今月の読書会で私はドストエフスキーの「地下室の手記」をご紹介する予定で準備しています。私は訳者あとがきや解説を読んでから、本文を読み始めたので、何とか読み終えられたと思っています。
翻訳者は逃げられない
この部分を読んで、翻訳者の安岡さんのご苦労がしのばれました。読者だったら、「もうイヤ!」って本をパタンと閉じれば終わりだけど、翻訳者さんは逃げられないもんね。。。
「語り手自身が、「わざとアンチヒーローのあらゆる特性が集められている」と言うだけあって、自意識過剰で猜疑心が強く、嫉妬深くて気も弱いくせにプライドだけは人一倍高く、人とつき合うにしても、相手を愛することはできずただ独占欲が強くて暴君のように振舞うだけという、どこから見ても人好きのしないまぎれもないアンチヒーローとつき合うのは、訳者としても本当にしんどかった
訳者あとがき 「地下室の手記」 (光文社古典新訳文庫) ドストエフスキー (著), 安岡 治子 (翻訳)
とはいえ、途中から主人公があまりにもへそ曲がりなので、苦笑いしつつ共感したりもできるようになったらしいです。このあとがきを本文を読む前に読んでいたから、読み切れたのかもしれません。
あとは、映画監督のウディ・アレンが、ドストエフスキーの「地下室の手記」のパロディを書いていることをもっと早く知っていれば、もう少し楽しめたかも、という裏話も書かれていて、そちらも気になり、調べてみました。
「これでおあいこ Getting Even」 (河出文庫) ウディ アレン (著), Woody Allen (原著), 伊藤 典夫 (翻訳), 浅倉 久志 (翻訳)
これは作品集でして、収録されている「肥満質の手記」が「地下室の手記」のパロディとのこと。読んでみたい!けど、電子本がない。じゃ、原書はどうだ?
”Getting Even” Audible版 – 完全版 Woody Allen (著, ナレーション), Audible Studios (出版社)
オーディブルしかない。ちらっと見てみたいだけなのよね~。そんなわけで、いつか読んでみたい本リストにいれることにしました。
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
参考
ひきこもり回想録『地下室の手記』
ドスト作品中の貨幣価値考察 (ブログ:アンテクと駅長)
・親戚の遺産 6000p=600万円
・豪華な食事代 7p=7000円
・馬車代 50k=500円
・運命の5ルーブル=5000円
参加者(2名)と共有予定の本
世間から軽蔑され虫けらのように扱われた男は、自分を笑った世界を笑い返すため、自意識という「地下室」に潜る。世の中を怒り、憎み、攻撃し、そして後悔の念からもがき苦しむ、中年の元小官吏のモノローグ。終わりのない絶望と戦う人間の姿が、ここにある。後の5大長編へとつながる重要作品であり、著者の思想が反映された主人公の苦悩をリアルに描いた決定訳!
<内容:アマゾン商品説明より> 「地下室の手記」 (光文社古典新訳文庫) ドストエフスキー (著), 安岡 治子 (翻訳)
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