2018年8月に「もう一度高校数学」という参考書を購入しました。理由は、数学に対する苦手意識を克服したかったことに加えて、「論理について訓練するには数学の勉強がとても役に立つ」と知ったからです。社会人になって、数十年過ぎてから数学を学び直すなんて、夢にも思っていませんでした。
高橋一雄「もう一度高校数学」(日本実業出版社)も実によくできた本である。(中略)「命題の逆・裏・対偶」「対偶証明法」「背理法」について、それぞれ項目を設け、丁寧に説明しているので、この教科書をマスターすれば、高校数学の知識だけでなく論理学の基本知識も身につく。したがって、外国人とのディベートにこの技法を応用することができるようになる
「読書の技法」佐藤優 東洋経済新報社
ここを読み、そっか!そんなに役に立つなら、ちょっとやってみるかな?と背中を押されたわけです。
買って2年も放置
ところが購入してはみたものの、パラパラとめくって、ところどころ、つまみ読みはして2年も放置したまま。ようやくやる気になったのはコロナのおかげです。というのもコロナ禍で、自宅勤務の時間が増え、「今やらないと、きっと今後もできないぞ!」と突然、気合いが入りました。
こうして、やりたいと思いつつ手が付けられなかった数学の勉強を始めたわけですが、苦しみながらもなんとか読み進めてきたテキストも第6章「微分法」から、テキストを読んで問題を解くふりをしても、チンプンカンプンな状態が続くようになり、インターネットで情報を探すようになりました。
今度は「三角関数の微分」についてのお話です。ここでも、やはり微分計算ができることが大切!また、これまでにお話した”合成関数の微分”や”積の微分公式”など、今までの知識が散らばっていますのでシッカリ復習しつつ、先に進むようにしてくださいね。「戻る勇気も大切だよ!ガンバ!」
高橋一雄「もう一度高校数学」(日本実業出版社)6章 微分法 復習56 三角関数の微分
戻る勇気をもつ
この「戻る勇気も大切だよ」という高橋先生の一言で目が覚めました。そうだ!YouTube動画とか、ウェブサイトもチェックしてみよう!そうしたら、少しは現状を打開する気力が得られるかも?って。その判断は大正解!
YouTube だけでなく、NHK高校講座やら、動画や音声で数学を解説してくれるものが意外と多く見つかり、テキストを読んでいるだけでは「???」だったものが、「ああ、なるほど!!」と腹落ちするというアハ体験をして、ちょっとずつ数学ぎらいを克服しつつあります。
やってみるもんだなぁ。もともと数学が大嫌いだったので、ちょっとでも分かった!できた!という感覚を得られただけで、かなりドーパミンが脳から放出されます。
結論
かんたんで基礎的な問題から少しずつ取り組み、あせらずに達成感を積み上げること。
そうすると、自分に対する信頼感も高まっているので、難しい問題にぶち当たった時も、すこしは踏ん張ることができます。
今回、生まれて初めてというくらい、まじめに数学に取り組んで気づいたけど、数学って魔法使いになる訓練みたいだなぁと。不思議なんですが、数学の公式を見てぶっ倒れそうになりながら、ルグゥインの「ゲド戦記」を思い出してました。主人公のゲドは、敵を倒す魔法を使えるようになるための訓練をするんですけど、そういうのって一朝一夕にはできないんですよね。コツコツ基礎を積み重ねなきゃいけない。
数学もスラスラ気持ちよく問題が解けるようになる前段階として、いくつもの公式を覚えて組み合わせたり応用させたりしなきゃいけないんで、なんか似てるな、と思ったのですよ。
これね、中学か、高校の時に気づいていたら、もっと数学を頑張って勉強できていただろうし、私の人生も変わっていたんだろうな(笑)物語の力って偉大です。ゲド戦記、再読したくなってきた。
参考サイト
微分とは何か?【中学生向け】(28分):高校の数学の先生が分かりやすく解説。(式変形チャンネル)
もう一度高校数学の目次
1章 数とはナニか?(復習1~2)
2章 式とはナニか? (復習3~5)
3章 方程式・不等式 (復習6~13)
4章 関数の章 (復習14~31)
5章 数列および極限 (復習32~46)
6章 微分法 (復習47~65) ←ここで心が折れそうになってます
7章 積分法 (復習66~82)
8章 ベクトル
9章 行列
10章 式と証明
11章 集合
12章 論理
13章 場合の数・確率(復習133~146)
正誤表は著者の高橋先生のウェブサイトからダウンロードできます。