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ホワイトハウスの舞台裏「ジョン・ボルトン回顧録」ジョン・ボルトン著

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読書感想
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許容範囲の犠牲って、どのくらい?と思ったもんざです。
World News Cafe(英文ニュースで世界を読む会)に参加して「ジョン・ボルトン回顧録」の第2章を読みました。今回の参加者は10名。簡単に備忘記録を残しておきます。

2章のあらすじ

トランプ政権の前大統領補佐官ジョン・ボルトン氏が当時のホワイトハウスの状況を時系列で振り返ったもの。第2章では、シリアでアサド大統領が自国内で再度化学兵器を使用した事件に、どのように各国と協調して対応したか、その舞台裏が描かれています。

感想

テキストを輪読・翻訳しながら英文を読解するのですが、途中で、シリアで化学兵器が使われた時の動画や、ボルトン氏へのインタビュー、ホワイトハウスの内部構造などに関する動画を見ることができたので、より内容の理解を深めることができました。

読み終わって、少しモヤモヤした気分が残ったのは、政治家が、これくらいの犠牲は大義の前には許容範囲だ、と考えて決断したら、その巻き添えで市民は死んじゃうんだっていう、当たり前の事実が突き付けられたからです。

例えば、広島と長崎に原爆が投下されたのも、当時のアメリカ側からすれば許容範囲の犠牲だったわけです。参加したメンバーと英文読解の後に意見交換をしたのですが、うまく自分の考えを言葉にできませんでした。

単語

incommensurable /ìnkəménʃ(ə)rəbl/ 同じ基準で計れない, 比較できない, (…と)比較にならなくて, けた違いで 例)a statement incommensurable with the facts 事実と大きくかけ離れた陳述. – 研究社 新英和中辞典

imperative/ɪmpérəṭɪv/ぜひともしなければならない, 緊急の the imperative mood 命令法. – 研究社 新英和中辞典

retaliation/rɪt`æliéɪʃən/返報, 報復 in retaliation for… …に対する報復として. – 研究社 新英和中辞典

notwithstanding/nὰtwɪθstˈændɪŋ/…にもかかわらずI want notwithstanding the rain雨を冒して行った – 斎藤和英大辞典

deterrence/dɪtˈɚːrəns/制止, 阻止, 引き止めgraduated deterrence段階的抑止戦略. – 研究社 新英和中辞典

emanate/émənèɪt/発出する, 出る, 発するa substance supposed to emanate from the body of the medium during a tranceトランス状態の霊媒の体から発散すると考えられている物質 – 日本語WordNet

用語に関連して調べたこと

トゥキディデスの罠 Thucydides trap[⇒古代ギリシャの歴史家トゥキディデスが『ペロポネソス戦史』で述べたように,新興国の急速な勃興は既存の支配国の恐怖を引き起こし両国間の戦争にエスカレートする.ハーバード大学の政治学者 Graham Allison は 2017年の著書でこの歴史現象を Thucydides trap と呼んだ.アリソンの研究では過去500年間に新興国が支配国に取って代わろうとした16例のうち12例で戦争が起こったという]

“Thucydides trap”, プログレッシブ ビジネス英語辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-09)

シリア化学兵器廃棄:2011年から続くシリアの内戦において、13年春に化学兵器が使用されたという疑惑が発生したため、国際連合(国連)は同年8月に現地調査団を派遣することを決定した。シリアの化学兵器使用疑惑に対して、アメリカ、イギリス、フランスの3国はアサド政権に対する軍事介入を公言し、緊張が高まった。しかし9月14日にはアメリカとロシアの間において、14年半ばまでにシリアの化学兵器を完全廃棄する枠組みに関して合意が達成され、シリアへの軍事介入は回避された。さらに翌15日には、国連調査団の報告書が潘基文(パン・ギムン)国連事務総長に提出され、シリアにおいてサリンが使用されたことが確認された。9月27日に国連安全保障理事会(安保理)は、シリアに対して化学兵器の廃棄を義務づける決議を全会一致で採択し、シリアはその決議を履行することを表明した。決議では、シリアの化学兵器の使用が国際法違反であるとされ、14年半ばまでのシリアの化学兵器の全廃や同年1月までの査察開始を柱とする化学兵器禁止機関(OPCW)の決定を支持し、シリア政府にその決定の順守と査察協力を義務づけている。10月11日にはOPCWのノーベル平和賞の受賞が決定した。同月14日にはシリアは化学兵器禁止条約に加入し、締約国は190カ国となった。シリアに関しては化学兵器使用およびその廃棄が計画通り実施されることが重要であるとともに、内戦状況を終結させるというより大きな課題が残されている。

“シリア化学兵器廃棄[軍縮/平和]”, 情報・知識 imidas 2018, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-09)

アサド,バッシャール(al-Asad, Bashshār):シリアの政治家。ダマスカス生まれ.ダマスカス大学医学部卒業 [1988] .父アサド(ハーフィズ)は共和制下での世襲を図った.眼科医としてロンドン留学中 [92-94] に後継者候補の兄バースィル(Bāsil)が交通事故で死亡 [94.1] .帰国して急遽軍歴を積み,父の死後,軍最高司令官・バアス党書記長・共和国大統領を継承 [2000] .部分的な改革を除き強権的な支配を維持したため,反対運動が起き [11] ,流血の弾圧を続け内戦を招いた.

“アサド,バッシャール(al-Asad, Bashshār)”, 岩波 世界人名大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-09)

この史上最悪な独裁者&暴君リスト、面白いです。Estimated victimsで並べ替えてみてください。昭和天皇は4位にランクインしています。一位はご想像のとおり。アサド大統領は19位くらいにいました。

Worst Dictators and Tyrants 🦹 All-Time List

関連情報

飯田先生が、講義で共有してくださった動画と関連記事。シリアの子どもたちの様子は痛々しくて見るのが辛い。。。ホワイトハウスの解説動画を見たら、大統領の執務室などの位置や雰囲気も良くわかります。

Syria war: What we know about Douma ‘chemical attack’ BBC News, April 2018

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ジョン・ボルトン回顧録 トランプ大統領との453日
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