今月はこちらの本を共有する予定です。(「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 シェリー・ケーガン (著), 柴田裕之 (翻訳) 文響社 )今回は、「第7講 私たちが死ぬまでに考えておくべき、「死」にまつわる6つの問題」から、面白かったところを共有しますね。ここでは、以下の6つの観点から、人生の価値とは何かを考察しています。
- 「死は絶対に避けられない」(必然性)(個人的な問題と普遍的な問題を区別する)→スピノザ VS デカルト&ドストエフスキー「地下室の手記」
- 「寿命は不平等にばらつく」
- 「自分の持ち時間を誰もしらない」(予測不可能性)→予測不可能だから悪い?
- 「人生の形が幸福度に与える影響」→浮き沈みが全体的な価値を変える
- 「突発的に起こりうる死」(偏在性)→どう向き合う?
- 「生と死の組み合わせによる相互作用」→楽観主義者、悲観主義者、穏健派で判断が異なる
*「地下室の手記」(光文社古典新訳文庫)はkindleアンリミテッド対象でした。
これらを考察したうえで、人間の境遇(生のあとに死が続く事実)を評価する(良い(プラス+)のか悪い(マイナス-)のか)します。シェリー先生は、最低でも以下の3つの相互作用効果が想定されるといいます。
1.プラス説(有限(脆弱ではかない)だから貴重で価値がある)
2.マイナス①説(味見しただけで終わってしまう)
3.マイナス②説(高貴な身分からの没落による屈辱)
スピノザは、例えば2×2=4になる事実は変えらず、それに腹を立てたって仕方ないことに気づけば、死の必然を恐れることもなくなる、というような論理を展開します。でもデカルトや、ドストエフスキーが描いた地下室の男のように、必然だという事実を理解しても全く精神の安定を得られない人もいます。スピノザとは真逆だし、シェリー先生も全面的にスピノザを支持はしません。
哲学者のスピノザは、人生で起こることはすべて必然的であるという事実(少なくとも、スピノザにとっての事実)に気づくことができさえすれば、私たちはその事実から一種の感情的距離を置けると考えた。(中略)これは正しいのかもしれないが、私は自信がない
「第7講 私たちが死ぬまでに考えておくべき、「死」にまつわる6つの問題」 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 シェリー・ケーガン (著), 柴田裕之 (翻訳) 文響社
シェリー先生は、その日の気分によって、どちらの論理にも魅力を感じるのだとか。この本を読んで、自分は圧倒的に楽観主義者であり、スピノザの論理に共感するタイプだと分かりました。あなたは、どのタイプでしょうか?
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
参加者(7名)
- もんざ (主催者) 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 シェリー・ケーガン (著), 柴田裕之 (翻訳) 文響社
- じょあんなさん「ツナグ」(新潮文庫) 辻村深月 (著)
- りんさん「霊魂や脳科学から解明する 人はなぜ「死ぬのが怖い」のか」 (講談社+α文庫) 前野隆司 (著)
- にしやまさん「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール(ナツメ社)釘崎 清秀 (著), 伊達 洋駆 (著)
- maruさん「パタゴニア」 (河出文庫) ブルース・チャトウィン (著), 芹沢真理子 (翻訳)
- Yoko3さん「捨てる!」技術」辰巳渚(著)宝島社新書
- モクソンさん 「桜の森の満開の下」坂口 安吾 (著)
共有予定の本
イェール大学で23年連続の人気講義が、ついに日本上陸!――人は必ず死ぬ。だからこそ、どう生きるべきか――なぜ、余命宣告をされた学生は、最後に“命をかけて”、この講義を受けたのか!? 死を通すことでますます「生」が輝きを増す、世界的名著!
<内容:アマゾン商品説明より> 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 シェリー・ケーガン (著), 柴田裕之 (翻訳) 文響社
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。
<内容:アマゾン商品説明より 抜粋> 「ツナグ」(新潮文庫) 辻村深月 (著)
ブッダ、ダーウィン、霊魂、クオリアと、宗教、進化論、心理学、哲学、脳科学まで分野横断で人類共通の悩み、怖さに迫る。すると見えてきたのは、すべてが幻想!? という最先端脳科学の衝撃の結論。しかし、そんな理屈だけでは「怖い」は克服できない。本書では、自殺や東洋思想、幸福学などをとおし、人が「死」をいきいきとした「生」へと還元する7つのルートを示す。新たな死生観が身につく現代日本人のための必読書。
<内容:アマゾン商品説明より 抜粋>「霊魂や脳科学から解明する 人はなぜ「死ぬのが怖い」のか」 (講談社+α文庫) 前野隆司 (著)
採用の基本から、求める人材を入社に導く極意までを網羅! 採用担当者が知っておきたい知識を、基礎から応用まで、この一冊にまとめました。採用活動の一般的な流れから、担当者が持っておきたい心構え、募集・選抜・フォローで押さえておくべきポイントまで。採用に携わるすべての人に読んでほしい、採用活動の新しい教科書です。
<内容:アマゾン商品説明より 抜粋>「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール(ナツメ社)釘崎 清秀 (著), 伊達 洋駆 (著)
人はなぜ移動をするのか。マゼランが見た裸の巨人、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド、伝説の一角獣、オオナマケモノを見つけた19世紀の船乗り、世界各地からの移住者たち…。幼い頃に魅せられた一片の毛皮の記憶から綴られる、繊維かつ壮大なる旅の軌跡。不毛の大地に漂着した見果てぬ夢の物語。
<内容:アマゾン商品説明より 抜粋>「パタゴニア」 (河出文庫) ブルース・チャトウィン (著), 芹沢真理子 (翻訳)
収納法・整理法で解決できない悩みをいっきに解消!あふれたモノをスッキリさせる、本当に豊かな快適生活の20か条!「もったいない」で封印しない!「とりあえず、とっておく」は禁句!「“仮に”はだめ、“今”決める」から「後ろめたさのない捨て方」まで、 「捨てるという発想」の基本を具体的に教える─現代日本のバイブル!
<内容:アマゾン商品説明より 抜粋>「捨てる!」技術」辰巳渚(著)宝島社新書
昭和初期に活躍した「無頼派」の代表的作家である坂口安吾の小説。初出は「肉体」[1947(昭和22)年]。通る人々が皆「気が変になる」鈴鹿峠の桜の森。その秘密を探ろうとする荒ぶる山賊は、ある日美しい女と出会い無理やり妻とする。しかし、それが恐ろしくも哀しい顛末の始まりだった。奥野建男から「生涯に数少なくしか創造し得ぬ作品の一つ」と激賞された、安吾の代表的小説作品。
<内容:アマゾン商品説明より 抜粋>「桜の森の満開の下」坂口 安吾 (著)