子どもは親を選べないし、良かれ悪しかれその影響を避けることはできないけれど、そればかりを言い訳にするのもどうかなと思ったもんざです。
ヒッチコックの「サイコ」とよく比較されるというホラー(サイコスリラー)映画を銀座メゾン・エルメスのル・ステュディオ で見ました。
■「血を吸うカメラ」(1960年イギリス/マイケル・パウエル監督)
スプラッター系だったらイヤだな、と思いつつ、見ていたのですが、残酷な場面はなかったので、ホッとしました。
主人公のカールは、父の不動産を引き継ぎ大家業を営む有名な映画会社のカメラマンです。
父親は高名な心理科学者で、幼少のマークを自分の実験材料にしていました。
その虐待を受けた結果として、成人したマークは危険な妄想を抱くようになり、破滅してしまう、というストーリーです。
映像やカメラアングルは美しいのですが、状況設定や心理の描き方にもう少し深みあったら、もっと面白かっただろうに、というのが、この映画を見た私の率直な感想ですね。
この映画が作られてから、まだ60年も経っていないのに、現実世界の変化がどれほど速く激しいのかも実感しました。
さて、課題本です。
「ネガティブ・ケイパビリティ」の中で、著者の帚木さんはタイムの記事に興味深い記事を見つけたと書いています。(P.197)
アメリカで、子どもたちが社会的に成功している9つの家族を調査した結果です。
この九家族には共通の六項目がありました。
1.他国からの移民である(向上心、忍耐強さ)
2.両親は子どもが未就学のときから教育熱心(学ぶ力)
3.親が社会活動家(社会の不合理、変革の姿勢)
4.家族の中が平穏ではなかった(反骨心)
5.子ども時代に何度も人の死を見ている(生の貴重さ)
6.丁寧な幼児教育のあとの放任主義(自己責任、自立心)
これを読んで、「怒りの方法」の著者である辛淑玉さんともいくつか共通点があることに気づきました。
生きている限り、負の感情を避けることはできません。
それを、どうやって自分が生きている社会に適合させていくのか、常に学び続ける必要があると再認識しました。
今日も読んでくれて、ありがとうございます。
また明日もよろしくお願いします。