ブックレビュー

読書感想

「親友交歓」太宰治(1946)親友のふりをする見知らぬ男との会話を描いた短編

1946年(昭和21年)太宰治が37歳の時に発表された短編小説「親友交歓」(しんゆうこうかん)を読みました。親友のふりをする見知らぬ男に翻弄される主人公を描いた物語。この主人公は太宰自身を投影しているようです。(青空文庫のこちらで読めます)...
読書感想

「水月」川端康成(1953)愛情とは何かを考える短編

1953年(昭和28年)に発表された川端康成の短編小説「水月」(すいげつ)を読みました。結婚2か月目から夫が寝たきりになり、その後、夫が死ぬまで看護をした京子の視点で描かれた物語です。(筑摩書房「現代日本文學大系 52」あるいは新潮社「川端...
8. Trial&Error

「象を撃つ」ジョージ・オーウェル(1936)支配者の苦悩を味わう短編

1936年(昭和9年)に発表されたジョージ・オーウェルの短編小説を読みました。インドで生まれた英国人オーウェルが33歳の時に発表したこの作品は、彼自身がビルマ(ミャンマー)の警察官となって、英国植民地の実態を経験したことが基礎になっているエ...
読書感想

「セメント樽の中の手紙」葉山嘉樹(1926)救いがなく物悲しい労働者を描いた短編

1926年(大正15年/昭和元年)に発表された葉山嘉樹の短編小説を読みました。ミステリー小説のような要素をもつ、やり場のない物悲しい気持ちになる物語です。(「セメント樽の中の手紙」葉山嘉樹著 ←青空文庫で無料で読めます)原作と翻訳の読み比べ...
読書感想

「西班牙犬の家」佐藤春夫(1916)愛犬との散歩が大好きな人の短編

1916年(大正5年)に発表された佐藤春夫の短編小説を読みました。愛犬フラテに連れられて、ちょっと不思議な場所を訪れる物語です。主人公と一緒に神秘的な場所に迷い込む体験ができるファンタジーで最後のオチは少しドキリとさせられます。(「西班牙犬...
8.1. ふとした気づき

「秋山図」芥川龍之介(1921)絵画コレクターの心理を描いた短編

1921年(大正10年)に発表された芥川龍之介の短編小説を読みました。黄大癡(こうたいち)が描いた伝説の名画「秋山図」にまつわる不思議なお話。こちらのブログ(一生一石「秋山図」芥川龍之介の芸術観)の記述によると、惲寿平(うんじゅへい)という...
読書感想

「下町」林芙美子(1948)人生の喜怒哀楽を全部盛り込んだ短編

1948年(昭和23年)に発表された林芙美子の短編小説を読みました。戦後もシベリアに抑留されている夫を待ちながら幼い息子を抱えてお茶の行商をしながら暮らす30歳の女性おりよが主人公。辛く厳しい生活からの変化が見えてきたところで、思いがけない...
9. 読書会(勉強会)

第121回読書会まで14日(8/28(土)開催) 

第121回ZOOMで読書会の2週間前になりました。本日からカウントダウンを開始しますね。現在の参加予定は、私も含めて2名です。今回の私の紹介予定本は、サイバーSFなのですが、先月の紹介本とも絡めて説明できたらいいなと思っています。参加者(2...
9. 読書会(勉強会)

第121回 ZOOMで読書会のご案内

2021年8月の読書会は、8月28日(土)朝8時~9時半(JST)です。 直近1か月のあいだに、読んだ1冊を共有してください。わたしは、こちらを読み終えて参加する予定です。みなさまとお話できるのを楽しみにしております。 申し込み方法 お申込...
8.2. ふりかえり Retrospective

(純文学読書会)5つの物語/癒しと再生、恋愛と友情、理想と現実

久しぶりに純文学読書会を開催しました。今回は課題本を決めず、お好みの小説を紹介していただく形式にしましたよ。 5つの物語は、癒しと再生、恋愛と友情、理想と現実、などのテーマで描かれており、どれも興味深い内容でした。ご参加いただいた皆様、あり...
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