ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」のキーパーソンの一人にゾシマ長老がいます。若い頃に大失敗をしたものの、何とか失敗をリカバリーして宗教的な生活を始めようとした頃に、ある人物との出会いがあります。ゾシマを熱心に訪ねてくるようになったのは、謎の客人ミハイル。50代の彼は名士として地域で広く尊敬を集め成功しており、家庭も円満で、一見すると幸福そのもの。ところが彼は、誰にも言えない悩みを抱えていたんですね。そのミハイルは自分の悩みを、ゾシマになら相談できると考え、思い悩んだ末に告白します。
この物語を読んだ時に、ふと思いました。どうして人は悩むのでしょうか。なぜ悩むと他の人に打ち明けたくなってしまうのでしょうか。告白って、なんなのでしょうか。好きな人に告白するのと、罪を告白することは、「心の中で思っていたことをありのままに打ち明ける」という意味で、日本語では、「告白」という単語が使用されます。でも英語だと、日本語のニュアンスの「告白」を文字通り使うと重すぎるようです。(参考:告白する、コクるって英語でなんて言うの?DMM英会話 英語でなんてuKnow?)
経験した人は多いと思いますが、恋も、罪の意識も、その感情が生まれると心の中にモヤモヤが溜まってきますよね。あれは、本当に苦しい。なんで、こんなに苦しいのかと思うくらい、辛いです。誰かに打ち明けることによって、その苦しみから解放されることを願って、告白したくなるんでしょうね。
でも、なぜモヤモヤが溜まってしまうのでしょうか。実際に告白したら、ラクになれるのでしょうか。ちょっと、このあたり、いま事例を集めているところです。。。
1 秘密にしていたことや心の中で思っていたことを、ありのまま打ち明けること。また、その言葉。「罪を―する」
2 キリスト教で、自己の信仰を公に表明すること。また、自己の罪を神の前で打ち明け、罪の許しを求めること。
“こく‐はく【告白】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-29)
でも、目の前にある現象から目をそらし、根拠なく築いた夢にとらわれて、その夢に裏切られて、深い傷を受けるよりは、ちょっぴり苦労して、現実を見つめ、考えるほうがいいとは思いませんか?
Lesson11 恋愛、「告白」を科学する(ほぼ日刊イトイ新聞 おとなの小論文教室) https://www.1101.com/essay/2000-08-09.html