Trial&Error

地球温暖化防止への取り組み①/京都議定書、パリ協定、COPとは?

当記事には広告が含まれている場合があります
当記事には広告が含まれている場合があります
Trial&Error
この記事は約8分で読めます。

地球温暖化防止への取り組みについて、基礎を学んでいます。人類は滅亡から逃れられるのか、というセンセーショナルなキャッチコピーで、恐怖感を煽って意識改革を呼びかける動画も見ました。個人的に、ちょっとどうかな、と思う部分もありますが、確かにそういうアプローチの方法だと、耳目を集めやすいだろうな、という気はしました。

あまりにも範囲が広すぎて、抽象的でイメージしにくいテーマなんですよね。だから、より多くの人に関心をもって理解してもらうために、なんらかの工夫は必要でしょう。

実は私も、気候変動や地球温暖化について人に語れるほど理解はできていないし、個人として何ができるのかもよく分かっていません。今回は、基礎的な用語を確認するため、京都議定書、パリ協定、COPについて調べてみました。

京都議定書(COP3)

気候変動に関する国際的な取り組みは、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が採択された1992年に始まります。京都議定書は、その5年後にCOP3(第3回締約国会議)で採択された議定書で、日本は具体的な削減目標を掲げたわけですが、最大排出国のアメリカが離脱したり、主要排出国の中国やインドが含まれていないなどの問題があり、実行力に欠けるものでした。

地球温暖化防止のため、1997年(平成9)京都で開催された気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)において採択された議定書のこと。
本議定書の主要なポイントは、以下の4点にまとめられる。
(1)先進国は、全体として二酸化炭素等6種類の温室効果ガスの排出量を、1990年水準に比べて2008~2012年の間に5.2%削減するという法的拘束力をもつ目標を設定。
(2)おもな国別削減目標は、ヨーロッパ連合(EU)が8%、アメリカ7%、日本6%とする。
(3)先進国および市場経済移行国間の排出権取引や共同実施、および先進国と開発途上国が協力するクリーン開発メカニズム(CDM)など、市場メカニズムを活用した排出削減措置(柔軟性措置、京都メカニズムともよばれる)を規定。
(4)削減目標の達成には、前記の柔軟性措置を勘案したネット方式が採用される。
 その後、最大の排出国であったアメリカが議定書から離脱するなどの問題が発生したが、日本は2002年6月に議定書を批准し、2004年11月にロシアが批准したことから発効要件が満たされ、2005年2月16日京都議定書は発効した。
 しかし、地球温暖化防止のためには、本来、温暖化ガス排出抑制という重要課題について、世界全体で、長期的に取り組んでいく必要があるにもかかわらず、京都議定書では、(1)米国や中国、インド等の主要排出国が温暖化ガス排出抑制義務を負っていないため、世界全体としての取り組みになっていないこと、(2)排出抑制期間が2012年までという短期的な目標にとどまっていること、などの問題がある。そのため、2013年以降の世界全体での地球温暖化対策を進めるための国際的な枠組み(「ポスト京都議定書」問題)が、最重要課題として国際的な関心を集めている。この問題は、2008年の洞爺湖 (とうやこ) サミット、2009年のラクイラ・サミット(イタリア)などG8サミットの場でも議論され、2009年末のCOP15(デンマーク)での重要課題となっている。

“京都議定書”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-05-26)

COP(コップ)/締約国会議

本来は、条約を批准した国々が、その条約について話し合う締約国会議をCOP(コップ)と呼びますが、COP3以降(京都での第3回締約国会議)の日本では、気候変動枠組み条約締約国会議をCOPと呼ぶこともあるようです。

条約を批准した国(締約国)が、その条約について話し合う会議の総称。締約国会議を表す英語Conference of the Partiesの頭文字をとりCOP (コップ) という。その条約に関する最高意思決定機関であり、年に1度、あるいは3年に1度といった頻度で定期的に開かれることが多い。地球温暖化対策を話し合う「気候変動枠組み条約」(FCCC:Framework Convention on Climate Change)、多様な生物や生態系の保全と利用に関する「生物多様性条約」(CBD:Convention on Biological Diversity)、湿原保全のための「ラムサール条約」、絶滅危惧 (きぐ) 種保護のための「ワシントン条約」、有害化学物質に関する「ロッテルダム条約」、「砂漠化対処条約」、「腐敗防止条約」など数多くの条約について締約国会議が開かれており、それらすべてがCOPとよばれる。たとえば、気候変動枠組み条約締約国会議はCOP-FCCC、生物多様性条約締約国会議はCOP-CBDとなる。また、条約発効後、何回目の締約国会議なのかを示すため、COPの次に数字をつけて、第3回締約国会議はCOP3、第10回締約国会議はCOP10などと表記する。なお、条約ではなく、議定書を批准した国が集まる締約国会議はMOP (モップ) (Meeting of the Parties)とよび、COPと区別する。
 1997年(平成9)に気候変動枠組み条約の第3回締約国会議(COP3)が京都市で開かれた。日本ではこの前後からCOPということばが頻繁に使われるようになったため、気候変動枠組み条約締約国会議をさす名称としてCOPが使われることもある。

