9. 読書会(勉強会)カウントダウンコラム1. Zoom読書会

読書会まで11日/じっくり丁寧に観察すべき

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9. 読書会(勉強会)
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みんなで笑うって楽しい、と感じたもんざです。

第97回アカデミー賞の長編アニメーション賞を受賞した映画「Flow」を映画館で観ました。
ラトビア出身のギンツ・ジルバロディス監督は、この作品が長編二作目とのこと。
この監督の作品は、次作も必ず観たいです。

主人公は一匹の小さな黒猫。舞台は人間がいなくなった後に大洪水に見舞われる地球らしき世界です。
あっという間に、どこかから大量の水が現れて、陸上に生きる生物たちは右往左往します。

黒猫は、水没する家を離れ、流れてきた木製のボートに乗り、あてもなく旅立ちます。
途中で仲間になる動物は、バク、犬、サル、鳥。

それぞれのキャラクター対比もバランスが良く、観客の笑いを誘っていました。
動物たちは人間の言葉を話すわけではないのですが、しぐさや行動から思考が読み取れるため、観客は思わず笑ってしまうのです。

水中を泳ぐ魚の群れや、クジラのような巨大生物も美しく神秘的に描かれています。
大洪水と動物たちといえば、ノアの箱舟をイメージしますが、この物語では大雨や嵐による浸水ではないんですよね。
そっと音もなく、みるみる増水していく。

客観的に見れば危機的な状況であっても、基本的に映像は穏やかで美しく、突然住処を奪われる哺乳類たちは、とまどいながらも、ただ流されていきます。
いろいろな解釈が可能な作品だと思います。

私は悲劇的な要素にも喜劇的なものが含まれる点や、先は読めないけど、やってくる来る波を異なる種族だけど信頼でつながった仲間と一緒に乗り超えようとする姿勢みたいなものに力づけられました。

参考 『FLOW』 – 映画と教育 | 学びの場.com

進捗報告

今月みなさんと共有するのは、こちらです。

「向谷地さん、幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?」 (シリーズ ケアをひらく) 白石正明・向谷地生良 (著) 医学書院 https://amzn.to/41yhnhB

今回は第1章「幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?」から印象に残ったところを共有します。
ここは、オープン・ダイアローグや当事者研究と呼ばれる、統合失調症の患者と対話を行う2つの手法と、そこから見えてくるものについての向谷地さんへのインタビューです。

精神看護2016年3月号から4回連続で掲載された記事の再掲だそうです。
「幻覚妄想を聞くな」という精神科の常識をくつがえす流れが生まれ、広がっているそうです。

引用「たとえば「病的であるとなかろうと、どんな発言も重要だ」という立場をとるオープンダイアローグではぐっと踏み込む。「その話をもっと聞かせてください」と。そうすると打つ手なしと思われた事態に方策が見えてくるのだ」

(4. オープンダイアローグは波乗りです / 1章 幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?)

引用「(2016年5月にオープンダイアローグの理論的主導者セイックラさんとアーンキルさんのワークショップに参加して、印象に残った点としての向谷地さんのことば)いちばん重要な点は、この場面のなかの治療者側に、「治療方針に合わせる」という”魂胆”がないこと。言ってみれば波乗りのような感じで、来る波、来る波に合わせてこちらの構え方を変えて、たくみに乗りこなしていく感じ」

(4. オープンダイアローグは波乗りです / 1章 幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?)

「向谷地:治療者も家族も、幻聴さんを「治さなきゃならないもの、なくさなければいけないもの」と思っているでしょうからね。そんななかで、幻聴さんの持つ意味は1人ひとりみんな違う。まあ、中には手放せない人もいますし、幻聴に助けられている人もいる」

(4. オープンダイアローグは波乗りです / 1章 幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?)

3/16のワシントンポストで「不安」は消そうとしても消えない、自分を助けるためのアラートだから、うまく付き合う方法を学ぶべき、という記事を読みました。
おそらく、私たちの身体が何かしら通常とは異なるサインを発している時は、それから目をそらすのではなく、じっくり丁寧に観察すべきなのかもしれません。

今日も読んでくださってありがとうございます。

また明日もよろしくお願いします。

参加者(2名)

  1. もんざ「向谷地さん、幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?」 (シリーズ ケアをひらく) 白石正明・向谷地生良 (著) 医学書院 https://amzn.to/41yhnhB
  2. にしやまさん「サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠」 (文春文庫)ジリアン・テット (著), 土方 奈美 (翻訳) https://amzn.to/4kEz8TY

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共有予定の本

へぇー」がひらくアナザーワールド!!精神医療の常識を溶かし、対人支援の枠組みを更新しつづける「べてるの家」の向谷地生良氏。当事者がどんな話をしても彼は「へぇー」と興味津々だ。その「へぇー」こそがアナザーワールドの扉をひらく鍵だったのだ!大澤真幸氏の特別寄稿「〈知〉はいかにして〈真実〉の地位に就くのか?」は“良心的兵役拒否者”である向谷地氏に言語論から迫る必読論文。

「向谷地さん、幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?」 (シリーズ ケアをひらく) 白石正明・向谷地生良 (著) 医学書院 https://amzn.to/41yhnhB

世界の金融システムがメルトダウンし、デジタル版ウォークマンの覇権をめぐる戦いでソニーがアップルに完敗し、ニューヨーク市役所が効率的に市民サービスを提供できない背景には、共通の原因がある。それは何か――。謎かけのようなこの問いに、文化人類学者という特異な経歴を持つ、FT紙きってのジャーナリストが挑む。

「サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠」 (文春文庫)ジリアン・テット (著), 土方 奈美 (翻訳) https://amzn.to/4kEz8TY

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