第115回読書会では、こちらの本を共有する予定です。今回は、著者とこの本についての情報を共有します。
柄谷 行人(からたに こうじん)さんは1941年生まれの文芸評論家です。
日本大百科全書によると「文学現象を離れた原理的な批評」で1970年代の評論をリードした点が日本文学史上で評価されたことになっているようです。
「世界史の構造」は2010年に出版され、2014年に英訳版が出て、2015年に文庫化されています。
出版されてすぐに絶版になる本も多い日本ですが、10年経っても価格が下がらず、電子書籍も存在しているというのは、かなり読む価値があるんだろうな、って思わせられます。
ちなみに、この本は、世界史を勉強する本ではありません。
歴史上の偉い人たちが分析して説明してきたことの矛盾を指摘しつつ、未来のあり方を考えるという、未来予測のための本のようです。
最後に、誤解を避けるために、一言いっておく。私がここで書こうとするのは、歴史学者が扱うような世界史ではない。私が目指すのは、複数の基礎的な交換様式の連関を超越論的に解明することである。それはまた、世界史に起こった三つの「移行」を構造論的に明らかにすることである。さらに、そのことによって、四つめの移行、すなわち世界共和国への移行に関する手がかりを見出すことである。
序説 交換様式論 「世界史の構造」 (岩波現代文庫) 柄谷 行人 (著)
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
参考
柄谷行人からたに-こうじん(1941−)昭和後期-平成時代の文芸評論家。
“からたに-こうじん【柄谷行人】”, 日本人名大辞典, JapanKnowledge, (参照 2021-01-30)
昭和16年8月6日生まれ。昭和44年「意識と自然―漱石試論」で群像新人文学賞,53年「マルクスその可能性の中心」で亀井勝一郎賞,平成8年「坂口安吾と中上健次」で伊藤整文学賞。12年「倫理21」を刊行。昭和50年法大教授。兵庫県出身。東大卒。本名は善男。著作はほかに「畏怖する人間」「隠喩としての建築」「探究」など。
参加者(2名)
- もんざ (主催者) 「世界史の構造」 (岩波現代文庫) 柄谷 行人 (著)
- にしやまさん 「定年前、しなくていい5つのこと」大江英樹(著)光文社