2019年12月29日のWeirdで編集者であるKeheさんの推薦本20冊が紹介されていました。過去10年間(2009~2019)に出版されたものから、彼が考えるベスト本が、フィクション10冊、ノンフィクション10冊挙げられています。しかし個別の本の詳細は書かれていません。
記事の主な内容は、2018年に亡くなったSF作家アーシュラ・K・ルグィンと、Keheさんが、まるでルグィンの後継者のようだと称えるジェミシンの比較と分析です。
ヒューゴー賞を受賞したルグィンの作品は、現在も私の人生に多大な影響を与えているため、この記事の解釈には驚かされました。自分が全くそういう発想ができなかったことも含めて。そんなわけで、Keheさんが選んだ本に興味を持ったので、少しづつ読んでみようと考えています。
フィクション10冊
The Fifth Season by N. K. Jemisin (未邦訳)NKジェミシン
How Long ‘til Black Future Month? by N. K. Jemisin(未邦訳)NKジェミシン
The Blind Earthworm in the Labyrinth by Veeraporn Nitiprapha (未邦訳)ヴィーラポン・ニティプラファ?(発音が分からない。。。)
The Vegetarian by Han Kang 「菜食主義者」 (新しい韓国の文学 1) 単行本(ソフトカバー) – 2011/6/15 ハン・ガン (著), 川口恵子 (編集), きむ ふな (翻訳)
The Transmigration of Bodies by Yuri Herrera ユリ・エレーラ『肉体の輪廻』(Bedenlerin Göçü)/ ユリ・エレーラ(Yuri Herrera)/ ノトス出版社(Notos Kitap)(未邦訳)
A Taste of Honey by Kai Ashante Wilson (未邦訳)カイ・アシャンテ・ウィルソン
The Story of My Teeth by Valeria Luiselli 俺の歯の話 (日本語) 単行本 – 2019/12/27
バレリア・ルイセリ (著), 松本 健二 (翻訳)
The Buried Giant by Kazuo Ishiguro 「忘れられた巨人」カズオ イシグロ (著), 土屋 政雄 (翻訳)
The Three-Body Problem by Liu Cixin 「三体」劉 慈欣 (著), 大森 望 (翻訳), 光吉 さくら (翻訳), ワン チャイ (翻訳), 立原 透耶 (監修)
Her Body and Other Parties by Carmen Maria Machado (未邦訳)カーメン・マリア・マチャド
10冊のうち4冊については邦訳が出ています(2019年12月末現在)
私が読んだことがあるのはハン・ガンの「菜食主義者」だけ。平凡な日常が理由もなく少しずつ歪んでいく様子が描かれたこの作品は、爽やかでも楽しくもない読後感なんだけど、たぶん死ぬまで私の記憶から消えないほどのインパクトがあった物語でした。カズオ・イシグロは「Never let me go」しか読んでいませんが、ほかも読みたいと思っていたので、背中を押されました。そして「俺の歯の話」の翻訳者の松本さんの本は、「ポーランドのボクサー」(エドゥアルド・ハルフォン)を読み、京都の書店イベントでお話を聴いたことがあるため、妙に親近感があります。まぁ、個人的な思い出と繋がっている著者や翻訳者などが、いくつかあるってだけなんですけど、それだけでも十分、これらの本を読んでみたくなっています。
ノンフィクション10冊
The Argonauts by Maggie Nelson (未邦訳)マギー・ネルソン「アルゴノーツ」
The Chronology of Water by Lidia Yuknavitch (未邦訳)リディア・ユクナヴィッチ (著者のTED talkがある)
H Is for Hawk by Helen Macdonald オはオオタカのオ (日本語) 単行本 – 2016/9/27
ヘレン・マクドナルド (著), 山川 純子 (翻訳)
Life in Code by Ellen Ullman (未邦訳)エレン・ウルマン
The Four-Dimensional Human by Laurence Scott (未邦訳)ローレンス・スコット
The Selfishness of Others by Kristin Dombek (未邦訳)クリスティン・ドンベック
Sapiens by Yuval Noah Harari 「サピエンス全史」 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 Kindle版 ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田裕之 (翻訳)
Lab Girl by Hope Jahren 「ラボ・ガール: 植物と研究を愛した女性科学者の物語」 ホープ・ヤーレン (著), 小坂 恵理 (翻訳)
Madness, Rack, and Honey: Collected Lectures by Mary Ruefle (未邦訳)メアリー・ルーフル
No Time to Spare by Ursula K. Le Guin 「暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて: ル=グウィン・エッセイ集」 (日本語) 単行本 – 2020/1/23 アーシュラ・K・ル=グウィン (著), 谷垣 暁美 (翻訳)
10冊のうち、3冊は邦訳がでています(2019年12月現在)。ルグゥインのエッセイ集が1月に出版されたら4冊ですね。
ノンフィクション部門も、私が読んだのは1冊(サピエンス全史)のみ。たしかに、この本はめちゃくちゃ面白かったので、たぶん、私は選者の感性に従って、これらの本を手に取っても楽しめる気がします。