7月末から日常の英会話力をアップさせる目的で再び1か月限定でNetflixに再登録しており、この期間に観た映画のうち1本が「イージーライダー」。1969年に公開されたアメリカ映画で、評価が高いことだけ知っていたからチャレンジしてみた。
予備知識はほとんどない状態で見始めたのだが、結末が衝撃的だ、ということだけは知っていた。それが良かった。おかげで、中断しつつも何とか最後まで見ることができた。(それを知らなかったらギブアップしていただろう)確かに、あの終わり方は想像できなかった。
決して後味の良い映画ではないけれど、私は見て良かったと思う。見終わったあとも、いろいろと気になって、情報を集めて、そうか、あれはそういう意味だったのか、と復習できたのも好奇心が満たされて面白かった。でも、息抜きとして娯楽映画を楽しみたい人には向かない作品。見たら確実にモヤモヤする。
観客に媚びる部分がなくて、映像を見た人が持っている知識や経験を総動員して考えなくては理解できない世界が広がっているから、古典文学を読んでいるみたいだった。ちょうどいま、カフカの「城」を読んでいて、脳内が引っ掻き回されている感じだから、余計にそう感じたのかもしれない。
Naverまとめサイトの情報のおかげで、見終わったあとの呆然とした気持ちがずいぶんと和らいだ。内容を消化できなくて、混乱して何か納得できる説明を誰かにしてもらいたい気持ちでいっぱいだったのだ。私はNetflixで予備知識ゼロなのに英語字幕で見ちゃったから、理解が追い付かない部分もたくさんあったんだけれど、Amazonだったら日本語字幕付きで見ることができたみたい。
まぁ、でもそれだと私の目的(英会話力の向上)からズレちゃうので、ダメなんだが、それは別としても、もう一度、この映画を見たいか、と言われたら素直にハイと言えない。描き出されている理不尽さが理解できないから、恐怖を感じる。ちょっと違うかな。どうして私は怖いと思うんだろう?見たくない現実が自分の身近に確実にあることを突き付けられるから怖いんだ。
井筒監督がこの映画の解説として”Freedom”と”Liberty”の違いについて言及された記述があって、私は初めて、この二つの単語の意味の違いを理解した。私の最も重視する価値観は「自由」なのだけれど、それは “Freedom”(制約からの解放)なのか、それとも”Liberty”(法の制約の元での選択の自由) なのか。自分では前者を目指しているつもりでいたのだけれど、実際のところは後者に留まっているだけなのかもしれない。
そして、Freedomを体現しようとしている映画の主人公2人は全然しあわせそうにみえないし、彼らの末路に自分の未来を重ねて恐怖を感じ、それによって自分の価値観が揺さぶられてしまい、目をそむけたくなるんだろう。(なぜ彼らが幸福そうに見えないかについては、幸福論の話になりそうだから、 最近読んだ書評も参考にしつつ、 別の機会に書くことにする。)
IMDbでCastの名前をクリックするとQuotesとして登場人物の会話の文字起こしが表示されたので映画の内容の振り返りができた。Freedomの話は、ハンソンとビリーが野宿するため焚火のそばで話していたときの会話だったみたい。
George Hanson : You know, this used to be a helluva good country. I can’t understand what’s gone wrong with it.
Quotes , Dennis Hopper: Billy , Easy Rider
Billy : Man, everybody got chicken, that’s what happened. Hey, we can’t even get into like, a second-rate hotel, I mean, a second-rate motel, you dig? They think we’re gonna cut their throat or somethin’. They’re scared, man.
George Hanson : They’re not scared of you. They’re scared of what you represent to ‘em.
Billy : Hey, man. All we represent to them, man, is somebody who needs a haircut.
George Hanson : Oh, no. What you represent to them is freedom.
Billy : What the hell is wrong with freedom? That’s what it’s all about.
George Hanson : Oh, yeah, that’s right. That’s what’s it’s all about, all right. But talkin’ about it and bein’ it, that’s two different thangs. I mean, it’s real hard to be free when you are bought and sold in the marketplace. Of course, don’t ever tell anybody that they’re not free, ‘cause then they’re gonna get real busy killin’ and maimin’ to prove to you that they are. Oh, yeah, they’re gonna talk to you, and talk to you, and talk to you about individual freedom. But they see a free individual, it’s gonna scare ‘em.
Billy : Well, it don’t make ‘em runnin’ scared.
George Hanson : No, it makes ‘em dangerous. Buhhhh! Neh! Neh! Neh! Neh! Neh! Neh! Swamp!
この部分、映画を見ているときは全然分からなかったけど、まとめサイトを見て、これを読んで、いまようやく少し分かったわ。。。