本当に頭のいい人は、頭が悪いふりをすることもできるのか、とハッとしたもんざです。
ドイツ語の先生Mikakoさんの書評を読んで、購入した短編推理小説がかなり私好みでした。
11の短編が収録されており、1つの作品は15分程度で読めるもの。
冒頭の感想は「ハリネズミ(Der Igel)」という作品の話。
犯罪者一家に生まれた天才が、その才能を隠して生きていたのに、ある事件から化けの皮が剥がれる、という筋書きでした。
「犯罪」(創元推理文庫) フェルディナント・フォン・シーラッハ (著), 酒寄 進一 (翻訳)
一日、ひとつずつドキドキしながら読んでいくのが楽しいです。
進捗報告
さて、今月ご紹介するのは、こちら。戯曲です。
「シラノ・ド・ベルジュラック」 (光文社古典新訳文庫)ロスタン (著), 渡辺 守章 (翻訳)
この作品は、見た目はダメだけど文学的センスが天才的なシラノが紆余曲折を経て、美女ロクサーヌの愛を手に入れる話なんですけどね。男性の一途な愛をテーマにしている作品といえば、ダンテの「神曲」も、そうですよね。ダンテが初恋の人ベアトリーチェに天国で再開する話。
どちらの物語も、世界各国で100年以上も読み継がれているのは、そこに何か普遍性があるんでしょうね。スパークノーツに、シラノのテーマなどが解説されていたので、これから読みます。
個人的には、ヒロインのロクサーヌが天然ボケすぎて、ツッコミどころ満載です。シラノの内面の美しさに気づけないキャラクターとして描かれています。頭が良いのか悪いのか、よく分からない人です。だからこそ、この物語が成り立つとも言えますね。
シーラッハの短編「ハリネズミ」に登場する主人公は家族愛から、それまで被っていた愚か者の仮面を少しだけ外すわけですが、シラノは、ロクサーヌへの愛ゆえに、最後まで道化師役を演じ切ろうとするんですよね。切ない。
ストーリーとは関係ないのですが、外面に惹かれて一目惚れとかって、自然淘汰に基づく本能によるものだったりするから、意思でコントロールできないのかもしれないなぁと、最近思うようになりました。20代とか、青年期まっさかりだと、特に難しい気がするなぁ。
参加者(2名)
1.もんざ 「シラノ・ド・ベルジュラック」 (光文社古典新訳文庫)ロスタン (著), 渡辺 守章 (翻訳)
2.maruさん「エフォートレス思考 努力を最小化して成果を最大化する」かんき出版 グレッグ・マキューン (著), 高橋 璃子 (翻訳)
今日も読んでくださってありがとうございます。
また明日もよろしくお願いします。