ひとつ悩みが減ったもんざです。
来月、父の一周忌で一時帰国するのですが、帰りの便で母も一緒にマニラへ来ることになりました。1カ月ほど私のところに滞在予定ですが、日本へ戻るときは一人なので、いろいろと注意点を覚えてもらわねば!と考えていました。
ところが妹から、仕事の都合がつきそうだから、母を迎えに行くよと連絡がありました。
妹は1週間くらい滞在できるようです。
二人とも、私におまかせプランなので、適当に近所をぶらぶら案内しつつ、希望と体調を確認して、週末に遠出する計画にしようかな。
進捗報告
今月みなさんと共有するのは、こちらです。
「向谷地さん、幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?」 (シリーズ ケアをひらく) 白石正明・向谷地生良 (著) 医学書院 https://amzn.to/41yhnhB
今回も、第4章「知はいかにして真実の地位に就くのか?」から印象に残ったところを共有します。私が向谷地さんに対して、共感と信頼感を強く感じたのは、この部分でした。
引用「まず、患者に対して何を聞くか、何を話すかということ以前に、(患者を含む)他者に対する向谷地さんの態度の全般に、通奏低音のように持続している一貫した方針、傾向性のようなものがある。それは、「(他者を)支配すること」と「(他者に)服従すること」の両方に対する徹底的な拒否である」
(6.向谷地生良という方法/第4章「知はいかにして真実の地位に就くのか?」)
向谷地さんは1955年生まれで、直接的に戦争は経験されていません。
しかし戦後の日本でも、さまざまなタイプの闘争や戦争が継続しており、ときに暴力を伴う「支配/服従」の関係性は、学校(先生ー生徒)、会社(上司ー部下)は、日本人社会に疑問視されることなく存在していました。
戦争を体験した人たちが戻ってきて教師になり、生徒を暴力的に管理しても、社会問題にはならなかった時代に、向谷地さんは教師から憎まれ、理不尽な暴力を受けるのですが、その教師を憎むことができません。
向谷地さんは「支配/服従」をめぐる闘争にコミットできないことを体質だと言うのですが、社会学者の大澤真幸さんは、ここから仮説を導きます。
医療の現場において、言語行為は「支配/服従」の関係を生み出すことが多くなります。(医師→患者)
向谷地さんの体質は、この部分を嫌悪・拒絶するがゆえに、当事者研究という独特な「言語使用のスタイル」を生み出していったのではないか、と。
私は「支配/服従」を拒否し「ニヒリズム」へ走ってしまいました。
向谷地さんはキリスト教の支えによって、より困難な道を選択して進んでいます。
私にはとうてい真似のできない修行者のような生き方です。
今日も読んでくださってありがとうございます。また明日もよろしくお願いします。
参加者(2名)
- もんざ「向谷地さん、幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?」 (シリーズ ケアをひらく) 白石正明・向谷地生良 (著) 医学書院 https://amzn.to/41yhnhB
- にしやまさん「サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠」(文藝春秋) ジリアン・テット (著), 土方 奈美 (翻訳) https://amzn.to/4kEz8TY
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共有予定の本
へぇー」がひらくアナザーワールド!!精神医療の常識を溶かし、対人支援の枠組みを更新しつづける「べてるの家」の向谷地生良氏。当事者がどんな話をしても彼は「へぇー」と興味津々だ。その「へぇー」こそがアナザーワールドの扉をひらく鍵だったのだ!大澤真幸氏の特別寄稿「〈知〉はいかにして〈真実〉の地位に就くのか?」は“良心的兵役拒否者”である向谷地氏に言語論から迫る必読論文。
「向谷地さん、幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?」 (シリーズ ケアをひらく) 白石正明・向谷地生良 (著) 医学書院 https://amzn.to/41yhnhB
世界の金融システムがメルトダウンし、デジタル版ウォークマンの覇権をめぐる戦いでソニーがアップルに完敗し、ニューヨーク市役所が効率的に市民サービスを提供できない背景には、共通の原因がある。それは何か――。謎かけのようなこの問いに、文化人類学者という特異な経歴を持つ、FT紙きってのジャーナリストが挑む。
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