何年も無駄にしてしまった、と後悔している人の言葉を聞き「その経験があるから今のあなたがいるのではないですか」と思ったもんざです。
私自身も同じような気持ちになったことがあります。資格を取れば何か新しい世界が広がるような気になり、自分の適性も考えず、税理士試験に3年ほど挑戦していました。簿記3級と2級は何とか取得できましたが、税理士試験は専門学校に通って学んでも、全く歯が立ちませんでした。でも、その時間とお金を投資したことは、全くの無駄ではなかったと考えています。なぜなら、数字に対する嫌悪感が軽減されたからです。「嫌い」「ふつう」「好き」の三段階で分けると、意識レベルを「ふつう」まで上げられたのは価値があると感じています。生まれつき暗算などが得意だったら、もっと職業選択の幅も広がり、どんなにこの世の中で暮らしやすかっただろうか、と思いますが、センスがないものは仕方がありません。
あの時に学んだことは、現在の仕事や私生活での考え方にも良い影響をもたらしていると思っています。ネガティブな思考にとらわれることこそ、意味がなく時間の無駄じゃないだろうか。過ちから学ばないのは愚かだと思う。でも私は、後悔して、その場で立ち止まって動けなくなってしまうくらいなら、多少は間違えてもいいから、一歩でも足を前に出してみる生き方を選びたい。