ひとつの言語を話せるようになるって、こんなに複雑な仕組みだったのか、と驚いたもんざです。
9月半ばから、この本を読んでいましたが、ようやく読み終わり、たくさんの気づきを得ることができました。
「自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く」
松本 敏治 (著)
松本さんが、この研究を始めたのは、臨床発達心理士の奥様の一言がきっかけでした。「自閉症は津軽弁をしゃべんねっきゃ」
障害児心理を専門とし、大学で教鞭をとっている松本さんは、単なる推測でいい加減なことを言うな、と奥様とケンカになり、調査を始めるのです。
軽い気持ちで読み始めたのですが、この本から私は、「言語によるコミュニケーションが、どれほど感情の類推や憶測の基に成り立っているのか」「どのように子どもはそれを習得してきたのか」などを学ぶことができました。
たまたま、自閉症の子どもが主人公のドキュメンタリー映画を先週見ていたこともあり、映画の各シーンが鮮明にイメージできたのも、この本の理解に繋がったみたい。
映画:「オラとニコデムの家」“Communion” Director: Anna Zamecka
松本さんがどのように問題を整理し、調査方法を検討・実施して、試行錯誤を積み重ねて結論に至ったのか、などの経緯を、すごいなぁ、すごいなぁ、と読みながら呟いていました。
調査は「自閉症児は方言を話さない」という結論を出し、松本さんは奥さんに白旗をあげるところで終わるのですが、ちょっとコミカルな文章も、単なる学術的な調査結果を提示した本にはない魅力でした。
さて、課題です。
論理的に考えることの重要さと、課題解決をどのような手順で進めるかを改めて、この本から学ぶことができました。
こんな感じですかね。
1.問題/課題の発見
2.仮説
3.実験/調査
4.結論
しかし、松本さんが明確な結論を見つけ出すまで10年が必要でした。
根気強く、諦めず、継続して論理的に考え続け、仮説と検証を続けることが重要なことは良く分かったのです。
さて、自分に置き換えて考えると、どうも安直な結論を導き出して、何となくロジカル・シンキングしてるっていう自己満足にとどまっているレベルに過ぎません。
実際には2から4の工程を複数、繰り返す必要があるんですが、1回で力尽きちゃうみたい。なんとかするしくみを考えなきゃいけないでしょうね。
今日も読んでくださって、ありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。