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仏教と現代心理学:第1週-3講 苦諦、集諦(The First Two Noble Truths)

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現在、CourseraでBuddhism and Modern Psychology(仏教と現代心理学講座)を学習しています。今回は、第1週-3講、苦諦、集諦(The First Two Noble Truths)で学んだ内容を整理するために、備忘記録を残しておきます。(この講座は無料講座でインターネット環境が整っていて、PCやスマホ、タブレットがあれば誰でも受講できます。修了証の発行はありません)

四諦(したい)The Four Noble Truths

第1週の第3講と第4講で、仏教思想の基礎である四諦(したい)について学び、その思想を進化論的心理学(Evolutionary Psychology)から考察します。まずは4つの真理のうち、最初のふたつである、苦諦(くたい)と集諦(じったい)です。第2週で、次の二つ、滅諦(めったい)と道諦(どうたい)を学びます。

四諦は、英語では「4つの尊い真実」(The Four Noble Truths)と翻訳されています。仏典の原語であるサンスクリット語やパーリ語からの翻訳で、このような意味になっているようです。日本語で「四諦」と言われてもピンときませんが「4つの尊い真実」だと、私には理解しやすいので助かります。(いちおう、私は仏教徒のつもりなんですけどね…)

仏教では、Four Noble Truths(四諦)を最後までたどると、涅槃に到達できるらしいです。そこが人間の人生のゴール地点ってことかな。

Nirvana(涅槃)= liberation from suffering(苦しみからの解放)

四諦(したい)=四つの真理(The Four Noble Truths) 
  • ①苦諦


    第一の真理(The First Noble Truth)

    人生の現実は自己を含めて自己の思うとおりにはならず苦であるという真実

    (仏陀の診断)Buddha’s diagnosis of the human predicament.

  • ②集諦
    第二の真理(The Second Noble Truth

    苦はすべて自己の煩悩 や妄執など広義の欲望から生ずるという真実

    (仏陀の診断)Buddha’s diagnosis of the human predicament.

  • ③滅諦
    第三の真理(The Third Noble Truth

    欲望を断じ滅して、解脱 し、涅槃 (ニルバーナ)の安らぎに達して悟りが開かれるという真実

    (仏陀の処方箋①)Buddhist prescription

  • ④道諦
    第四の真理(The Forth Noble Truth)

    悟りに導く実践を示す真実。八正道(正見、正思、正語、正業、正命、正精進 、正念、正定)による。

    (仏陀の処方箋②)Buddhist prescription

  • ゴール
    涅槃 (Nirvana ニルバーナ)

    苦しみからの解放(liberation from suffering)

まったくもって満足できやしない

まず先生は、仏教の教えについて有名な歌があることを、冗談めかして教えてくれます。1965年に発表され大ヒットしたローリングストーンズの「サティスファクション」、この曲が人間の煩悩を良く表現しているのだとか。日本語に翻訳するとI Can’t Get No Satisfactionは「まったくもって満足できやしない」という意味になるようです。(参考:ストーンズの”サティスファクション”は何が「満足できない」のか

常に満たされることがない、いつも不満を感じている、そんな心が私たちの苦しみの根っこにある部分だからです。仏陀は、その苦しみをどのように解消したら良いのかを修行によって発見し、それを弟子に伝えた、とされています。

①苦諦(くたい)=悪いニュース

ストーンズのミック・ジャガーが歌っているように、私たちの人生は、自分の思うようにはなりません。だから苦しいと感じます。

人間の生活は、苦しみと不満に満ちている。まずは、その事実を認識することがスタート地点だと仏教では教えているんですね。(これが第一の真理、苦諦です)

なぜなら、現状を認識しなければ、解決策を見つけることもできないからです。

自分にとって不都合なことは見なかったこと、なかったことにして、逃避してしまう人もいます。しかし、それが真実であるなら、見てみぬふりをしたところで、問題は解決されません。まずは、認めなければ、そこから先へは進めないのです。

第一の真理=良いニュース

もちろん、私たちは常に苦しんでいるわけではありません。Wright先生は、ドーナツ好きらしく、事例にパウダーシュガードーナツを使って分かりやすく説明してくれました。

ドーナツを食べたいな、と思ってコンビニで6個入りのドーナツを買った瞬間、先生は非常に幸福を感じるそうです。一口食べたとき、もちろん、まだ幸せです。でも、その幸福感は、あっという間に消えていきます。

それはなぜでしょうか。もう次のドーナツが食べたくなっているからです。つまり、満足できないわけです。もし満たされているなら、もっと食べたいとは思わないはずですよね。(If you get satisfaction, you don’t want any more.)

