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仏教(禅)の公案を題材に英語で体験談を共有

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サイ 動物 8.2. ふりかえり Retrospective
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久々に友人が主催する英語の読書会に誘われて参加したので、備忘記録を残しておきます。本を読むことよりも、質問に自分なりの答えを考えて説明し、他の参加者と共有することがメインだからディスカッション・イベントと言ったほうが正しいかも。

テーマは何と、禅の公案でした。うっすらと、公案は、禅問答のようなもの、という認識しかなかったので、事前に、百科事典で意味を再確認したり、ネットで少し情報収集をしました。

公案の定義

公案はまた禅宗のことばとしてもある。仏や祖師の説法,もしくは問答を指す。(中略)従来の経論や教義以外に,仏法のよるべき公理として,これが禅の悟りを示す標準となった。(中略)主として臨済系の禅僧によって公案が盛んに用いられて,公案禅の時代となる。(中略)しかし,一方ではそうした特定の公案を用いず,日々新しく起こってくる課題を公案とする,現成公案の立場があり,曹洞禅では,これを禅の本領とする

“公案”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, (参照 2020-07-31)

これによると、公案といっても、①臨済禅の公案、②曹洞禅の公案の2種類があるみたいですね。①がクラッシックなもの、②が新しいもの、って感じかな?

使われた公案

今回のは①から選ばれた題材だったのかもしれません。物語は、インドからシルクロードを通って中国にやってきたYanguanという禅僧侶が主人公で、メタファーとしてRhinoceros(動物のサイ)が多用されるものでした。

抽象的で分かりにくいんですけど、とりあえず自分なりに意訳してみました。
日本語でも禅問答なんて良く分からないのに、英語でなんて、かなり無茶な感じでしたが、なんとなく雰囲気はつかめた気がします。

エピソード①

禅師ヤンアンと弟子の会話。師の教えに救いを求めて訪ねて来る人びとの話を一緒に聴くうちに、弟子は、自分の感情が不安定になることに気づき、師に原因を尋ねる。

ヤンアン(Yanguan)「我々は、ふつうの話をしているだけだよ」
弟子「ではなぜ私は不安を感じるのでしょうか」
ヤンアン「なぜ安定している必要があるのかな」

弟子は再び不安を感じたが不思議なことに、今回の不安は希望をもたらし、ヤンアンと共に過ごすことへの迷いが消えた。

エピソード②

サイの角で作られた扇が知事から禅師ヤンアンに与えられた。ある夏の日、ヤンアンがその扇を持ってくるよう弟子に命じた。

弟子「あの扇は壊れております」
ヤンアン「では、サイを連れてきなさい」

その弟子は困惑したが、ジフという別の弟子は、円を描き、その中にサイという文字を書き込んだ。1人の弟子にとっては、世界が止まる質問だったが、別の弟子は別の思考回路を開いた。

エピソード③

訪問客と禅師ヤンアンとの問答から学ぶ弟子。

訪問客「仏陀の実体はどのようなものでしょうか」
ヤンアン「あの水差しを取ってもらえますか」
訪問客は、新しい水差しを持ってきてヤンアンに手渡した。
またヤンアンは「これをまた元の場所に戻してください」と言い、訪問客はそうした。

すると訪問客は同じ質問「仏陀の実体はどのようなものでしょうか」と繰り返した。
ヤンアンは「仏陀はずいぶん昔に亡くなってしまったのだよ」と答えた。

弟子は水差しの隠喩に気づいたが、訪問客は気づかなかった。彼の目の前にサイがいたのに自分の質問に夢中になりすぎていたから。

エピソード④

サイ 動物

仏教弾圧のため、王室が分断され、王子一家が、禅師ヤンアンの寺へ避難してきた。
ヤンアンは、ただ沈黙を守るように王子に伝え、彼はそれを守った。

そうする間に王子は、絶望的な逃亡だと思っていたものが、実は予期せず手に入れた自由だと気づく。それはサイを発見したようなものだった。

政情が落ち着き、ヤンアンが再び王子に以前の生活に戻るよう伝えたとき、気が進まなかった。しかし王子はヤンアン説得され、同意したとき、その奇妙な逆転した状況がおかしくなった。

提示された質問

参加者11名だったので、ブレイクダウンルーム1室に3名で1つの質問で10分ほど、意見交換をしました。仕事の話、失恋の話などが出ましたね。私は2011年3月の東日本大震災での体験と、それをきっかけに転職した話などを共有しました。

質問①

どうしようもない出来事が起こって、凍り付いたことはあるか?そのとき、別の人が何か異なる行動をして流れを取り戻した経験はあるか? (円を描き、サイという言葉を表す文字を書いたジフのように)

質問②

人生が終わった(または二度と幸せになることはない)と思えるほど「ひどい」経験をしたことはあるか?それはどのような経験だったか。

質問③

その時は、逆境や悲劇の状況だと思っていたが、その後に、状況が素晴らしく好転したというような体験はあるか。

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