第114回ZOOMで読書会で、私はクンデラの「存在の耐えられない軽さ」を紹介する予定です。
今回は、ちょっと別の視点から、この作品についての情報を共有しますね。
未熟の惑星
2018年のNHKラジオで紹介されたというクンデラの「絶望名言」です。
私たちは一度しか生まれない。前の生活から得た経験をたずさえてもうひとつの生活をはじめることは決してできないだろう。私たちは若さのなんたるかを知ることなく少年時代を去り、結婚の意味を知らずに結婚し、老境に入るときですら、自分が何に向かって歩んでいるかを知らない。
『小説の精神』(叢書・ウニベルシタス)ミラン・クンデラ著 金井裕・浅野敏夫 共訳
「存在の耐えられない軽さ」は、もともとは「未熟の惑星」というタイトルだったそうです。その意味を説明したのが、このフレーズなのだとか。
これを「絶望名言」と選定した頭木弘樹さん(文学紹介者)は、「どんなに年をとっても、その年齢を初めて経験するのだ、と考えれば、若者だけが未熟なわけではない。この感覚を持つと、生きていく意識が変化するのでは」と仰っています。
私は、小学生のころに比べれば、ちょっとは成長したような気になっているのですが、未熟なことには変わりなく、死に向かっていること以外に、どこに向かって歩いているかも分かっていないので、クンデラの言葉を読んで、ああ、何だ、私だけじゃないんだ、とちょっと安心しました。
今日も読んでくださってありがとうございます。
もくじ
第一部 軽さと重さ
第二部 心と体
第三部 誤解された言葉
第四部 心と体
第五部 軽さと重さ
第六部 グランドマーチ
第七部 カレーニンの笑顔
読書会の参加予定(5名)
- もんざ (主催者) 「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ (著) (集英社文庫) ”The Unbearable Lightness of Being” Milan Kundera (著)
- じょあんなさん「国盗り物語」司馬遼太郎(著) 新潮文庫
- にしやまさん『私とは何か—「個人」から「分人」へ』平野啓一郎(著)講談社
- 兼松さん「流浪の月」凪良 ゆう (著) 東京創元社
- ちかさん「世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド」八木 仁平 (著) KADOKAWA
共有予定の本
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存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)
苦悩する恋人たち。不思議な三角関係。男は、ひとりの男に特別な感情を抱いた。鮮烈でエロチック…。プラハの悲劇的政治状況下での男と女のかぎりない愛と転落を、美しく描きだす哲学的恋愛小説。フィリップ・カウフマン監督、主人公トマシュにダニエル・デイ...
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The Unbearable Lightness of Being: 'A dark and brilliant achievement' (Ian McEwan) (English Edition)
The Unbearable Lightness of Being: 'A dark and brilliant achievement' (Ian McEwan) (English Edition)
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国盗り物語(一~四) 合本版(新潮文庫)
世は戦国の初頭。松波庄九郎は妙覚寺で「知恵第一の法蓮房」と呼ばれたが、発心して還俗した。京の油商奈良屋の莫大な身代を乗っ取り、精力的かつ緻密な踏査によって、美濃ノ国を〈国盗り〉の拠点と定めた! 戦国の革命児斎藤道三が、一介の牢人から美濃国守...
Amazon.co.jp: 私とは何か 「個人」から「分人」へ (講談社現代新書) 電子書籍: 平野啓一郎: Kindleストア
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流浪の月
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は...
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世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド
「何かやりたいけれど、何をやればいいか分からない」そんなエネルギーを持て余してしまっているあなたの人生が変わります。「やりたいこと探し専門プログラム」を開発した著者が教える初めての本。やりたいことは運命的に出会うものではなく、体系立てて論理...