今月わたしは、NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版」 (日本経済新聞出版) マーシャル・B・ローゼンバーグ (著), 安納献 (著), 小川敏子 (翻訳) を読んでいます。今回は「第2章 思いやる気持ちを妨げるコミュニケーション」から、面白いと思ったところを共有しますね。
従順で御しやすい人間が増える怖さ
第2章では、自分の行動や考え、感情の責任を意識していないことの危険性について述べられています。
これはフランスの小説家ジョルジュ・ベルナノスの言葉だそうです。
わたしたちがこれまでに見た恐ろしい出来事、もうまもなく目のあたりにするであろうさらに恐ろしい出来事は、世界中で反逆者が増えているからでも、反抗的で扱いにくい人が増えているからでもなく、従順で御しやすい人間が確実に増えているしるしなのだ
NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版」 (日本経済新聞出版) マーシャル・B・ローゼンバーグ (著), 安納献 (著), 小川敏子 (翻訳)
なぜ、従順な人間が良くないのでしょうか?支配構造がある社会では、「~すべき」「~しなくてはならない」という言葉が幅をきかせるようになるのです。そういう思考が一般化すると、人は自分の内面でなく、外の権威を基準に判断するようになり、自分の思考や感情、行動の責任が自分にあるのだ、という自覚が薄れ、願望を「強要」し、人を思いやる気持ちを失くしていきます。
料理なんて大嫌いと言いながら20年お料理を続けてきた母親、上司の命令だったからユダヤ人を収容所で殺害したといったナチスドイツの兵士たちの事例を読んで、自分の思考や感情、行動の責任が確かに自分にある、と認識することがどれほど難しく、だからこそ重要なのか、と考えさせられました。
コロナ禍で、営業している飲食店に嫌がらせをする自粛警察が話題になりましたが、そういうのも、この範疇に入ってくる気がしますね。
行き過ぎた「自粛警察」“感情のコントロール心がけて”(NHKニュース 2020年5月19日 18時02分)
書籍の目次
今回は第2章から少しだけご紹介しました。
第1章 心の底から与える――非暴力コミュニケーションの核心
第2章 思いやる気持ちを妨げるコミュニケーション ←いまここ
第3章 評価をまじえずに観察する
第4章 感情を見極め、表現する
第5章 自分の感情に責任をもつ
第6章 人生を豊かにするための要求
第7章 共感をもって受け取る
第8章 共感の力
第9章 思いやりを持って自分自身とつながる
第10章 怒りをじゅうぶんに表現する
第11章 紛争を解決する
第12章 力を防御的に使う
第13章 自分を解放し、人に助言する
第14章 NVCで感謝を表現する
参考:日経の本 暴力や対立、偏った物の見方を排し、対話を導く。世界60 カ国以上、100 万人超の人たちに読まれている「話し方」の教科書の最新版。
今日も読んでくださってありがとうございます。
また明日もよろしくお願いします。
第118回 読書会の参加予定者
- もんざ 「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法 新版」 (日本経済新聞出版) マーシャル・B・ローゼンバーグ (著), 安納献 (著), 小川敏子 (翻訳)
- じょあんなさん「僕が夫に出会うまで」 (文春e-Books) 七崎 良輔 (著) 文藝春秋
- にしやまさん「定年起業を始めるならこの1冊! 定年ひとり起業」大杉 潤 (著) 自由国民社
- ひろみさん「親鸞の浄土を生きる―死を恐れないために」加藤 智見 (著) 大法輪閣
- りんさん「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」 (光文社新書) 樋口 耕太郎 (著)
- Treeさん「仕事に効く教養としての「世界史」」出口治明 (著) 祥伝社