“COP”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-05-26)

COP21とは?パリ協定の参加国や目標

パリ協定(COP21)

パリ協定が画期的だったのは、途上国を含むすべての国に削減目標を求めて、世界全体で温暖化防止に取り組む姿勢を明確にしたことでした。

地球温暖化対策に関する国際的な新たな協定。2015年12月、フランスのパリで開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で合意したため、こうよばれる。1997年(平成9)に採択された京都議定書にかわる18年ぶりの多国間の枠組みで、2020年からの実施を目ざす。パリ協定は、気候変動枠組み条約に加盟する196すべての国・地域が参加する初の枠組みである。産業革命以降の世界の平均気温上昇を2.0℃未満に抑えるとの全体目標を定め、さらに1.5℃未満に抑える努力をすることを確認。21世紀後半には、人類の活動による温暖化ガスの排出量と吸収量を均衡させ、実質的に温暖化ガスの排出量をゼロにすることを目ざす。京都議定書では、先進国だけに温暖化ガスの削減目標を課したが、パリ協定では開発途上国を含むすべての国・地域に自主的な削減目標を国連に提出するよう求めた。目標達成の義務づけは見送ったものの、5年ごとに目標を見直し、世界全体で温暖化防止に向けた進捗 (しんちょく) 状況を点検する仕組みを取り入れた。先進国には開発途上国への資金援助を義務づけ、その他の国も自主的に資金支援することを推奨している。
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、パリ協定に盛り込まれた産業革命以降の平均気温上昇を2.0℃未満に抑えるには、温暖化ガスの累積排出量(炭素換算)を7900億トンに抑える必要があるが、すでに人類は2011年までに約5150億トンを排出している。このため石炭火力の抑制、省エネルギー対策、森林の保護などを地球規模で進める必要があるが、パリ協定には目標を達成できなかった場合の罰則や対策が明確に盛り込まれておらず、環境保護団体などからは温暖化防止の実効性に乏しいとの批判が出ている。

“パリ協定(地球温暖化対策)”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-05-26)

パリ協定 - 歴史的合意に至るまでの道のり(外務省)気候変動枠組交渉の経緯が分かる年表があります。

世界的に環境への関心が高まっていたタイミングで、再生可能エネルギーが普及し始め、対策の検討を後押しした形となった。そして極めつけは、バイデン政権に移行したアメリカが2021年2月にパリ協定へ復帰したこと。アメリカはトランプ政権時代に、自国の経済を優先する方針で、パリ協定から離脱していた。

「人類存続の最後のチャンス」脱炭素化の流れは、世界をどう変えるのか?【脱炭素とはなにか#6】

今までは、(温暖化対策に)課題があることは分かっていたけど、いつまでに提出(解決)すれば良いのか分からず本気になれなかった。それが、2050年という提出日が決まったからこそ(世の中が)「課題に取り組まなきゃ」という雰囲気になっていると感じています。ただ、2050年には今の政治家はほとんどいなくなっていると思うので、主張した人と見届ける人が一致していてほしい、という気持ちは少しあります。

「私たちの明日は、大人たちの遠い未来」Z世代・ユーグレナ“初代CFO”が感じた日本のいま【脱炭素とはなにか#4】

菅首相が所信表明演説「温室効果ガス、2050年までに排出ゼロ」(2020年10月26日)(7分59秒のところ)

※実質排出量ゼロ:CO2などの温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と、森林等の吸収源による除去量との間の均衡を達成すること

地方公共団体における2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明の状況

分かりやすそうな動画

【20分でわかる!じゃあ、どうしたらいいの?】地球温暖化のリアル圧縮版③

【異常気象と気候変動①】地球に住めなくなる日(Extreme Weather and Climate Change)(パリ協定は18分くらい)

350 TUBE
Youtubeで気候変動をもっと知ろう!気候変動を学ぶためのコンテンツが満載です。ニュースや政治、バラエティ風のコンテンツで気候変動を学んでみませんか?

動画でもう少し勉強して、さらに知識を深めようと思います。日本の気候変動に対する取り組み途上国支援の情報は、外務省のサイトに詳しく記載があります。

タイトルとURLをコピーしました