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問題が起こる前に解決するという冒険

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読書感想
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うまいなぁ。新作を3月3日発売予定、という著者からのメールを読んで、読書欲をそそられています。

ダン・ハース「アップストリーム」
(Upstream: The Quest to Solve Problems Before They Happen by Dan Heath (Author))


日本語にすると、副題は問題が起こる前に解決するという冒険ってかんじでしょうか。

「アイデアのちから(Made to Stick)」「スイッチ(Switch)」「決定力(Decisive)」などチップ&ダン・ハース兄弟の著作は、どれも面白く発見がありました。新作では、チップが参加していない(Google Xのアドバイザーを楽しんでいて、執筆には熱を入れてないから)けど、自分(ダン)は、この執筆に超熱中してたって。

ちょうど、カーネマンの「ファスト&スロー」を再読していて、ところどころ、ハンス・ロスリングの「ファクトフルネス」で書かれていたことも関連して思い出していたのですが、チップ&ダン・ハースの本も、「ファスト&スロー」の事例に当てはめて考えられるところがありそうな感じですよね。

発売前ですが、メルマガのリンクから第1章を読めました。
彼らのウェブサイトでメンバー登録(無料)すると、著作に関連したポッドキャスト音声だったり、読書リストがダウンロードでき、ときどきメールも届きます)

人がどれほど物語に惹きつけられるか、それもどんな要素に感情を揺さぶられるかを熟知してる著者だな、と改めて思ったのは、この話を読んだからです。ざっくりと日本語にすると、こんなかんじかな。

あなたと友人が川辺でピクニックをしていると、突然叫び声が聞こえて、溺れている子どもを発見する。
慌てて、あなたと友人が河に飛び込んで助けると、その子以外にも、次々に溺れる子どもが現れる。
必死になって、子どもたちを助けていると、突然、友人が助けることを止めて、どこかに行こうとする。
「おい、どこに行くんだよ?」
「上流に行って、子どもを河に投げ込んでいるヤツをとっちめる!」

これ、もともとは、アメリカの社会学者で作家のアーヴィング・ゾラが公衆衛生に関して使った例え話らしいのですが、めちゃくちゃインパクトありますよね。 「アイデアのちから(Made to Stick)」 の要素(SUCCESsの法則)がギュッと濃縮されてます。

おそらく著者の意見や主張は数多く出版されている自己啓発本の主張と大きく変わらない気はします。
タイトルが示しているとおり、問題が発生してから場当たり的に解決するのではなく、根本から解決する方法を考えろ、ってことでしょう。
でもきっと、読み終わったあと、頭の中に残る印象が、類書に比べると強いんじゃないかなぁ。

現在、コロナウイルスが世界中に拡散しつつあることで、市民の公衆衛生に関する知識と実践のレベルアップが望まれているところなので、よけいに、この本の内容が気になります。

分かっちゃいるけど、できないんだよ、ってことを、すっきりと理解させ、しかも「行動」できる気にさせてくれる。
これが、ハースさんの本の魅力だと思います。

1章を読んだだけで、すでに頭がグルグルしています。
ああ、上流に行かなきゃ。でも一体、どこが上流なんだ?って。

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