9. 読書会(勉強会)カウントダウンコラム1. Zoom読書会

カロリーと健康

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9. 読書会(勉強会)
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脾臓や膵臓の働きを調べなければと思っているもんざです。MRIを撮影した母から、膵臓に白い影が映ったと聞かされて驚きました。医師の診断では、良性とのことで、さしあたりは大丈夫そう。

妹がLINEで母の診断結果も共有してくれました。所見の欄には「完成された肝硬変状態である」という文字。完成された?ってなんだよ?と思わず笑ってしまいました。脾臓も腫大しているとのコメントがあり。脾臓、膵臓、肝臓と3つも臓器がダメージ受けてる状態って健康じゃないですよね。

でも私には、それらの臓器に関する十分な知識がないので思考停止中。
いずれにせよ、父母との時間が残り少ないことには変わりません。
自分が今できることをして、後悔しないように行動していく方針も変わりません。

進捗報告

さて、今月みなさんと共有したいのは、こちらです。「俘虜記」(新潮文庫) 大岡 昇平  (著)

ようやく俘虜記を読み終わりました。
戦争で捕虜になったら、食べ物も着るものも満足に与えられず強制労働をさせられ、病気やケガの手当ても受けられない。捕虜として収容所で暮らすって、そういう恐ろしい印象があったのですが、大岡さんの手記でイメージが覆されました。大岡さんが収容されたレイテ島の収容所では、米軍の士官が国際協定を順守し、捕虜の衣食住の環境は清潔に整えられ、捕虜であっても、人間の尊厳が守られていました。病人やけが人は、治療を受けることができ、缶詰ばかりとはいえ1日2700カロリーの十分な食事も与えられていました。

二千七百カロリーの食糧は熱帯の気候では我々の胃には重すぎ、多くの食糧を棄てている。喫煙する者にもしない者にも、無差別に与えられる月四百本の煙草は所内にだぶつき、我々はそれを賭に用いる。明らかにこういう文化財は、我々が忍んでいる不自由の代償としては過重であり、その余剰が我々を堕落させるのかも知れない。

「俘虜記」(新潮文庫) 大岡 昇平  (著) 8.労働

恐怖を煽る話は特に記憶に残り、拡散しやすいことも思い出しました。状況から、一概には判断できない部分も多いのですよね。自分が偏った視点を持っていたことに気づけました。

今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。

参加者(2名)

  1. もんざ (主催者) 「俘虜記」(新潮文庫) 大岡 昇平  (著)
  2. にしやまさん「大学の常識は、世間の非常識」 (祥伝社新書) 塚崎公義  (著)

参考

俘虜記(ふりょき)大岡昇平の長編小説。1948年《文学界》に発表された短編《俘虜記》(合本《俘虜記》収録時に〈捉まるまで〉と改題)をはじめとして,51年まで各誌に分載。52年創元社より合本《俘虜記》として刊行。作者は,45年1月フィリピンのミンドロ島でアメリカ軍の攻撃を受け,病兵としてひとり山中に取り残され,意識を失って捕虜となり,約1年間収容所生活を送った。この合本《俘虜記》はその体験の記録である。兵士および俘虜としての自己の行動と意識について厳密な考察が加えられると同時に,俘虜たちの生態と人間性とが活写され,収容所の生活が占領下の日本の社会を暗示するように描き出されている。死に直面した作者がしだいに健康を回復していく過程も魅力的である。

“俘虜記”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-14)

大岡昇平おおおかしょうへい1909-88(明治42-昭和63)
作家,評論家。東京生れ。京大フランス文学科卒。成城高校在学中に小林秀雄,中原中也,河上徹太郎らと知り合った。戦前は会社員生活をしながら《文学界》などに批評を書き,またスタンダール研究に力を注ぐ。1944年一兵士として応召出征,45年1月フィリピン戦線でアメリカ軍の捕虜となった。48年この経験を書いた短編《俘虜記(ふりよき)》(合本《俘虜記》では《捉(つか)まるまで》と改題)で文壇に登場,次いで禁欲的な恋愛小説《武蔵野夫人》(1950),敗軍下の戦場での神と人肉食の問題を取りあげた《野火》(1951)を発表,戦後文学を代表する作家の一人となった。

“大岡昇平”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-14)より前半部分のみ抽出

フィリピン,ルソン島の南西に横たわる大きな島。面積9818km2はフィリピン群島中第7位。行政的には二つの州に分かれ,人口56万(1975)。島の中央部を北北西から南南東方向に急峻な脊梁山脈が走り,ハルコン山(2586m),バコ山(2489m)などの高い火山がそびえる。西海岸では雨が多く乾季と雨季の交替がみられるが,東海岸では明瞭な乾季がない。北東部に開ける沿岸平野にはタガログ地方からの,南西部の平野部にはビサヤ地方からの移住者が住みつき,内陸部はマンギャン族などが占拠する。南西岸のサン・ホセ町に1911年フィリピンで最初の分蜜糖工場が建てられた。島名はスペイン語で金鉱を意味するミナ・デ・オロに由来するといわれるが,現在ではそれらしき鉱山は見当たらない。

“ミンドロ[島]”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-14)

旧日本軍の兵営、艦船内に設けられた売店で、「軍隊内務令」の物品販売所がこれにあたる。士官、兵に時間を限定して、酒類、甘味品などの飲食物、手拭 (てぬぐい) 、歯ブラシ、ちり紙などの日用品を安価で販売した。酒や汁粉、うどんなどは酒保内でのみ飲食が許可され、新聞・雑誌の閲覧、囲碁・将棋などの娯楽設備もあった。なお、酒保とは中国語で酒屋の店員の意。アメリカ軍ではPX(post exchangeの略)、自衛隊では売店という。

“酒保”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-14)

共有予定の本

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一等兵として太平洋戦争に従軍した著者の体験に基づく連作小説。フィリピン・ミンドロ島への米軍上陸から復員までの約一年間を描く。なぜ自分は米兵を殺さなかったかという感情を異常なほどに平静かつ精密に分析した「捉まるまで」と、俘虜収容所を戦後日本の縮図と見た文明批評の続編からなる。孤独という真空状態での人間のエゴティスムを明晰な文体で凝視し、戦争小説とは一線を画する。

<内容:アマゾン商品説明より>   「俘虜記」(新潮文庫) 大岡 昇平  (著)
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変わらない大学への問題提起…。元大学教授の著者は言う。
“一国一城の主”である教授は自由で、天国のような職場だった。
しかし、大学の実態にはさまざまな違和感を拭えず、「大学の常識は、世間の非常識」だと感じ続けていた、と。
どうしたら日本の大学は良くなるのだろうか。
銀行員から大学教授に転身した著者だからこそ提起できた改革案を披露する。
いわく――文系の大学教授を研究者と教育者に分け、大学は企業人養成に専念すべき。
また、企業は3・4年次ではなく1年次に内定を出せばいい――。
巻末には、騒がしい教室が静かになる魔法の言葉など講義の工夫や人気講義を収録。
変わらなかった日本の大学が変わるきっかけとなるか。

<内容:アマゾン商品説明より>  「大学の常識は、世間の非常識」 (祥伝社新書) 塚崎公義  (著)
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