今月の読書会で、私は「失敗の本質」を参加者と共有したいので読み進めています。もくじから全体の構成について共有します。
1章が重い
この本は、3章から成り立っているのですが、個人的に最も興味深いのが第3章ですね。1章は、軍事的な用語が難しく、漢字も読めないので辞書で調べつつ、読み進めています。
それにしても、読めば読むほど、こんな作戦で戦わされ、死んでしまった人たちが哀れでなりません。生まれる国と時代は選べないけれど、彼らの命から少しでも学ぶことが本当に彼らの死をムダにしないことだなと思います。
もし自分が属する組織やリーダーが、当時の司令官みたいな人たちだったら、何とかそこから逃げる方法を考えるしかないよなぁ。
1章 失敗の事例研究—6つの事例
1 ノモンハン事件—作戦目的があいまい
2 ミッドウェー作戦—不測の事態に瞬時に有効かつ適切な判断ができず
3 ガダルカナル作戦—情報の貧困
4 インパール作戦—しなくてもよかった作戦
5 レイテ海戦—自己認識の失敗
6 沖縄戦—認識のズレと意思の不統一
2章 失敗の本質—6つの失敗に共通する組織的な欠陥(日本軍と米軍を比較)
3章 失敗の教訓—現代の組織に活かす
ノモンハン事件
一番最初の失敗事例は、1939年に満州国とモンゴルの国境で発生した戦闘(ノモンハン事件)です。火炎瓶は分かるけど、円匙(えんし)って何だろう?と思って調べたらシャベルでした。
ええええ???戦車にシャベル??それ武器?
やってみなければわからない、やれば何とかなる、という楽天主義に支えられていた日本軍に対して、ソ連軍は合理主義と物量で圧倒し、ソ連軍戦車に対して火炎瓶と円匙で挑んだ日本軍戦闘組織の欠陥を余すところなく暴露したのである。
「失敗の本質」戸部 良一 ほか (著) ダイアモンド社 1章 失敗の事例研究 1 ノモンハン事件
小型のシャベル。「えんぴ」と誤読されることが多い。
“えん‐し[ヱン‥]【円匙】”, 日本国語大辞典, JapanKnowledge, (参照 2021-03-14)
ガラス瓶にガソリンなどを詰め、投げつけて火炎を発生させるもの。もとは、手製の対戦車用兵器。
“かえん‐びん【火炎瓶】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, (参照 2021-03-14)
昭和14年(1939)5~9月にノモンハンで起こった軍事衝突事件。満州国とモンゴル人民共和国の国境で勃発した両国警備隊の交戦をきっかけに、満州国を支配していた日本と、モンゴルと相互援助協定を結んでいたソ連がそれぞれ軍を投入。大規模な戦闘に発展した。日本の関東軍は大本営の方針に反し独断でソ連領内へ戦線を拡大したが、ソ連の充実した機甲部隊によって壊滅的な打撃を受けた。さらに、日本と同盟関係にあったドイツがソ連との間で独ソ不可侵条約を締結し、ソ連の兵力増強が可能となったため、大本営は作戦中止を決め、9月16日にモスクワで停戦協定が結ばれた。ロシアではハルハ河事件、モンゴルではハルハ河戦争と呼ばれる。
“ノモンハン‐じけん【ノモンハン事件】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, (参照 2021-03-14)
読んでいると、失敗から学ぶことって簡単そうで相当むずかしいことに気づかされますね。ただ、この本の知識があれば、失敗を見分ける嗅覚は育つかも。
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
参加者(4名)
- もんざ (主催者)「失敗の本質」戸部 良一 ほか (著) ダイアモンド社
- maruさん「一杯の紅茶の世界史」磯淵猛 (著) 文春新書
- にしやまさん「コロナ後を生き抜く 通説に惑わされない投資と思考法」馬渕治好(著)金融財政事情研究会(刊)
- 小林さん「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」グレッグ・マキューン(著)かんき出版