第115回読書会では、こちらの本を共有する予定です。第三部「近代世界システム」第四章「アソシエーショニズム」から、柄谷さんの熱い理念が語られているところを共有します。
ハイエクの「貨幣発行自由化論」を読んだ時、著者がより良い社会を作るために経済学者としての強い使命を感じていて、それを著作で伝えようとしていることがビシバシと伝わってきて、ハイエクってかっこいいなぁと思ったのですが、柄谷さんも、ハイエク以上に激しく、でも論理的に冷静に理想を語っていて、かっこいいです。
ほかの人たちが、現状から考えれば不可能だ、諦めて「そんなもんさ」とニヒリズムに走ってしまうところでも、踏みとどまって高い理想を掲げて熱いままでいる、って、めちゃくちゃ難しいことだと思います。
ここで一言いっておく。今日、歴史の理念を嘲笑するポストモダニストの多くは、かつて「構成的理念」を信じたマルクス=レーニン主義者であり、そのような理念に傷ついて、理念一般を否定し、シニシズムやニヒリズムに逃げ込んだ者たちである。(中略)世界資本主義がもたらす悲惨な現実に生きている人たちにとっては、それではすまない。
(第三部「近代世界システム」第四章「アソシエーショニズム」1.宗教批判 「世界史の構造」 (岩波現代文庫) 柄谷 行人 (著))
私は、ここから「俺は逃げずに向き合うよ」っていう柄谷さんの意志を感じました。
この章「アソシエーショニズム」は、なるほどね!と個人的にも強く共感する点があったので、そこは読書会で共有しますね。
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
世界史の構造のもくじ
序説 交換様式論
第一部 ミニ経済システム
1-序論 氏族社会への移行
1-第一章 定住革命
1-第二章 贈与と呪術
第二部 世界=帝国
2-序論 国家の起源
2-第一章 国家
2-第二章 世界貨幣
2-第三章 世界帝国
2-第四章 普遍宗教
第三部 近代世界システム
3-序論 世界=帝国と世界=経済
3-第一章 近代国家
3-第二章 産業資本
3-第三章 ネーション
3-第四章 アソシエーショニズム ←いまここ
第四部 現在と未来
4-第一章 世界資本主義の段階と反復
4-第二章 世界共和国へ
参加者(3名)
- もんざ (主催者) 「世界史の構造」 (岩波現代文庫) 柄谷 行人 (著)
- にしやまさん 「定年前、しなくていい5つのこと」大江英樹(著)光文社
- 加賀谷さん「お金原論―30代で知っておきたい「お金の知性」の高め方」泉 正人 (著)