8.2. ふりかえり Retrospective8. Trial&Error7. 哀 Sad

映画「あしがらさん」(2004)

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8.2. ふりかえり Retrospective
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「 あしがらさん 」という日本のドキュメンタリー映画を見たので、感想を記録しておきます。

DIRECTER TITLEYEARGENRETIMESCORE(IMDb)
飯田基晴あしがらさん2004Documentary,Biography,1:13

新宿でホームレスをしている老人あしがらさんと、炊き出しボランティアで出会った監督は、彼の人間性に惹かれ、3年間に渡って彼へのインタビューを行います。

イランの女性ホームレスを描いた「ミーナーについてのお話」はイランの新年を祝う祝日の13日間を彼女に密着したもので、被写体と監督との関係性は全く視聴者には伝わってきません。しかし、同じ題材でも、飯田監督は、あしがらさんと強固な信頼関係を築きあげ、彼を苦境から救う手助けをしています。

どちらも、ドキュメンタリー映画としての完成度は高いと思います。
実は、「路上で生きる」シリーズとして3本のドキュメンタリー映画を観たのです。それぞれ主人公はホームレスですが、国によって全く悲惨さが違うことが良くわかりました。イランの中年女性、インドの子どもたち、日本の高齢男性がホームレスである場合、国や自治体やNGOから助けてもらえるしくみを持っているのは日本だけでした。

おそらく新宿だから、行政もNGOも知識と経験を積み重ねられている部分もあると思うのですが、こうして3本の作品を見比べると、日本のホームレス問題だけは、貧困とは異なる別の理由が存在している気がします。

それでも日本が、イランやインドのように、弱者を不要なものとして切り捨てず、同じ社会に暮らす共同体の一員として助けるゆとりを持った国であり続けて欲しいと願わずにはいられません。

疑問

  • その後のあしがらさんが気になる
  • ナレーションがつたない
  • 少しカットして英語字幕とタイトルを付け海外向けに公開できないのだろうか

高評価

  • あしがらさんの個性と監督のユーモアがバランスよくミックスされている
  • 重いテーマだが、悲しく深刻になりすぎず飄々とした雰囲気が映画全体から感じられるのは、この監督の特性で利点だと思う
  • 普段触れることのできない日本社会の現実が学べる
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