9. 読書会(勉強会)カウントダウンコラム1. Zoom読書会

信頼が裏切られると傷つく

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9. 読書会(勉強会)
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あって当然と思っているものが突然消えてダメージをうけたもんざです。月イチで髪を染めてもらっている美容院に行ったら閉店していました。先月16日に行った時は全くそんな雰囲気はなかったんですよ。コロナ禍を乗り越えられたように見えてたから安心してたのになぁ。

チェーン店なので、少し自宅から離れた別店舗に行けるんで、冷静に考えたら、そんなにショックを受けなくても良いはず。でも、なぜか呆然としちゃってました。

帰宅してウェブサイトをチェックしたら、その店舗が最初から存在していなかったかのような扱いです。(通常は、A店は●日をもって閉店いたしました。B店をご利用ください、とか、何かしら顧客へのメッセージがありますよね?)

なぜ、私は激しく動揺してしまったのか。たぶん信頼が裏切られたような心持になったからでしょうね。(割引回数券も買っちゃってるし)信頼関係を作るって積み重ねの時間がかかるけど、壊すのは一瞬だったりします。

教訓。特に自分の調子が悪いときほど、投げやりでいい加減なことをしがち。人の振り見て我が振り直せ。せっかく築いた信頼を、自らぶち壊さないように気をつけたいと思いました。私の言動が目に余るときは「それは良くないよ」って忠告していただけると嬉しいです。(絶対に逆ギレしたりしませんのでご安心を!)

進捗報告

さて、今月みなさんと共有したいのは、こちらです。「俘虜記」(新潮文庫) 大岡 昇平  (著)

すべて読み終えて、改めて最初の章(「捉まるまで」)を読み返しています。ほとんど死にかけたのに助かったことや、目の前に現れた十代と思われる米兵を撃たなかったことに対する、著者自身の精神分析は、ほんとうに引き込まれます。また自然や動物の描写も、飾り気がないのに情景が目に浮かぶのです。

その木立が霧に包まれた。あたりは再び物音に満ち、風が頬に当ってパラパラと雨が空の奥から落ちて来た。私は口を開け、同時に両手を展げて掌に雨を溜めようとした。しかし雨は掌を濡らすほどにも降らずに止んだ。天頂近くに雲が切れて歪んだ月が現れた。その光は耐え難い眩しさで私の眼の中に差し込んだ。そして雨はもうそれきり落ちて来なかった

「俘虜記」(新潮文庫) 大岡 昇平  (著) 1.捉まるまで

ソローの「ウォールデン」は、神話や比喩がたっぷりとまぶされた自然賛美の表現で溢れていました。
それはそれで美しいなとも思うのですが、個人的に心に響き、惹かれるのは、大岡昇平や横光利一のような写実的な表現のほうみたいです。
(ソローは、私に神話や古典の知識がないから理解が追い付かないってだけですね)

今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。

参加者(2名)

  1. もんざ (主催者) 「俘虜記」(新潮文庫) 大岡 昇平  (著)
  2. にしやまさん「大学の常識は、世間の非常識」 (祥伝社新書) 塚崎公義  (著)

参考

俘虜記(ふりょき)大岡昇平の長編小説。1948年《文学界》に発表された短編《俘虜記》(合本《俘虜記》収録時に〈捉まるまで〉と改題)をはじめとして,51年まで各誌に分載。52年創元社より合本《俘虜記》として刊行。作者は,45年1月フィリピンのミンドロ島でアメリカ軍の攻撃を受け,病兵としてひとり山中に取り残され,意識を失って捕虜となり,約1年間収容所生活を送った。この合本《俘虜記》はその体験の記録である。兵士および俘虜としての自己の行動と意識について厳密な考察が加えられると同時に,俘虜たちの生態と人間性とが活写され,収容所の生活が占領下の日本の社会を暗示するように描き出されている。死に直面した作者がしだいに健康を回復していく過程も魅力的である。

“俘虜記”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-14)

