太陽と月が同時に出ていることを歌った万葉集の和歌を、5分で調べられるって、素晴らしい時代に生きてるな、と思うもんざです。
「東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ」柿本人麻呂
(ひむかしの のにかぎろいの たつみえて かへりみすれば つきかたぶきぬ)
「東の空は曙の太陽の光が差してくるのが見え、振り返って西を見ると、月が西の空に沈んでいこうとしている」
お友達が、空の朝焼けを見ながら、同時に月が残っていることにも気づいて、万葉集に確か、こんな情景を描いた和歌があったような、と呟いていたので、気になってググってしまいました。
柿本人麻呂は宮廷歌人なので、単に美しい情景を和歌に仕立てただけじゃなく政治的な意味も含まれているんです。でも私は、そういう付属情報は横において、シンプルに景色をイメージして、友人や人麻呂が実際に見たであろう光景を見ている気持ちに浸れて幸せでした。
学生の頃、早朝に、立山連峰から昇る朝日と消え残る月を見て、あまりの神々しさに頭のなかが痺れたような感覚になったのを思い出しました。古代から人は山には神様が住んでいると考えていたわけですが、人知を超えた美しさに触れると、そういう発想が生まれるっていうのは、とても良く分かる気がします。
こちらのサイト(短歌の教科書)、とても情報が充実していて素晴らしかったです。