CourseraでBuddhism and Modern Psychology（仏教と現代心理学講座）をまだ学習しています。最後のレポートが全然書けなくて、ズルズルと時間ばかりが過ぎています。原因は最終レポートが書けないということ。
でも書けないってことは、内容の理解が足りていないってことだ、という当たり前のことに気づくまでにけっこう時間がかかりました。「なんで書けないんだろう？」って悩んでたけど、突然ハッと、これは、ぜんぜん分かってないってことじゃないか！と閃いたんです。いや、閃いたってのも変な話なんですけどね。
書き手の考えが読み手に伝わるためには、まず書き手の頭の中が整理されていることが必要です。書き手がよく理解していれば、文章は読みやすくなり、分かりやすくなります。
「書くことについて」野口悠紀雄著 角川新書
知らないことが多すぎる
なので、今は時間がかかっても、講座内容を読み直して、理解ができなかった部分を確認しつつ、並行して参考文献も読み始めました。ところが、この参考文献もまた面白くて、楽しくなってます。ありがたや。
ちなみに、その面白い参考文献はこれ（How Pleasure Works: The New Science of Why We Like What We Like by Paul Bloom (Author)。邦訳も出てるのですが、あんまり売れなかったみたいでkindle化されていません。それはさておき、まだ1章も読み終わってないのに、何を面白がっているのかというと、事例で引用されていることが知らないことばっかりだったから。例えば、こんなの。
Raise High the Roof Beam, Carpenters & Seymour: An Introduction by
大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章 (新潮文庫)
John Locke’s (1632–1704) Essay Concerning Human Understanding (1689)
The Analytical Language of John Wilkins by Jorge Luis Borges（「ジョン・ウィルキンズの分析言語」）参考：ボルヘスが紹介した中国の不思議な百科事典と謎の「バルサム香で防腐処理したもの」（この方のブログがなかったら、さっぱり理解できないところでした。感謝！）元々はフーコーの孫引きになるらしい。。。「言葉と物〈新装版〉: 人文科学の考古学」ミシェル・フーコー (著), 渡辺一民 (翻訳), 佐々木 明 (翻訳) Michel Foucault
Social Identity and Intergroup Relations by Henri Tajfel (Editor)
いちいち、こういうのに引っかかってるから、また時間がかかって先に進めないというわけなのでした。いったい、いつになったらレポートが仕上がるんだろう。。。寄り道しすぎだな。
レポートの課題
レポートの課題テーマは、「現代科学が、人間の精神や人間の窮状について仏教が教示していることをサポートしているかどうか」です。具体的には、現代心理学と自然淘汰（ダーウィニズム）についての内容も入れ込まないとダメ。仏教の中心的な教えを明示して、それを現代科学は認めているのか、それともいないのか、自分自身はどう考えるのかも含めて800字で書くことになってます。
現代心理学の事例はポール・ブルームの本から拾うことにして、仏教は、できたら自分にとって一番身近な浄土真宗とか日本の事例を使えないかな、とは思うけど、うまく英語にできる自信がない。とにかく項目をピックアップして、なんとか組み立てを考えようっと。
でもさ、こういう寄り道って、実はけっこう大事な気もしてます。回り道をしているようで、本質的なところをつかみに行ってるんじゃないかな、と。
参考
How Pleasure Works: The New Science of Why We Like What We Like
by Paul Bloom (Author)
「喜びはどれほど深い?: 心の根源にあるもの」ポール・ブルーム (著), 小松 淳子 (翻訳)インターシフト （レビューで「好きなことが好きなわけ」というタイトルが内容にぴったりと書いてた方がいるけど、ほんとにそうだと思う）
Robert Wright & Paul Bloom [The Wright Show] (full conversation) YouTube動画。仏教と現代心理学講座を担当しているライト先生とブルームさんの対談。1時間あるけど、これを見たら本の内容はおおかた分かりそうな感じ。