読書会(勉強会)課題図書

8月ABD読書会の課題本「ナラティブ経済学」拡散する物語は予測できるのか

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読書会(勉強会)
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8月13日(土)AM8:00 ABD読書会の課題本は「ナラティブ経済学―経済予測の全く新しい考え方」 東洋経済新報社 ロバート・シラー (著), 山形 浩生 (翻訳)です。(ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ)という読書形式について詳しく知りたい方はこちら

読書会当日までに担当するパートを読み、当日参加者同士で各パートの内容をシェアすることで本1冊の内容を短時間で学び、それを元に話をすることで、学びを深めます。担当パートの振り分けは終わったのですが、耳だけ参加もOKなので、ご都合のよい方はお気軽にどうぞ。

ナラティブって、なに?

ナラティブってカタカナで言われても、何のことだろう?って思いますよね。日本語でいうと「物語」なんですけど、私たちが「物語」という言葉から想像する以上のものを含んじゃっているので「ナラティブ」っていう言葉を使うしかない、ってかんじみたい。

文芸理論の用語。物語の意。1960年代、フランスの構造主義を中心に、文化における物語の役割についての関心が高まった。その過程で、「ストーリー」とは異なる文芸理論上の用語として「ナラティブ」という言葉が定着した。

“ナラティブ”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-10)

論者によってその理論は大きく異なるとはいえ、総じて物語の内容以上に形式に注意を向けているといってよい。

“ナラティブ”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-10)

1970年代以降、文化を意識されないナラティブ(神話、イデオロギー)の集合としてとらえ、その機能のさまを明らかにしようという潮流が広がった。そこに広くみられたのが、人間はナラティブを受容することで、さらにナラティブを語ることで、自己と社会を分節化し、構造化していくのだという考え方である。こうした考えをナラトロジーの影響だけに帰することはできないし、必ずしもナラティブという言葉さえ共有されていたわけではないが、そこには広い意味でのナラティブに対する着目が存在した。ナラティブは、国民、エスニシティ、ジェンダーなどの成立に深く関わるとされた。つまり、特定のナラティブを通じて世界を認識することで、社会的な権力構造と主体の位置が構成されると考えられた。

“ナラティブ”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-10)

1990年代以降、ナラティブという概念はその輪郭を曖昧にしつつも、政治学、社会学、国民国家研究、カルチュラル・スタディーズといった分野に根をおろしている。

“ナラティブ”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-10)

百科事典を読むと、文芸、歴史学、精神医療の分野などでは、ナラティブという概念が根を下ろしていることが分かります。しかし、経済学の分野ではあんまり研究されてこなかったんですって。

ほとんどの同時代経済学者たちは、世間のナラティブなど「我々の領域ではない」と考えたがる。

「ナラティブ経済学―経済予測の全く新しい考え方」 東洋経済新報社 ロバート・シラー (著), 山形 浩生 (翻訳)

伝統的な経済学アプローチは大規模な経済事象における世間の「信念」が果たす役割を検討できていない。つまりはナラティブを見ていないということだ。世間のナラティブについての理解を経済事象の説明に組み込めば、経済学者たちは未来予測でそうした影響にもっと敏感になれる。

「ナラティブ経済学―経済予測の全く新しい考え方」 東洋経済新報社 ロバート・シラー (著), 山形 浩生 (翻訳)

これまでの手法で、まったく予測ができず成果も上がってこなかったんだから、これをやってみる価値はありそうですよね。

著者について

シラー博士(Robert James Shiller、1946年3月29日 -)は2022年現在76歳です。ノーベル経済学賞を受賞されたのは2013年なので、67歳のときのことですね。

ノーベル経済学賞(2013年)The Sveriges Riksbank Prize in Economic Sciences in Memory of Alfred Nobel 2013
ノーベル賞6部門の一つで、経済学の分野で功績があった人を顕彰する賞。2013年10月14日、スウェーデン王立科学アカデミーは同年の賞を、アメリカのエール大学のロバート・シラー教授、アメリカのシカゴ大学のユージン・ファーマ教授とラース・ハンセン教授の3人に贈ると発表した。授賞理由は「資産価値に関する実証的な分析」。シラー教授は、住宅価格の代表的指数であるアメリカの主要都市の一戸建て住宅価格を示す「S&Pケース・シラー住宅価格指数(ケース・シラー指数)」を開発した。

“ノーベル経済学賞(2013年)[イミダス編 経済・産業]”, 情報・知識 imidas, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-10)

こちらの動画で著者が自ら語ってくれています。言語は英語ですが、自動翻訳で日本語設定もできます。本を読む前に、この動画を見ておくと、著者が私たち読者に伝えたいイメージがつかみやすい気がしました。8分だけど、ギュッと要点がまとまってる感じ。

Narrative Economics: Robert Shiller (Yale School of Management) 8分

この本のもくじ

私が担当するのは5章、6章、17章です。読書会で発表するまえに、情報を整理して要点をまとめる予定です。またブログでも、気づきを共有できたらいいなと思っています。もっと難しいのかなと思っていましたが、想像以上に読みやすくて、面白いので嬉しいです。

はじめに ナラティブ経済学とは何か
1部 ナラティブ経済学の始まり
1 ビットコインのナラティブ
2 一致性の冒険
3 感染、群れ、合流
4 なぜ一部のナラティブが流行るのか

5 ラッファー曲線とルービックキューブの大流行
6 経済ナラティブのヴァイラル性に関する様々な証拠

2部 ナラティブ経済学の基礎
7 因果性とナラティブ群
8 ナラティブ経済学の7つの主張
3部 繰り返される経済ナラティブ
9 反復と変異
10 パニックと不安
11 倹約VS顕示的消費
12 金本位制VS金銀両本位性
13 労働節約機械が多くの職を奪う
14 オートメーションとAIがほとんどの職を奪う
15 不動産バブルとその崩壊
16 株式市場のバブル
17 ボイコット、不当利益、邪悪な企業
18 賃金物価スパイラルと邪悪な労働組合
4部 ナラティブ経済学の将来
19 未来のナラティブ、未来の研究

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