読書感想8. Trial&Error

「貨幣発行自由化論」第8章 民間通貨のイメージ

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読書感想
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今回は、ハイエクの「貨幣発行自由化論」の第8章「民間通貨の発行」から、気になったところのメモと学習ノートを残しておきます。

「貨幣発行自由化論  改訂版――競争通貨の理論と実行に関する分析 」フリードリヒ・ハイエク(Friedrich Hayek) (著), 村井 章子 (翻訳)

(10月の読書会までに、読み終えて感想を共有する予定で準備をしています)

この章は、もしハイエクがスイスの大手民間銀行の経営者で、紙幣を発行するとしたら、どうするか、という思考実験が行われています。

もしも銀行が紙幣を発行したら

読者に民間通貨とはどのようなものかをイメージしてもらうため、架空の通貨「ダカット」を想定し、どのような工夫をすれば、民間通貨がうまく行くのかを説明しています。

ハイエクが提案する制度は、商品準備本位制などに期待されていたことをすべて実現する実行可能性の高いものだとか。

貨幣管理を独占していた機関から権限を取り上げ、それを民間機関に移すことで、貨幣価値の維持を完全自動化する必要性をなくしている。(中略)よって通貨と商品(または金)との交換を義務づける制度よりも、競争のほうが効果的な強制力を持つことが立証されるはずだ

第8章「民間通貨の発行」「貨幣発行自由化論  改訂版――競争通貨の理論と実行に関する分析 」
フリードリヒ・ハイエク(Friedrich Hayek) (著), 村井 章子 (翻訳)

貨幣管理を独占させず、競争させろ、というのは、この本の主張なので、繰り返し何度も、意見が述べられます。

なにをするか

具体的に何をするのか、どこに注意をすべきなのかも詳しく書かれています。

  1. 銀行が裁量的に通貨価値を引き上げる可能性→借り手を遠ざける→他通貨での返済を認めることを明示
  2. 選択可能性を用意→発行した通貨は、他通貨と引き換えで売る
  3. 新通貨は店頭取引か競売で売り出し
  4. 市場が確立されたら短期貸出のみ
  5. 商品バスケットを最初に発表しておく
  6. 商品バスケットは「商品準備本位制」の基本として示した原材料で構成

商品バスケットの意味が不明だったので、調べてみました。

《commodity basket》国際商品相場指数。金を含む一次産品の市況を一括して、指数化したもの。1987年秋、ベーカー米財務長官が、これを主要経済指標の一つに加えようとIMF総会で提案した。趣旨はインフレの早期警戒のため、その価格先行性を買ったもの。

“しょうひん‐バスケット【商品バスケット】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-10-14)

まだ、よく分かりませんね。商品相場指数を見てみましょう。

需給の変化を価格に敏感に織り込んで動く代表的な市況商品を群としてとらえ,その価格の推移を指数化したものである。商品の価格の動き,つまり商品相場にはその商品の需給動向を中心とする経済の変動だけでなく,政治,社会などのさまざまな事象が反映されるが,なんといっても需要の変化が大きく響く。経済活動が活発になれば需要が増え,需給が締まって値上がりする。逆に経済活動が停滞すると需要は冷え,値下がりする。商品の価格変動が有力な景気指標とされる理由である

“商品価格指数”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-10-14)

国際商品指数は、各国の新聞が指数を日時で作成、発表しています。

代表的な国際商品を選んで指数化したのが〈国際商品相場指数〉である。イギリスのロイター通信社が作成しているロイター商品相場指数のほか,イギリスの経済紙《フィナンシャル・タイムズ》,アメリカのダウ・ジョーンズ社などが日次の指数を作成,発表している。ロイター商品相場指数Reuter’s U.K.Commodity Indexはロイターの通信網で世界的に伝達されるうえ,歴史も古く,広く世界で利用されている。基準時は1931年9月18日で計算方法は加重平均である。採用品目とウェイト(かっこ内)は次のとおりである。小麦(14),綿花(13),コーヒー豆(11),羊毛(11),銅(9),砂糖(7),ゴム(7),トウモロコシ(5),米(4),牛肉(4),大豆(3),カカオ豆(3),スズ(2),落花生(2),コプラ(2),亜鉛(2),鉛(1)。

“商品価格指数”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-10-14)

この章では、良い面ばかりが挙げられていましたが、次章では、良い面と悪い面について深堀されています。

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貨幣発行自由化論  改訂版ーー競争通貨の理論と実行に関する分析 [ フリードリヒ・ハイエク(Friedrich Hayek) ]

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