第二の真理(集諦)では、人間の苦しみ(duhkka)は、このような欲望から生まれるものだ、という真実を教えてくれています。

快楽のトレッドミル

次に、心理学的な面からも、人間の苦しみを分析してみましょう。試験で良い成績を取ったり、会社で評価を高い評価を得たら、私たちは幸福を感じます。しかし、もちろん、それも長続きはしません。

Psychologists refer to this as the Hedonic Treadmill. Hedonic, meaning pleasure seeking, and treadmill, meaning you’re not getting anywhere. You keep trying, and keep striving after happiness, you don’t get any closer to it. 心理学者はこれを快楽トレッドミルと呼んでいます。快楽を求める快楽主義と、どこにも行かないことを意味するトレッドミル。あなたは努力を続け、幸せを求めて努力し続けますが、それに近づくことはありません。

Buddhism and Modern Psychology by Princeton University Instructor: Robert Wright

そして第二の真理は、何かを手に入れたいという渇望だけでなく、恐怖や不安から逃れることについても言及されています。なぜ、私たちはそこから逃れたいと思うのでしょうか。そこに私たちの執着しているものがあるからです。

You’re attached to your social status. That’s the problem. It’s attachment. あなたは自分の社会的地位に執着しています。それが問題です。愛着です。Or, if you fear a charging lion, that’s because you are attached to your own existence.または、突進するライオンを恐れるなら、それはあなたがあなた自身の存在に執着しているからです。 You cling to, you crave, your own existence.あなたはしがみつき、あなたはあなた自身の存在を切望します。

Buddhism and Modern Psychology by Princeton University Instructor: Robert Wright

日本語訳はGoogle翻訳を使用しています

より良く生きるため

仏教を学べば、より良く生きるためのヒントが得られる、とWright先生は言います。私自身は、子どもの頃、仏教系の幼稚園に通って、祖母と一緒に仏壇の前で、意味が分からないながらも、仏説阿弥陀経を唱えたりしていたので、なんとなく仏教徒だと思っています。

大人になって聖書を読んだりしてキリスト教について少し勉強してみて思うのは、仏教が日本人にとって身近でなくなってしまったのは、この経典の差もあるよな、ってことでした。

日本の仏教って、分からないこと、理解できないものが高尚でありがたい、みたいな奇妙な感覚があるんじゃないかなってこと。英語で勉強したほうが、母語よりも理解しやすいっていう状況は、問題なんじゃないかなぁ。

とはいえ、私も最終ゴールは無になって涅槃に到達することを目指しているので、ホントに興味深い講座を発見できてめちゃくちゃ嬉しいです。私のとっては、抽象度も高いし英語も難しくて、とても大変なのですが、間違いなく面白い。引き続き頑張る。

参考

四諦:仏教の中心となる術語。四聖諦 (ししょうたい) ともよばれる。諦 (たい) (サティヤsatya、サッチャsacca)とは真理、真実をいう。人生におけるもっとも根本的な真理、真実を4種に分けて四諦の名称がある。すなわち(1)苦諦 (くたい) は、人生の現実は自己を含めて自己の思うとおりにはならず、苦であるという真実、(2)集諦 (じったい) は、その苦はすべて自己の煩悩 (ぼんのう) や妄執など広義の欲望から生ずるという真実、(3)滅諦 (めったい) は、それらの欲望を断じ滅して、それから解脱 (げだつ) し、涅槃 (ねはん) (ニルバーナ)の安らぎに達して悟りが開かれるという真実、(4)道諦 (どうたい) は、この悟りに導く実践を示す真実で、つねに八正道 (はっしょうどう) (正見 (しょうけん) 、正思 (しょうし) 、正語 (しょうご) 、正業 (しょうごう) 、正命 (しょうみょう) 、正精進 (しょうしょうじん) 、正念 (しょうねん) 、正定 (しょうじょう) )による。この苦集滅道 (くじゅうめつどう) の四諦は原始仏教経典にかなり古くから説かれ、とくに初期から中期にかけてのインド仏教において、もっとも重要視されており、その代表的教説とされた。なお四諦を釈迦 (しゃか) の最初の説法とするのは、この反映によるとみられる。

“四諦”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, (参照 2021-02-21)
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