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ホラーやミステリーよりも恐怖を感じる/高齢者介護を題材にした小説

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父が軽い脳梗塞で1ヶ月弱入院したのが2021年3月。記憶障害を起こしている父と会話することが少しでもリハビリになれば、と考えて4月から、ほぼ毎晩LINEで電話をしています。

でも私は医学的な専門知識もなければ、介護や福祉の知識もありません。認知症を発症した人と会話をする場合の注意点などをウェブサイトで調べつつ、相手が間違っていたとしても、その言葉を強く否定せず、同じことを繰り返し言われても、辛抱強く聞く、などの点を意識しつつ、父が私と話すことで、少しでもポジティブな気持ちになってもらえたらと考えています。

数年前から、社会学に興味があって関連書籍を読んだりはしていたのですが、改めてインタビューの方法などを調べていたとき、偶然にこの論文を見つけて、高齢者世帯の介護問題について、学ぶヒントを得られました。

高齢者世帯の介護問題がどのようにして発生して、それに家族がどのように対処しているでしょうか。この設問について、小説を用いて例証することができます。些細なことが契機になって、家族では対応していくことが困難な要介護状況に陥っていく高齢者世帯の実態に関する貴重な事例記録として小説を取り上げることができます。

質的社会調査の基本技法 : 援助と説明に必要な情報の収集と分析について  高橋幸三郎

ここで紹介されていた2つの小説、佐江衆一『黄落こうらく』と、有吉佐和子『恍惚こうこつの人』を読み始めたのですが、あまりにも情景がリアルに想像できて、他人事とは思えません。

自分の両親に介護が必要になる、という事実もそうですが、いずれ自分も、記憶を失くし、人間らしく生きることが困難になっていくのだと考えると、たまらない気持ちになります。

いずれにせよ、まだ数十年の猶予が私には残されているのですが、父母と会話をしながら、自分の数十年後の未来を想像し、どのような方策があるのかを考えています。

参考

質的社会調査の基本技法 : 援助と説明に必要な情報の収集と分析について(武蔵野大学紀要人間科学研究所年報第3号)
黄落(新潮文庫) Kindle版 佐江衆一 (著)
恍惚の人(新潮文庫) Kindle版 有吉 佐和子 (著)
楢山節考 (新潮文庫) 深沢 七郎 (著)

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