こういうのって運命だよな、と思ったもんざです。
ふだんは行かない隣町に行ったら、古本屋(南東舎書店)があることに気づきました。なんと、すべて日本語の本!かなり学術的な専門書からコミックまで幅広い品揃え。掘り出し物がありそうな予感がして、端から順番に見ていったら、なんと!読みたかった本を発見できました。このタイミングで、マニラでこの本に出会うって奇跡的だなぁ。「南東舎書店」さんは2022年1月にオープンしたとのこと。閉店しないうちに、また行ってこなければ!
ドストエフスキーが自分の信仰にたどり着いたのは、全てが崩れ堕ちたからなのか、それとも、彼の中で決して信仰の光が消えなかったためにこの世界の不安定さを認識したためなのか。これはドストエフスキーを理解するための基本的な疑問である。彼の思想は基本的に否定的なのか、肯定的なのか。信仰の人なのか、それとも虚無主義者なのか
「神学入門: プロテスタント神学の転換点」 ヨゼフ・ルクル フロマートカ (著), 平野 清美 (翻訳), 佐藤 優 (翻訳)
愚の骨頂を望む権利
今月の読書会で私はドストエフスキーの「地下室の手記」を紹介予定です。この本の読みどころのひとつは、人間の自由意志についての議論です。人間は合理的な生き物である、自分に不利なことをするはずがない、という意見に対して、地下室男さんは反論します。
それはまさに、己のために愚の骨頂さえも望む権利、己のために懸命なることを望むという義務から解放される権利を持つことなのだ。なにしろこの愚の骨頂、己の気まぐれこそが、君たち、実際のところ我々にとってこの世のなによりも有利なものなのかもしれないのだからね。
「地下室の手記」 (光文社古典新訳文庫) ドストエフスキー (著), 安岡 治子 (翻訳)
人間は、自分で選ぶ権利を持っているんですよね。ある人生相談のコラムを思い出しました。ダメな人に惚れた友人に「あれはダメ、不幸になるよ」と忠告しても、聞き入れてもらえません。どうすべきですか?という質問に対して、回答者は「あなたの友人は不幸になる権利も持っているのだ」と答えていました。その時は、その回答を見て、かなり衝撃を受けましたが、確かにそのとおりだなと、その後に納得しました。
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
参考
ひきこもり回想録『地下室の手記』
ドスト作品中の貨幣価値考察 (ブログ:アンテクと駅長)
・親戚の遺産 6000p=600万円
・豪華な食事代 7p=7000円
・馬車代 50k=500円
・運命の5ルーブル=5000円
参加者(2名)と共有予定の本
世間から軽蔑され虫けらのように扱われた男は、自分を笑った世界を笑い返すため、自意識という「地下室」に潜る。世の中を怒り、憎み、攻撃し、そして後悔の念からもがき苦しむ、中年の元小官吏のモノローグ。終わりのない絶望と戦う人間の姿が、ここにある。後の5大長編へとつながる重要作品であり、著者の思想が反映された主人公の苦悩をリアルに描いた決定訳!
<内容:アマゾン商品説明より> 「地下室の手記」 (光文社古典新訳文庫) ドストエフスキー (著), 安岡 治子 (翻訳)
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