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GCQあけまで3日 13thをみた②

やってみよう
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13thを観ました。結論から言うと、歴史に残るドキュメンタリー映画です。ホントに見て良かった。ここでは、映画の内容に関することと、映画の持つ影響力の2点をメモしておきたいと思います

搾取と差別を基礎にする社会

これはアメリカだけの問題じゃなく、法治国家、資本主義、民主主義のあり方を考えるための近代の歴史教科書でしょう。

Netflixオリジナルって、こんなに高クオリティなんですね。無料で見ちゃったのが申し訳ないくらい。日本でも政治、司法、企業の癒着と労働力搾取が構造化されている部分があるとは思いますが、アメリカのコレは。。。

観ていてディストピアSF小説かと思うくらい、黒人にとっての悪夢社会が構造化されています。(白人で既得権益を持っている人たちだけが最高に快適な社会)これ、現実なの?って、とちゅうで自分の目を疑ってしまいました。

でも、今日の英会話で先生が2014年にNYで体験したことを聞いたら、間違いなくリアルらしいのです。

そのとき、先生は黒人の友人(男性)と一緒で、NYのセントラルパーク近くでタバコを吸っていたそうです。そこへ警官が現れて、彼女には目もくれず、友人に職務質問し始めたのだとか。その地域は白人居住地区に近いため、誰かが警察に「不審な黒人の男が近所でタバコを吸っている」と通報したことが原因だそう。

このことに限らず、黒人に対しては、微罪で逮捕して裁判も行われないという近代法治国家とは思えない実態も映画の中では明らかにされています。

ちょっとトピックがズレるのでアレですが、小田嶋隆さんのこちらのコラムで書かれていた黒人が警官の心象を悪くしないため自衛している、という話も、各種の差別構造を理解するために押さえておく必要がある気がします。

刑務所の収容者数

1900年代前半、賃金不要の囚人労働を活用して、経済破綻を立て直した頃に第一次刑務所ブームが起こります。

収容者数
197035万
198051万
198575万
1990117万
2000201万
2014230万
刑務所収容者数の推移(映画13thより)

映画のタイトルにもなっている憲法第13条は人種差別の撤廃を掲げていますが、「ただし犯罪者は除く」という例外修正が加えられたため、黒人を微罪逮捕して犯罪者に仕立て上げるという裏技を許すことになります。

1970年ニクソン大統領の時代に第二次刑務所ブームが起こります。麻薬戦争というキャッチフレーズを用いて、各種法律を厳格化しました。その流れは、1980年刑務所を民営化し、産業化したことから、加速度を増します。民間刑務所(CCA[1])は、他の様々な産業と連携し莫大な利益を上げるようになるのですが、そのため、常に刑務所を満員にしておく必要があるという恐ろしい矛盾を抱えるようになり、坂を転げ落ちるように、負のスパイラルに落ち込んでいきます。

そして、ここにALEC[2]という政治的ロビー団体が絡むことで、政策に民間企業が口出しできる仕組みもでき上がっていき、弱者を食いものにして、企業や政治家が利益を貪る社会構造が構築されます。

犯罪への恐怖につけ込む政策

ニクソン、レーガン、クリントン、ブッシュ、そしてトランプへと、人種差別の負のバトンが、ひっそりと形を変えながら脈々と受け継がれていく様子は醜悪です。

ヒトラーの人種政策と根本的に構造はほとんど同じだけれど、それをより巧妙にアレンジして合法的に見せかけ、労働力を搾取して利益を生み出そうとしているのが悪質だと思いました。

転換点はいくつもあったけれど、その都度、アメリカの国民が誤った選択をしてきたことを映画は指摘します。それは選んではいけない政治家を選んできた、ということです。

政治家たちが、犯罪者への厳しい罰則を選挙公約に掲げると、民衆は犯罪への恐怖から彼らを熱烈に支持しました。(黒人=犯罪者という刷り込みや、人口増加による犯罪増加を黒人のせいに仕立て上げるなどの裏工作も同時に行われています)

これは、現代の民主主義の重大な欠点でしょう。政治家は風見鶏のように、大衆の意見に迎合します。なぜなら選挙に勝ちたいから。

映画のちから

13thを見る前に、日本を代表する映画監督、河瀬直美[3]さんのTEDxでのプレゼンテーション動画を見ていました。とある小学校の先生が、子どもたちの参考になるプレゼンテーションとして、河瀬さんのプレゼンを紹介していたのです。

