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読書会までラスト8日/テクノロジーは教師じゃない

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9. 読書会(勉強会)
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化膿体質を何とかしたいもんざです。

寝不足が続くと疲れがたまり免疫が落ち、鼻や口のなかに炎症が起こります。

ある意味では、分かりやすい自分の体からのSOSなんですけども。

しかし抗生物質ってホントにすごい。
ほんの少しで効きますから。

抗生物質がなかったころに生きていた人たちは、痛みにただ耐える時代だったんだろうな。

医学の発展した現代に生まれたことに感謝だよなぁ。

進捗報告

今月みなさんと共有するのは、こちらです。

「体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉」 文藝春秋 伊藤 亜紗 (著) https://amzn.to/3GRF38p

今回は第2章「あとは体が解いてくれる 桑田のピッチングフォーム解析」から印象に残ったところを共有します。

ここでは、「無自覚のうちに適応的な情報処理を実現する脳の仕組みを解明する」科学者の柏野牧夫さんの研究にフォーカスがあたります。柏野さんは聴覚の研究者ですが、スポーツ分野に加えて、現在は発達障害の感覚の研究にも携っています。

個別のトップアスリートのフォームを解析することについて、柏野さんの言葉が印象深いものでした。

引用「人間相手の実験系の基礎研究が、平均があって分散があってという通常モデルに囚われすぎていると思ったからです。(中略)自分の身体の特性と折り合いをつけていくためには、一般論を聞いてもあまり役に立たないというところがあったのだと思います。」

これを聞いて著者の伊藤さんは、ご自身の経験や知識と結びつく気づきを得ます。

引用「私自身、さまざまな障害や病気の当事者との研究を通じて、固有性の重要性は痛いほど感じてきました。同じ「全盲」でも、聴覚を使いこなす人がいれば、触覚が得意な人もいるし、脳内にはいつも視覚イメージが満ちていて「まるでVRみたい」と言う人もいます。(中略)この世にひとつとして同じ体はありません)」

たしかに、そうなんですよね。そのみんな違っているなかで、どうすれば求めるパフォーマンスを再現できるのか、それを柏野さんの研究は解明していきます。

秀逸なのは、その研究内容を私たち読者に向けて解説する著者の明晰さです。

引用「ポランニーにとって、暗黙知は、個人的な知を排除する近代科学に対する挑戦状でした。ひとりひとりの体の固有性に向き合い、実際に選手と一緒に研究を進めてきた柏野さんもまた、そのことに慎重であろうとします。テクノロジーは死角を照らすかもしれないが、教師ではない」

ここで物理化学者マイケル・ポランニーの「暗黙知の次元」という本が多数引用されており、めちゃめちゃ読みたくなったのですが、デジタル本が英語でも日本語でも見当たらなくてショックです。日本にいたらサクッと図書館で予約するところですが。。。

今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。

参加者(4名)

  1. もんざ「体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉」 文藝春秋 伊藤 亜紗 (著) https://amzn.to/3GRF38p
  2. じょあんなさん「Evil Eye/Etaf Rum」Harper Perennial https://amzn.asia/d/bqTsrWG
  3. 黒猫のミッツさん「NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク」ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田裕之 (翻訳) 河出書房新社 https://www.kawade.co.jp/nexus/
  4. にしやまさん「イノベーション・シンキング」ポール・スローン著 ディスカヴァー・クリエイティブ訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン https://d21.co.jp/book/detail/978-4-88759-575-0

お申込みURL

お申込みはこちらからどうぞ。

共有予定の本

「できなかったことができる」って何だろう?技能習得のメカニズムからリハビリへの応用まで――

古屋晋一(ソニーコンピュータサイエンス研究所)、柏野牧夫(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)、小池英樹(東京工業大学)、牛場潤一(慶應義塾大学)、暦本純一(東京大学大学院)ら、5人の科学者/エンジニアの先端研究を通して、「できる」をめぐる体の“奔放な”可能性を追う。

日々、未知へとジャンプする“体の冒険”がここに。

「体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉」 文藝春秋 伊藤 亜紗 (著) https://amzn.to/3GRF38p

“Rum’s sensitive portrayal of Yara’s inner monologue paints a clear picture of the traditional gendered expectations that are placed on many modern Palestinian American women, and the ways an unsettled past can affect the present.” — Washington Post, “10 Noteworthy Books for September”

「Evil Eye/Etaf Rum」Harper Perennial https://amzn.asia/d/bqTsrWG

■ハラリ氏による本書へのコメント

私たちは人類史上もっとも重大な情報革命のさなかを生きています。しかし、それ以前に起きたことを理解しなければ、そのことは理解できません。歴史とは、結局のところ過去を学ぶことではありません──変化を学ぶことなのです。歴史は、何が同じであり続けて、何が変化をして、いかに物事が変化しているかを教えてくれます。しかし、歴史とは決定論的なものではありませんし、『NEXUS 情報の人類史』は過去を理解することで未来を予測できると主張するものではありません。私の目的は、じゅうぶんな知識にもとづく選択をすれば、私たちは最悪の結果を避けることがまだ可能なのだと示すことにあるのです。未来は変えられないというのなら、それを議論するのに時間を費やす必要はないのですから。

「NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク」ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田裕之 (翻訳) 河出書房新社 https://www.kawade.co.jp/nexus/

 『ウミガメのスープ』でも話題になった「水平思考」(ラテラル・シンキング)とは、これまでの「原因から結果が生まれる」という因果関係的思考とは全く違う視点から、イノベーション(仕事の変革)に向けた全く新しいものの見方をすること。
 実はこの発想法は、生まれつき特別の人が持っているものではなく、トレーニング次第で誰でも身につけることができ、それによってクリエイターだけではなくすべての職種の人たちが、日々の仕事を変えていけるものなのです!

 本書では、すごい発想ができるようになる10のスキルを、これまでに成功したイノベーションの例を引きながら紹介し、アイデアを実行することによっていかに日々の仕事が変わるかについてわかりやすく解説しています。クイズ、エクササイズ例も収録しており、チーム・会社の演習にも役立つ内容です。

「イノベーション・シンキング」ポール・スローン著 ディスカヴァー・クリエイティブ訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン https://d21.co.jp/book/detail/978-4-88759-575-0

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