネーヴ草稿」 (光文社古典新訳文庫) ルソー (著), 中山 元 (翻訳) 

この文章から、ルソーが人間の理性を信じていることが伝わりますね。

どのように変化したのかを、まとめるとこんな感じかなぁ?自然状態のままでは、うまく行かなくなったので、新しい形態が必要になり、そのために社会契約があるんだって考え方でよいのかな。

自然状態 ⇒ 社会契約へ
  • 自然状態


    人は動物と同じ(国家も政府もない)

    メリット(A-なんでも手に入れられる自由 B-自然な所有)

    私有財産の増大 ⇒ 不平等/格差 ⇒ 戦争

  • 社会契約
    人間が社会契約によって法治国家に所属

    すべての権利を完全に譲渡する

  • 法治国家
    知性を持った人間へ

    メリット(C-法的な所有権 D-社会的な自由 E-道徳的な自由)

  • A 自由:各自の力に左右される自由
  • B 自然な所有:力による占有 OR 先着順の所有
  • C 所有権:法律に認められた権原*1に基づく
  • D 社会的な自由:一般意志*2(国家の意志)の制約あり
  • E 道徳的な自由:善なる人間になる可能性を手にする

ふたつの価値観

「個人主義」と「自由主義」のふたつの価値観から成り立ってるんですね。

人間が真の意味でみずからの主人となるのは、この道徳的な自由によってだけなのである。というのは欲望だけに動かされるのは奴隷の状態であり、みずから定めた法に服従するのが自由だからである

第一篇第8章社会状態について 「社会契約論/ジュネーヴ草稿」 (光文社古典新訳文庫) ルソー (著), 中山 元 (翻訳) 

これだけを読むと、ちょっと意味が分かんないですよね。本能的な欲望だけに従っているのは、自由だけど獣を同じ。だけど、理性を持った人間としての自由は獣の状態とは違うでしょ?といっているのではないでしょうか。

個人的に、動物は人間よりも劣っているとか思わないんですけど、例えとしては分かりやすいです。

脚注

*1:権原(けんげん):ある行為をすることを正当なものとする法律上の原因。例えば、地上権、賃借権等を有する者が他人の土地に工作物を設置している場合に、その地上権、賃借権等がこれに当たる。ただし、占有については、正当か否かを問わず、占有するに至った原因を全て権原という。

“権原”, 法律用語辞典(第4版), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-11-19)

*2:ここでの一般意思とは、「常に正しく、常に公共の利益を志向すること」を意味しています。(参考:「理解しやすい政治・経済」P.19)

参加者の紹介予定本

社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)
「ぼくたちはルソーの語る意味での主権者なのだろうか、それともルソーが嘲笑したように、選挙のあいだだけ自由になり、そのあとは唯々諾々として鎖につながれている奴隷のような国民なのだろうか」(訳者あとがき)。自由とは、平等とは、そして民主主義って...
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