読んだ本(NVC)の内容をしっかりと実践できるようになりたいので、簡単にポイントをまとめてみました。あやふやな言葉の使い方をしていると、うまくいっていたコミュニケーションにも、問題が生じ始めます。大切な家族や友人と、もっと円滑なコミュニケーションを行いたいと感じていたので、この本からは、とても学ぶことが多かったですね。
「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版」 (日本経済新聞出版) マーシャル・B・ローゼンバーグ (著), 安納献 (著), 小川敏子 (翻訳)
4つの要素を意識する
NVCとは非暴力コミュニケーション(Nonviolent Communication)のこと。NVCのプロセスと4つの要素は、観察、感情、ニーズ、要求です。
1.自分の人生の質を左右する具体的な行動の「観察」(observation)
2.観察したことについて抱えている「感情」(feelings)
3.そうした感情を生み出している、価値、願望、「必要としていること」(needs)
4.人生を豊かにするための具体的な行動の「要求」」(requests)
NVCを実践する場合、さまざまな場面で、どのような言葉を選択するのかを意識し、自らの言動を変化させる努力と練習が必要になります。では、4つの要素を具体的な事例と共に考えてみましょう。
観察
この3つの文章で、シンプルに観察だけを行っているのは1のみです。2も、3も話し手の評価が加わっていることに注意が必要です。
「いい人」は評価。【言いかえ例】「この25年間、わたしの父は給料の10分の1を慈善活動に寄付してきた」
「愚痴をこぼす」は評価。【言いかえ例】「わたしのおばは、今週3回電話してきた。3回ともおばは自分が望むように自分を扱ってくれない人々について話した」
感情
この3つの文章で、シンプルに感情を言葉で伝えているのは1のみです。2は話し手の感情ではなく、3は話し手が自分を評価していることに注意が必要です。
「ムカムカさせる」は話し手の感情ではないので× 【言いかえ例】「わたしは、ムカムカしている」
「価値がない」は感情ではなく、話し手が自分自身をどうとらえているのかを表現している。【言いかえ例】「自分に才能があるかどうか、疑っている」「惨めな気分だ」
ニーズ
この3つの文章で、自分の感情の根っこにある自分が必要としているニーズを明確に表現しているのは3のみです。
【言いかえ例】あなたがやるといってやらなかったとき、あなたのいうことを信用したかったのでがっかりした
【言いかえ例】「あながが声を荒げるとわたしは怖い。なぜなら、ここにいる誰かが痛い目にあうぞ、と身構えてしまうから。わたしは、私達全員が安全であることをしりたいから」
要求
この3つの文章で、自分のニーズを明確に表現しているのは2のみです。
【言いかえ例】わたしがいったことを、あなたがどう聞いたのかを話して欲しい
【言いかえ例】お酒はあなたが必要としているどんなことを満たしてくれるのか話して欲しい。ほかの方法でそれを満たすことができるのか、話し合いたい
感謝で人をコントロールしない
個人的に、これは特に意識的に訓練しなければならない、と感じたのが感謝の伝え方でした。相手を思い通りに操る目的をもっているなら、プラスの評価をしていても、それは平和的なコミュニケーション方法とは言えないのです。
相手への評価は肯定的なものでも否定的なものでも心の底からの訴えを遠ざけてしまうコミュニケーションである
「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版」 (日本経済新聞出版) マーシャル・B・ローゼンバーグ (著), 安納献 (著), 小川敏子 (翻訳)
では、どのように感謝を伝えるのが良いのでしょうか?以下の3つの要素を、しっかりと言葉で表現する訓練が必要になります。
- 相手のどんな行動が自分の幸福につながったのか
- それによって自分が必要としていたどんなことが満たされたのか
- その結果、生じた喜びの感情
(3つの要素を具体的に伝える)このようなかたちで感謝を贈られた場合、うぬぼれたり偽りの謙虚さを感じたりしないで受けとめ、感謝を贈ってくれた相手とともに祝福に参加することができる。
「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版」 (日本経済新聞出版) マーシャル・B・ローゼンバーグ (著), 安納献 (著), 小川敏子 (翻訳)
今回、日本語版を読みましたが、英語でのコミュニケーションも必要なので、英語版も読んでおいたほうがいいのかな、と考えいてるところです。