ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」をABD読書会で読んでいます。私は英語版を読んでいるのですが、原書と邦訳版の目次を比較して、日本語版には第20章がないことに気づきました。
著者の公式サイトを確認したところ、以下の記述を見つけました。1997年の初版では入っていなかったけれど、2003年と2007年の改訂版で、内容の改定と追加がされていることが分かりました。日本、食糧生産の起源、言語族と伝播の発見、経済学への拡張、ビジネスの世界への展開、この5つの内容について、初版と改訂版では違いがあります。
Since I published Guns, Germs, and Steel in 1997, much new information has accumulated, which has enriched our understanding without fundamentally changing interpretations. I discussed some of these extensions in new English-language editions of Guns, Germs, and Steel released in 2003 and 2007. 1997年にGuns、Germs、Steelを出版して以来、多くの新しい情報が蓄積され、解釈を根本的に変えることなく理解を深めることができました。 これらの拡張機能のいくつかについて、2003年と2007年にリリースされたGuns、Germs、Steelの新しい英語版で説明しました。(Google翻訳で和訳)
EXTENSIONS AND DISCOVERIES SINCE PUBLICATION IN 1997 Jared Diamond(公式ウェブサイト)
Japan. The two most important geographic areas that did not receive detailed separate coverage in the 1997 edition of Guns, Germs, and Steel were Japan and the Indian subcontinent. The 2007 edition added a chapter on Japanese geography and pre-history, agriculture’s spread to Japan, and its consequences. (日本のこと) 1997年版の『銃・病原菌・鉄』では、日本とインド亜大陸の2つの重要な地理的領域が個別に詳しく取り上げられていませんでした。 2007年版では、日本の地理と先史時代、日本への農業の普及とその結果についての章が追加されました。(DeepL翻訳で和訳)
EXTENSIONS AND DISCOVERIES SINCE PUBLICATION IN 1997 Jared Diamond(公式ウェブサイト)
目次の比較
草思社の文庫版で目次を比較してみました。なぜ文庫化したときに20章を入れなかったんでしょうね。特に日本に関する記述だから余計に気になります。
英語版 | 日本語版 | |
PREFACE | なし | |
PROLOGUE | プロローグ | |
1 | UP TO THE STARTING LINE | 一万三〇〇〇年前のスタートライン |
2 | A NATURAL EXPERIMENT OF HISTORY | 平和の民と戦う民の分かれ道 |
3 | COLLISION AT CAJAMARCA | スペイン人とインカ帝国の激突 |
4 | FARMER POWER | 食料生産と征服戦争 |
5 | HISTORY’S HAVES AND HAVE-NOTS | 持てるものと持たざるものの歴史 |
6 | TO FARM OR NOT TO FARM | 農耕を始めた人と始めなかった人 |
7 | HOW TO MAKE AN ALMOND | 毒のないアーモンドのつくり方 |
8 | APPLES OR INDIANS | リンゴのせいか、インディアンのせいか |
9 | ZEBRAS, UNHAPPY MARRIAGES, AND THEANNA KARENINA PRINCIPLE | なぜシマウマは家畜にならなかったのか |
10 | SPACIOUS SKIES AND TILTED AXES | 大地の広がる方向と住民の運命 |
11 | LETHAL GIFT OF LIVESTOCK | 家畜がくれた死の贈り物 |
12 | BLUEPRINTS AND BORROWED LETTERS | 文字をつくった人と借りた人 |
13 | NECESSITY’S MOTHER | 発明は必要の母である |
14 | FROM EGALITARIANISM TO KLEPTOCRACY | 平等な社会から集権的な社会へ |
15 | YALI’S PEOPLE | オーストラリアとニューギニアのミステリー |
16 | HOW CHINA BECAME CHINESE | 中国はいかにして中国になったのか |
17 | SPEEDBOAT TO POLYNESIA | 太平洋に広がっていった人びと |
18 | HEMISPHERES COLLIDING | 旧世界と新世界の遭遇 |
19 | HOW AFRICA BECAME BLACK | アフリカはいかにして黒人の世界になったか |
20 | WHO ARE THE JAPANESE | 【なし】 |
EPILOGUE | エピローグ | |
2003 Afterword or2017 Afterword(版による) | 訳者あとがき/文庫本のための訳者あとがき |
参考
サラタメさんの【15分で解説】銃・病原菌・鉄|世界征服に必要な条件
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 文庫 – 2012/2/2
ジャレド・ダイアモンド (著), 倉骨彰 (翻訳)
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 文庫 – 2012/2/2
ジャレド・ダイアモンド (著), 倉骨彰 (翻訳)