そうか、そこだったか、と新幹線で気づいたもんざです。
JR東日本の新幹線機内誌「トランヴェール8月号」を読みました。
(バックナンバーはウェブサイトからも読めます)
特集は青森・函館に円空の仏像を見に行くという企画です。
私に円空さんについての知識は、ほとんどありませんでしたが、その特集記事を読んで、今回のテーマに関連して気づいたことがあったので、そのことを書いてみますね。
円空(1632-95)は、63年の生涯で12万体(!!!)の仏像を彫った江戸時代初期の仏師です。
彼は手のひらサイズのこけしのような仏像から等身大、3メートル超えのサイズまで、さまざまな仏像を木彫りしていて、製作数が異様に多いことでも有名です。
円空年表を確認したところ、彼が製作していたのは、32歳から61歳までなので、29年間で12万体、つまり平均で年間4千体以上作っていた計算になります。ほんとかな、って疑いたくなってしまいますが、彼の作風をみると、納得できます。
簡素で野性的な彫刻が持ち味で、木っ端に目鼻を彫っただけのような仏像もあり、これなら1日10体でも作れるかもしれません。私が、おや、と思ったのは、作品数の多さではなくて、彼がなぜ様々なサイズの仏像を作り、また立木に仏像を彫ったりしていたのか、という点についての漫画家武井宏之さんの推察です。
「円空は人々が見ている前で即興で仏像を彫るパフォーマンスを行っていたのではないか。人々からのリクエストを受けて等身大の仏像を彫っていたのではないか」
武井さん自身が、人から求められて絵を描くことで創作意欲が増すという経験をしているから気づいたと言います。
自分自身のために作る、という創作理由に加えて、自分の作品を喜んでくれる人がいる、という動機が加わると、確かに強い動機づけになるでしょう。同じ事をずっと続けていると、迷いが出てくることもあると思うのですが、こうした動機づけを味方にできると継続しやすくなるはず。私自身、この読書会が継続できているのは、同じ理由だと感じたんです。
・自分が感動したことを書く(円空の創作意欲とエピソード。自分の体験も含める)
・誰とその感動を共有したいかを考える(読書会のメンバー)
・その人に伝わるように工夫して書く(年代などの数字を入れて具体的にイメージしやすく)
今日のカウントダウンコラムを書く時に気をつけたのは、この3点です。
ちゃんと伝わっているといいなぁ。
それでは、また明日もよろしくお願いします。