大岡昇平おおおかしょうへい1909-88(明治42-昭和63)
作家,評論家。東京生れ。京大フランス文学科卒。成城高校在学中に小林秀雄,中原中也,河上徹太郎らと知り合った。戦前は会社員生活をしながら《文学界》などに批評を書き,またスタンダール研究に力を注ぐ。1944年一兵士として応召出征,45年1月フィリピン戦線でアメリカ軍の捕虜となった。48年この経験を書いた短編《俘虜記(ふりよき)》(合本《俘虜記》では《捉(つか)まるまで》と改題)で文壇に登場,次いで禁欲的な恋愛小説《武蔵野夫人》(1950),敗軍下の戦場での神と人肉食の問題を取りあげた《野火》(1951)を発表,戦後文学を代表する作家の一人となった。

“大岡昇平”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-14)より前半部分のみ抽出

フィリピン,ルソン島の南西に横たわる大きな島。面積9818km2はフィリピン群島中第7位。行政的には二つの州に分かれ,人口56万(1975)。島の中央部を北北西から南南東方向に急峻な脊梁山脈が走り,ハルコン山(2586m),バコ山(2489m)などの高い火山がそびえる。西海岸では雨が多く乾季と雨季の交替がみられるが,東海岸では明瞭な乾季がない。北東部に開ける沿岸平野にはタガログ地方からの,南西部の平野部にはビサヤ地方からの移住者が住みつき,内陸部はマンギャン族などが占拠する。南西岸のサン・ホセ町に1911年フィリピンで最初の分蜜糖工場が建てられた。島名はスペイン語で金鉱を意味するミナ・デ・オロに由来するといわれるが,現在ではそれらしき鉱山は見当たらない。

“ミンドロ[島]”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-14)

旧日本軍の兵営、艦船内に設けられた売店で、「軍隊内務令」の物品販売所がこれにあたる。士官、兵に時間を限定して、酒類、甘味品などの飲食物、手拭 (てぬぐい) 、歯ブラシ、ちり紙などの日用品を安価で販売した。酒や汁粉、うどんなどは酒保内でのみ飲食が許可され、新聞・雑誌の閲覧、囲碁・将棋などの娯楽設備もあった。なお、酒保とは中国語で酒屋の店員の意。アメリカ軍ではPX(post exchangeの略)、自衛隊では売店という。

“酒保”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-14)

共有予定の本

Amazon.co.jp: 俘虜記(新潮文庫) 電子書籍: 大岡 昇平: Kindleストア
Amazon.co.jp: 俘虜記(新潮文庫) 電子書籍: 大岡 昇平: Kindleストア

一等兵として太平洋戦争に従軍した著者の体験に基づく連作小説。フィリピン・ミンドロ島への米軍上陸から復員までの約一年間を描く。なぜ自分は米兵を殺さなかったかという感情を異常なほどに平静かつ精密に分析した「捉まるまで」と、俘虜収容所を戦後日本の縮図と見た文明批評の続編からなる。孤独という真空状態での人間のエゴティスムを明晰な文体で凝視し、戦争小説とは一線を画する。

<内容:アマゾン商品説明より>   「俘虜記」(新潮文庫) 大岡 昇平  (著)
https://amzn.to/3w3ybg1

変わらない大学への問題提起…。元大学教授の著者は言う。
“一国一城の主”である教授は自由で、天国のような職場だった。
しかし、大学の実態にはさまざまな違和感を拭えず、「大学の常識は、世間の非常識」だと感じ続けていた、と。
どうしたら日本の大学は良くなるのだろうか。
銀行員から大学教授に転身した著者だからこそ提起できた改革案を披露する。
いわく――文系の大学教授を研究者と教育者に分け、大学は企業人養成に専念すべき。
また、企業は3・4年次ではなく1年次に内定を出せばいい――。
巻末には、騒がしい教室が静かになる魔法の言葉など講義の工夫や人気講義を収録。
変わらなかった日本の大学が変わるきっかけとなるか。

<内容:アマゾン商品説明より>  「大学の常識は、世間の非常識」 (祥伝社新書) 塚崎公義  (著)
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