たった13分の動画ですが、私は途中から涙が止まりませんでした。
河瀬監督は映画のちからで人びとの心をつなげようとしています。

映画13thでは、1本の映画が恐ろしい影響力を社会にもたらしたことが語られています。
1915年”The Birth of a Nation”国民の創生:黒人は犯罪者であるとのイメージを拡散し、白人優位主義者KKK[4]などを助長した)

そして、Ava DuVernay監督による、このドキュメンタリー映画13thは、一瞬で流れていくニュースや、身近な出来事だけでは知りえることのない事実を、私たちに示してくれています。

歴史的な観点、統計的な観点、権力者のエゴによって虐げられてきた人々の声なき声を、理路整然と、声を荒げることなく描くことで、観客である私たちの知性に訴えかけようとしています。

映像作品は、作り手によって、その存在と影響力はプラスにもマイナスにも作用してしまう、ということが良く理解できました。

中央集権から分散へ

13thのなかで、映像による影響力について語られている場面があります。
かつては、事実を周知するには、権力と結びついているメディアの力が必要だったけれど、現代では、多くがスマートフォンで動画を撮影し、投稿することができます。

BLM[5]運動は、かつての公民権運動のように、どこかにリーダーがいるわけではなく、活動家は世界中に分散し、この運動を支えているから、これまでのように権力者が反対運動のリーダーを抹殺して、ことをうやむやにすることが難しくなっている点に希望を見出していました。

ブロックチェーン技術について学んだときも、キーワードは中央集権から分散管理への変化だったので、映画の中で、この言葉を聴いたとき、あ、ここもだ、とパズルのピースがハマった気がしました。不平等と搾取を乗り越えた未来は、分散管理社会に成立するのかもしれません。

参考

[1]^CCA: Corrections Corporation of America Rebrands as CoreCivic

[2]^ALEC: American Legos;atove Exchange Council

[1969~ ]映画監督。奈良の生まれ。ドキュメンタリー映画で評価されたのち、劇場映画第一作「萌(もえ)の朱雀(すざく)」でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を受賞。平成19年(2007)にはグループホームを舞台に老人と介護福祉士の交流を描いた「殯(もがり)の森」で同映画祭審査員特別グランプリを受賞した。他に「火垂」「沙羅双樹(しゃらそうじゅ)」「垂乳女(たらちめ)」など。

[3]^”かわせ‐なおみ【河瀬直美】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-06-27)

アメリカの白人至上主義団体。南北戦争後の1865年に組織された秘密結社。主に旧南部地域を中心に組織を拡大。顔を隠す白い三角頭巾と白装束に身を包み、黒人や黒人を支援する白人を襲い、集団暴行や殺害を繰り返した。こうした活動は1870年代に一度収束するが、20世紀に入り、黒人だけでなく移民全般を敵視する白人プロテスタントの秘密組織として復活。幾つかの組織に分派しながら、今日に至るまで活動を続けている。略称はKKK。

[4]^”クー・クラックス・クラン”, デジタル大辞泉プラス, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-06-27)

[5]^BLM: Black Lives Matter 黒人の命も大事、というスローガンのもと、各種の差別的な政策、警察対応などの改善を求めるキャンペーン活動。

雑談

6/27(土)1日のうちにできることは本当に限られている。あれも、これも、とリストアップしても、実際にできることは、ひとつか、ふたつ。自分の能力を過信しすぎないように。それにしても、今日は身体から倦怠感が抜けない日で、タスクを片づけるのも、間にたっぷり休憩を取らないと次に取りかかれないというありさま。

告知検疫体制開始終予定実際の終了
3/6ECQ[1]3/174/125/15原則外出不可/各地で移動制限
4/7ECQ4/30*4/30まで延長された
4/24ECQ5/15*5/15まで延長された
5/13MECQ[2]5/165/315/31MECQに緩和
5/16一部規制緩和ショッピングモールの営業が開始
5/16GCQ[3]6/16/15GCQに緩和
6/16GCQ6/30*6/30まで延長された
6/16一部規制緩和店内の飲食許可(30%以下で)
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