8. Trial&Error8.2. ふりかえり Retrospective

警戒心ゼロの野良猫から学ぶ

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8. Trial&Error
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自宅から歩いて2分ほどの距離に小さな公園があって、その隣にカフェがあります。公園なのに、まるでカフェの庭みたいな感じ。カフェには、アルフレスコ席も20席ほどあり、常に賑わっています。

通勤経路なので、私は毎朝その公園を通ります。1ヶ月ほど前から、公園のベンチや、外に置かれたカフェのイスでくつろぐ白猫を目にするようになりました。毎朝必ず同じ時間に同じベンチにいるので気になって「今日もいるかな」と眼で探してしまうほど。横向きになって手足を伸ばして眼をつぶっている姿は無防備で、最初は飼い猫なのかと思っていました。

3人掛けの木製の茶色のベンチで、真ん中に白猫がでろんと広がって寝ていて、両端に人間が遠慮がちに座ってスマホを見ている場面はしょっちゅう。猫好きらしい女性の膝の上に乗っかって、うっとりと撫でてもらうこともあります。ある時は、地面で寝転んでいるところにしゃがみ込んで撫でてくれた人に全力でじゃれついているのも見ました。猫は動体を挟んでもらっている両手を基点にして、くるりと身体を捻って宙返りし、その人の足に背中をこすりつけていました。

部外者の私にも、白猫がうれしくってたまらないっていうのが直球で伝わってきます。あいつは、本当は猫じゃなくて子犬なのかもしれない。外見からすると、大人の雌猫だと思うんですが、あの警戒心のなさは特殊だなと思いました。だって、他の野良猫とは明らかに態度が違う。生まれ持った才能みたいな感じ。

ふと思ったんですよ。あの野良猫は、どうして別の種族をそこまで無警戒に信じられるのかって。だって野生動物や家畜にとって、人間って天敵みたいなもんですよね。運が悪いと、ケガさせられたり、捕まって殺されるかもしれない。でも、あの白猫は逃げない。なんだろうな、あの絶対的な信頼感は。

ここには自分を傷つけるものはない、って信じ切っているみたい。あの白猫は、絶対に私よりも生存確率が低いに違いない。でも、いつも寛いでいて、幸せそうにみえる。私は、少し彼女を見習って、警戒心を緩めて生きてみる練習をする時期なのかも。

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